オーバードーズで死去した「フレンズ」マシュー・ペリー、闇の麻薬組織と「ケタミンの女王」が関与?
Culture 2024.08.21
去年10月28日に、54歳という若さで自宅のジャグジーで急死したマシュー・ペリー。ロサンゼルス郡検死官事務所は、マシューの死因は「ケタミンによる急性中毒」だと宣言。2022年に出版した回顧録でも自身のアルコールと薬物依存との長い闘いを打ち明けていた彼だが、その後の捜査により、この死には少なくとも5人の人間が関わっていることがわかったという、ショッキングなニュースが。
現在マシューの過剰摂取死を巡り、ふたりの医師を含む5人が起訴されている。その中には住み込みのアシスタントのほか、地下組織で「ケタミンの女王」として知られる女性が含まれており、ハリウッド映画さながらの展開に。
弁護士の記者会見によると、5人はマシューの薬物依存症を知りながら、金ヅルとして利用するために過剰な薬物を与え続けたという。彼は死亡時に入院中の患者に麻酔を打つくらいの大量の麻薬を所持しており、その入手経路について、ロサンゼルス市警と連邦麻薬取締局など、いくつかの機関が合同捜査を続けていた。
医師のサルバドール・プラセンシアは2023年9月にマシューが薬物に興味を持っていることを知り、「このバカがいくら払うのか試してみよう」と嘲笑するメッセージを仲間の医師、マーク・チャベスに送っていた。また、住み込みアシスタントのケネス・イワマサは、医療従事者でもないのに関わらず、亡くなる前の4日間にマシューに20回もケタミン注射をしていた。
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マシューは鬱の治療にも使われるケタミンを最初は合法的なクリニックで受けていたが徐々に依存するようになり、過剰な供給を断られたために裏経路で手に入れる方法を探し、今回起訴された医師2人と出会ったという。それでも足りなくなり、イワマサが医師のエリック・フレミングに接触。フレミングがドラッグディーラーで「ケタミンの女王」と呼ばれるジャスヴェーン・サンガとイワマサを結びつけた。フレミングはサンガから入手した50瓶のケタミンを、約165万円でイワマサに売却。サンガはマシューが亡くなった2週間後には来日し、マンダリンオリエンタルホテルなどで豪遊している姿をインスタグラムのストーリーズで公開していた。
英デイリーメール誌によると、亡くなった当日、マシューはイワマサに「デカいやつを俺に打ってくれよ」と告げ、その上でジャグジーの準備をするように頼んだ。それが最後の言葉となり、その後ジャグジー内でうつ伏せで亡くなっているのを発見された。また、マシューはこれまでにも2回、ケタミンの過剰摂取で意識不明の状態になったことがあったという。
イワマサ、フレミング、チャベスは罪を認めており、フレミングは最大25年の懲役刑の可能性がある。サンガとプラセンシアは無罪を主張し、プラセンシアには10万ドルの保釈金が命じられた。また、サンガの裁判は10月15日に行われる予定だが、ハリウッドの裕福なセレブたちに麻薬を供給するネットワークを持つという彼女の証言によっては、今後も更なる逮捕者が出る可能性も。事実、検察は彼女の証言と引き換えに減刑する司法取引を目指しており、チャベス医師はすでに司法取引により有罪を認めているとか。
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人気ドラマ『フレンズ』の愛されキャラ・チャンドラーを演じたマシューの、あまりにも痛ましい最期。彼を死に導いた麻薬ネットワークとそれに関係するすべてのハリウッド関係者は、今後逮捕と暴露の危機に怯えながら暮らすことになりそうだ。
text: Moyuru Sakai