セザンヌを纏う安達祐実が語る「人生を毎日楽しく歩むコツ」。
Fashion 2025.06.04
15年ぶりにパリを訪れた俳優の安達祐実が、パリジェンヌが愛するセザンヌのルックを纏いパリの街へ。撮影の終わりに、ブランドが掲げる美学と共鳴する自身の人生哲学を語ってくれた。安達祐実流豊かな人生を生きるヒントを撮影のビハインドザシーンと合わせてチェックして。
──15年ぶりにパリを訪れた安達さん。久しぶりのパリの街はいかがでしたか。
昔来た時は私も若くて、知らない未知の世界に来たような感覚だったのですが、今回はその時よりも落ち着いて楽しめている気がします。よく考えたら、セーヌ川には行ったことがなくて、今日は心地いい気候の中で初めて川沿いを歩くことができて気持ち良かったです。でも、5月のパリはマロニエの花粉がすごくて(笑)。パリにも花粉はあるんだなと、みんなでくしゃみをしながら撮影をしたのも思い出になりました(笑)。
──今日は、パリジェンヌのリアルクローズとして愛されるセザンヌの服を纏って撮影をしました。服にどんな印象を持ちましたか。
シンプルだけど洗練されていて、大人だけど可愛らしさもある。そんな絶妙なデザインが多くて素敵だと思いました。もともとシャツや襟付きのものが好きなのですが、ストライプのシャツは2枚とも着心地も良くて好きでした。スーツセットアップもブキニストの前で着たカーディガンも可愛かったです。日本だと体型を隠すシルエットのものも多いですが、こちらは体のシルエットは綺麗に出るけれど気楽に着られるのもいいです。
──セザンヌの名品であるデニムもいくつかのルックで着用いただきましたが、いかがでしたか。
サイジングが本当に良かったです。普段、デニムでぴったりくるものはなかなか見つけられないのですが、セザンヌのものは着心地がとても良くてしっくりきました。ウエストはぴったりキュッと締めてくれるんですが、苦しくなくてシルエットも美しかったです。
──セザンヌの創業者モルガン・セザロリーさんは、20歳の時にセザンヌを立ち上げてから20年以上のキャリアを持ち、現在は子を持つ母でもあります。安達さんも子役としてのデビューから役者として長いキャリアを持ち、ブランドのプロデュースや二児の母、そしてひとりの女性として、さまざまな顔をお持ちです。女性であることは、安達さんの人生にどのような影響を与えてきましたか。
私は比較的ネガティブに考えることは少ないのですが、私の職業のキャリアの中では、出産で仕事を休むとか結婚でイメージが変わるとか、すべてがいい方向に作用しないこともあると思うんです。私も自身の結婚や出産が、当時の俳優としての仕事にいい影響を与えなかったタイプだと思ってはいるのですが、それを結果的にいいものにしていくのは自分の生き方次第だと考えていました。振り返って、すごく頑張ったというわけではないですが、母になったことは自然とポジティブにいられる理由で、演じる上でも力になっています。何より単純に毎日が楽しいですね。
──毎日を楽しく生きる秘訣は?
人が決めたとか、人の顔色をうかがって決めたことは、それがうまくいかなかった時に人のせいにしてしまいがち。けれど、自分で決めたことは自分で責任を取るしかない。私がそうしたんだと言い切って生きていくことは、人生の力になるものです。自分のしたことに責任が取れる、私の人生にジャッジできるのは私しかいない。人のせいにしないのは、一見苦しいようですがそれが自分を強くしてくれるものだと思っています。
──安達さんにとってのアールドゥヴィーヴルとは?
人に優しくあること。余裕がないと人に優しくできないので、自分自身が強くなって、おおらかになって、そして人に優しくするということができる人生であったらいいですよね。それが人生を通しての目標でもあります。
安達祐実
1981年生まれ、東京都出身。2歳でキッズモデルとしてデビューし、日本テレビ系ドラマ「家なき子」(94年)でブレイク。以降、着実に積み上げたキャリアと実力で数々のドラマ、映画に出演。ファッションブランド「虜 Torico」、コスメブランド「Upt」のプロデュースなども。現在、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」、テレビ東京ドラマ「夫よ、死んでくれないか」に出演中。
photo&videography: Miriam Marlene photo&videography assistant: Paula Saravanja hair: Asami Maeda makeup: Megumi Itano coordination: Masaé Takanaka