渋い! カッコいい! 大泉洋の写真は、齊藤工の目線。
陰ではなく「穏」と「陽」とでも言えるかもしれない。齊藤工と大泉洋の在り方だ。

齊藤工は話し方もおっとりと柔らか。どちらかと言えば静かなムードが漂う。インタビューの際にも熟考して言葉を紡ぐ。
対して大泉洋は、頭脳明晰かつスピーディ。マシンガントークも得意。相手方の言葉に敏速に反応する。
そんな大泉洋を齊藤工が撮った。写真の大泉は渋くて大人の魅力にあふれている。場を和ませる大泉の明るさに、周囲はいつも頼りながら現場のムードを作っているのではないかと想定していたが、意図的に異なるニュアンスを乗せた写真が齊藤からの納品にはあった。
「大泉洋さんが味方にいて下さるプロジェクトはひたすらに心強いです。無理なく自然にすべてを成立させて下さる感じがします。地肩の強さとともに、その裏でさまざまな努力をされているのだと思いますが」(齊藤)
大泉洋がいる映画やドラマの作品、CM、司会番組などに期待するオーディエンスは、演技力はもちろん、そこに内包するメッセージが持つヒューマニティや温かさに励まされているのだと思う。大泉のような夫、父、兄弟、親友、上司、先生……そんな人物が、私の近くにいたならば……と、多くの人は感じるのだろう、「いたならば」の先にあるのは、「もっと楽しく幸せなのに」という想いが続くのだろう。
「『水曜どうでしょうプレミア 212市町村カントリーサインの旅』(HTB北海道テレビ)で、下川町に向かう道中、牛の喧嘩を仲裁し、その牧場のほとんどの牛が大泉さんに従うくだりが好きです。その牛たちの気持ちが少しわかる気がします。赤い服を着ていたのも功を奏したのかも知れませんが」(齊藤)

希代のエンターテイナー。そんな言葉がぴったりだ。でも、大泉洋が魅力的な最たる理由は、そんな形容詞がふさわしいのに、実直で、オーディエンスに「傍らにいてほしい」と思わせる親近感なのだ。
大泉 洋/YO OIZUMI
1973年4月3日、北海道生まれ。演劇ユニット、TEAM NACSのメンバー。舞台はもちろん、映画、テレビ、声優など幅広いジャンルにおいて多くの作品に出演し、番組MCやCMにも引っ張りだこ。2023年、映画『月の満ち欠け』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞、続く24年には『こんにちは、母さん』で優秀助演男優賞を受賞。主演する新作『BYE BYE LOVE 探偵はBARにいる』が12月25日公開予定。演じるだけに留まらず演出も手がけ、歌手としても活動。また、13年にはエッセイ連載をまとめた『大泉エッセイ~僕が綴った16年』(角川文庫)を出版するなどマルチに活躍する。
齊藤工/TAKUMI SAITOH
最近の出演作にNetflix映画『This is I』(配信中)、香港映画『殺手#4(キラー・ナンバー4)』(公開中)、『マジカル・シークレット・ツアー』(6月19日公開)。ドキュメンタリー映画『大きな家』では、プロデュースにも携わる。