英国王室の慣習を破った7つのウェディングドレス

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※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する
「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。
データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

【写真で見る】1840年から2020年にかけて、イギリス王室では数多くの盛大な結婚式が行われてきた。その中には、ときに伝統を覆すウェディングドレスもあった。

イギリス王室の“常識を打ち破った”7つのウェディングドレス

  • 結婚式でのヴィクトリア女王

    1840年2月10日、ロンドン。今日知られる「白いウェディングドレス」の伝統はここから始まった。それまで一般的だったカラードレスではなく、ヴィクトリア女王は白を選択。さらに、当時衰退していたイギリスのレース産業を復興させる目的で、ホニトンレースの刺繍が施されていた。 photography: Rischgitz / Getty Images

  • エリザベス皇太后の結婚式

    1923年4月28日、ロンドン。当時はボリュームのあるスカートやコルセットを特徴とするヴィクトリア朝風ドレスが主流だったが、皇太后は1920年代らしいボーイッシュなスタイルを選択。クリーム色のモアレシフォン生地で、ローウエストのシルエットに2本のトレーンを備えたデザインだった。ティアラの代わりに、マートルの冠を着用。 photography: Print Collector / Getty Images

  • マーガレット王女の結婚式

    1960年5月6日、ロンドン。雑誌「ライフ」はこれを「史上最もシンプルなロイヤルウェディングドレス」と評したが、そのミニマルさこそが魅力。伝統を守りつつも、シルクオーガンザ素材で長袖、Vネック、ふんわりとしたスカートという、必要最小限の美しさを体現している。 photography: Central Press / Getty Images

  • 結婚式でのダイアナ妃

    1981年7月29日、ロンドン。このドレスを象徴するのは、その圧倒的な華やかさ。7メートルを超えるロングトレーンに、1980年代らしいボリュームたっぷりのパフスリーブ、さらに金の馬蹄や青いリボンなどの隠れたディテールも施されていた。2026年現在でも、史上最も伝説的なウェディングドレスのひとつとされている。 photography: Fox Photos / Getty Images

  • 結婚式でのユージェニー王女

    2018年10月12日、ウィンザー。背中は大胆に開いたデザインで、12歳のときに受けた脊柱側弯症手術の傷跡をあえて見せるスタイルに。自身の経験を誇りとして表現したドレスとなった。 photography: Jeremy Selwyn / Evening Standard via Getty Images

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  • 結婚式でのヴィクトリア女王
  • エリザベス皇太后の結婚式
  • マーガレット王女の結婚式
  • 結婚式でのダイアナ妃
  • 結婚式でのユージェニー王女

1840年から2020年にかけて、イギリス王室は数々の盛大な結婚式を執り行ってきた。そこには時として、これまでの伝統を打ち破るようなウェディングドレスの姿もあった。

その美しさで歴史に名を刻むウェディングドレスがある一方で、従来のしきたりから根本的に逸脱することで記憶に残るドレスもある。イギリス王室の歴史において、こうした物議を醸したドレスは数多く存在してきた。色合い、袖の長さ、デコルテの開き具合……。イギリス王室の伝統やエチケットに基づき、未来のロイヤルブライドには数多くのルールが課せられる。しかし、中にはプロトコールに挑んだり、予想もしない、あるいは驚くべき選択をしたりする花嫁もいた。

しきたりから最初に解き放たれたのは、ヴィクトリア女王だった。1840年のアルバート公との婚礼において、彼女は白いドレスを選んだ。それは、それまでの結婚式で見られた色鮮やかなドレスとはかけ離れたものだった。さらに、その一着には、当時衰退していたイングランドのレース産業を再興させるという目的から、ホニトンレースの刺繍が施された。女王は知らず知らずのうちに、今日まで続く「白いウェディングドレス」というトレンドを切り拓いたのだ。それから1世紀足らず後の1923年、プロトコールに挑んだのはクイーン・マザーことエリザベス皇太后だった。彼女が選んだのは、1920年代のトレンドを象徴するボーイッシュなスタイル。クリーム色のモアレシフォン生地を用いたローウエストのドレスには、2本のトレーンがあしらわれていた。そして何よりも特徴的だったのは、伝統的なティアラの代わりにマートルの冠を頭に戴いたことだった。

結婚式でのヴィクトリア女王
アルバート公との婚礼に臨むヴィクトリア女王。(1840年2月10日、ロンドン)photography: Rischgitz / Getty Images

シンプルさと華やかさ

それからずっと後、打ち破られたのは「しきたり」というよりも、むしろ「周囲の期待」だった。たとえば1960年5月6日、アントニー・アームストロング=ジョーンズとの結婚式で、マーガレット王女は、長袖にVネック、ふんわりと広がるスカートのシルクオーガンザのドレスを選ぶという賭けに出た。過不足のない、まさに必要最低限の一着であり、王室らしい豪華さからは一線を画すものだった。そのため雑誌「ライフ」はこれを「史上最もシンプルなロイヤルウェディングドレス」と評している。これとは正反対に、その並外れた華やかさで大衆を驚かせたのが、ダイアナ妃の有名なウェディングドレスだ。結婚式当日ダイアナ妃は徹底して華やかさを打ち出した。7メートルを超える長いトレーン、1980年代風の大きくふくらんだパフスリーブ、そして金色の馬蹄や青いリボンなど、さまざまな隠されたディテールが散りばめられていた。

結婚式でのダイアナ妃
ダイアナ妃のウェディングドレスと7メートルを超える長さのトレーン。(1981年7月29日、ロンドン) photography: Princess Diana Archive / Getty Images

時代の流れとともに、イギリス王室の花嫁たちはより自由を手にしてきたようだ。2018年、ジャック・ブルックスバンクとの結婚式で着用したユージェニー王女のドレスは、そのことを示しているように見える。背中は大きく開いたデザインになっており、彼女が12歳の時に受けた脊柱側弯症の手術痕が、あえて見えるようにデザインされていた。「美しさの定義は変えられると思いますし、自分の傷跡を人に見せてもいいのだと思います。それを支持していくことは、本当に大切なことだと考えています」と、彼女は2018年にITVの番組「ディス・モーニング」のインタビューで語っていた。「私のドレスは私の選択」というわけだ。

From madameFIGARO.fr

  • text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi