【フィガロジャポン35周年企画】 写真家ソニア・シエフが撮影した斎藤工が表紙に! フィガロジャポン2017年のヒストリー。
Culture 2026.03.07
パリ生まれ東京育ちのスタイル誌『フィガロジャポン』は、2025年3月で創刊35周年。パリやパリに生きる人々の哲学から旅、ファッション、食、映画、そしてアートまでフィガロジャポンが発信してきた35年の歴史を編集長の森田聖美が当時の思い出に浸りながら、思い入れたっぷりに振り返ります。2017年に発売したすべての号をプレイバック!
2017年3月号(17年1月20日発売)489
グザヴィエ・ドラン×レア・セドゥ。

シャルロット・ゲンズブールと並んでフィガロジャポンの表紙を何回も飾るレア・セドゥ。グザヴィエ・ドラン監督作『たかが世界の終わり』に出演しふたりで登場した。現在は邦画ブームでありアニメブーム。洋画ヒットのチャンスはあまりないだけに、このような映画特集が作れたのは感慨深い。美容トレンドキーワード20はにぎにぎした構成なのに絵柄がしっとりしていてフィガロらしい表現。
2017年4月号(17年2月20日発売)490
まるでドランの映画のワンシーンのような。

先月号の表紙にドラン本人が登場したが、今号のファッションストーリーの表紙はまるでドランの映画のワンシーンのようだ。モデルのポーズや背景のブルーなど。メイクのページもファッション性が飛びぬけたのが今号の「ピンクに染めて、ドリーミィフェイス」。奇抜さもありながら取り入れたい気持ちにさせる秀逸なビジュアルになった。上野編集長は無類のピンク好きだったので編集部も感化される。ロゼワインとスイーツの特集では、ロゼ飲み比べを柳忠之氏、浅妻千映子氏らと編集部の酒好きたちで行い、編集YKが飲み過ぎて椅子から落ちた。思い出深い。
2017年5月号(17年3月20日発売)491
斎藤工、モノクロポートレート@パリの街。

フィガロジャポンのパリ支局でのモード撮影では常連の写真家ソニア・シエフが撮影した斎藤工氏が表紙になったパリ特集号。いつもと異なるヘアスタイル。「結論として、ソニアはとても斎藤さんのことを気に入りました」とは当時の大村パリ支局長からのメッセージだ。斎藤工氏はとても思考と言葉を持っている人物。美しいパリジェンヌ写真家とも話しが合ったに違いない。巻頭のパリ特集ではいままでよりもやはりフレッシュなセレクトがされていると感じた。登場するパリジェンヌたちも若く、クラシックを脱ぎ捨て始めるパリの新ムーブメントが掲載されている。大人のヴァカンス特集では、本や映画などフレンチスタイルの過ごし方で魅せられる作品にフィーチャー。これらは俳優・常盤貴子氏の推薦にフォーカスした。
2017年6月号(17年4月20日発売)492
観念的な気分が流行る時。

具体的なテーマに飽きて、観念的なテーマへ。編集者たちの葛藤は繰り返す。今号のテーマは「男と女」。あの名曲が聞こえてきそうなタイトルの表紙に「最高!」と言ってきたのは当時の小林社長だった。恋人同士だけでなく、きょうだいや仕事仲間、共演者などさまざまな男女関係を謳った。GINZA SIXがオープンした年でもあった。ソール・ライターに光が当たって展覧会が東京で開かれた年でもあった。今号のおしゃれスナップ特集はディレクションにもスタイリストの丸山佑香氏がコラボしてくれて、レイアウトがとてもハイセンスに仕上がった。
2017年7月号(17年5月20日発売)493
観念的な気分が流行る時、その2。

人生とは旅だ。その気分でゴー!ってのが今号だった。日本のどこかへ訪れた旅のファッション写真を表紙に起用し、さまざまな物議をかました。忙しかった。旅先がものづくりのイメージ源になっているとか、リゾートに革命を起こしたあのエイドリアン・ゼッカについて語るとか、読み物としてはけっこうユニーク。筆者の担当は、白紙委任状を岡尾美代子氏に渡し、松原博子カメラマンと「ぷぷぷトリップ」というテーマを撮影した。この撮影でいいただいた山猫のぬいぐるみが自宅のソファに現在も座っている。
2017年8月号(17年6月20日発売)494
バスクにはうるさい人。

編集部のまりもぐがまだペンだった時代に上野編集長もペンに在籍していて、バスク地方のレストランの原稿を厳しく手直しされた、と聞いたことがあった。上野編集長はバスクに偏愛を持っていたのだと思う。確かにグルメの宝庫、スペインとフランスふたつの国がまたぐエリア、料理はシンプルで素材を生かしたおいしさがある。そのまりもぐはスペイン側の担当となり、羊飼い体験の取材をしたら、発売後すぐにそれに影響を受けて申し込んだ読者の方からお手紙が来た。編集者冥利に尽きる。今号は販売部も太鼓判を押す売り狙いの号で確かに評価が高かった。
2017年9月号(17年7月20日発売)495
このタイトルが時計宝飾連載に継承。

いいモノ語り。このタイトルは現在も続く時計宝飾の連載に引き継がれている。こうやって眺めていると編集長が変わったこともあるが、構成メンバーとの化学反応で、ページの進化や変化がみられるなあ、とつくづく思う。今号のトレンド分析のレイアウトは抑揚に富んでいてとても素敵。ミレニアルズの特集では、若手男性俳優たちにフォーカスして、取材対象ごとにカメラマンまで変え、レイアウトもまったく異なるくらいのトライアルをした。日本ワインの特集では、何度も行きたくなる新潟のカーヴドッチをはじめ、計6ワイナリーにフォーカス。カンヌ国際映画祭は女性の年、と言い切った。そして、「シネマティック」をキーワードにフィガロジャポンと齊藤工氏の絆がスタートした。現在も続く長期連載「齊藤工 活動寫眞館」。齊藤氏がシネマティックと感じた人物をモノクロポートレート撮影して掲載する。
2017年10月号(17年8月19日発売)496
女に生まれてよかった、と言い切るモードストーリー。

この号からだったか、上野編集長はファッションストーリーを30ページで展開した。これは、ファッションエディターたちはみんなやりたがった。某有名媒体のスティーブン・マイゼル特集よりもボリューム多い?というくらいだ。初回はカメラマンTISCH氏×スタイリスト飯田珠緒氏が手掛けた。ドリス・ヴァン・ノッテンの独占インタビューもおもしろかったが、映画『エル』で来日したイザベル・ユペールとポール・ヴァーホーベン監督のインタビューと帝国ホテルの一室で行った撮影が最高に素晴らしかった。東京ジェンヌにもアペロ生活を!というグルメ特集では、担当マリモグはエキサイトしていた。
2017年11月号(17年9月20日発売)497
偏愛を大事に個々人のおしゃれを楽しみたい。

セクシー、可愛い、二面性。これは現在の編集長になって特に強調されたwordでもある。確かに、一面だけは奥行ないよね。多面的だからこそ、人間臭い魅力が出るというもの。ファッションの纏い方もルールどおりではなく、個々人の偏愛によって楽しく着るべき!というメッセージです。今号は、なんとBLACKPINKが初登場! もしかして日本の女性誌で最初に撮りおろし紹介したのはフィガロジャポンかもしれません(調査しきれていないので断言はできない)。また、カルト的人気がある映画俳優兼作家のヤン・イクチュンと菅田将暉氏のインタビューページが。当時のフィガロ内のカルチャー担当たちの興味方向がよくわかる号となった。
2017年12月号(17年10月20日発売)498
皆がこのタイトルを憶えている伝説的な特集。

「あの頃、少女だった私へ。」この特集をいまでもみんなが覚えている。深夜、現副編集長STと筆者は出力したページを並べ、けっこうよくできてるね、なんて会話したことも。クロエ・セヴィニー、ソフィア・コッポラ、オリヴィア・ビー、ペトラ・コリンズ。私たちフィガロジャポンが好きなアイコニックな人々にフィーチャーした。グルメのページさえ、「マイスイーツメモリー」、ラブリーなお菓子特集であった。
2018年1月号(17年11月20日発売)499
再度トライ! 美容巻頭特集。

美容特集に再トライするうえで、今回はかなり「モノ」にフォーカスした。大人ならではのメイクアップとは? 本当に効くスキンケアとは? 考え出すと本当に着地が難儀だ。ジュエリー別冊では、若手の俳優をキャスティング。その中には仁村紗和氏や八木莉可子氏もいて、現在の日本のエンタメ界を引っ張って行っている彼女たちの初々しい時代が見られる。このテーマで、デジタルコンテンツにもトライした企画だった。
2018年2月号(17年12月20日発売)500
香港地元新聞にパクられた !?

水原希子氏と香港に撮影へ。香港でも彼女は大人気で、今号が出た後、香港の地元紙のページ内に希子氏が切り抜かれて掲載されてしまった......衝撃を受けたが、「水原希子が王家衛の映画のヒロインになったら?」というテーマのファッション撮影だったので、地元も舞い上がってしまったのかしら。表紙のミュウミュウのコートのカットは深夜0時に近かったがどうしても極彩色のネオンの場所で撮影したく、希子氏は遅くまで付き合ってくれた。スタッフ含めみんなクリエイティブへの熱意がある。香港のガイドも掲載しながら、第2特集でソウルのガイドも作った。Kコスメ、Kファッション、カフェやZINEまで、当時は先鋭的なガイド内容になっていたと思う。そしてiKONのジェイもソウルの街で撮影したのだった。
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