SNS検索数が前年比36%増。クワイエット・ラグジュアリーの次は?
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する
「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。
データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
クワイエット・ラグジュアリーの対極にある柄物がランウェイやワードローブに戻ってきた。2026年春に注目の柄はどれだろう。

ミニマリズムはもう終わり。この春の主役は「柄」だ。暖かな春の日差しを浴びると洋服だって陽気なものを選びたくなるもの。今春の注目は、春らしい色というよりも柄だ。ドット、ストライプ、チェックなど、お馴染みの愛すべき柄が今季あらためて新鮮に感じる。
直近のファッションウィークでデザイナーたちが示したように、もはや単体で着るというよりも組み合わせ、重ね合わせることで印象的なマキシマリスト・ルックが生まれる。ドリス ヴァン ノッテンやヴィヴィアン ウェストウッドでは、キッチュなまでにたくさんの柄を大胆にミックスしてみせた。一方、ヴァレンティノやクリスチャン ディオールなどでは柄をアクセントとして取り入れている分、日常にも応用しやすい。
春に花柄
「春に花柄なんて革命的ね」と皮肉たっぷり言い放ったのは『プラダを着た悪魔』の鬼編集長ミランダだが、この組み合わせは今も有効だ。春の訪れとともに花柄はクローゼットも彩り始める。Instagramアカウント「@databutmakeitfashion」は、GoogleとPinterestの検索トラフィックを分析し、花柄モチーフの検索数が平均しておおよそ前年比36%増加したと指摘している。今年の花柄の人気ぶりはもはや異次元だ。
ヴェレンティノ、ミュウミュウ、ロエベの2026年春夏コレクションを彩ったリバティ風の小花柄の魅力をいまさら語る必要はないだろう。ただし常変わらない高い人気を保っているものの小花柄はこの春のメイントレンドではない。今年、デザイナーたちの心をつかんだのはもっと大ぶりなモチーフであり、とりわけ刺繍風の表現がバレンシアガ、アルチュザラ、ジバンシィ、ロベルト カヴァリなどで目立っていた。
普通サイズ、ミニチュアサイズ、特大サイズ。キャリー・マリガンはドラマ「BEEF /ビーフ」シーズン2のプレミア上映会に3種類の花柄をまとって登場した。『華麗なるギャツビー』のヒロイン役が記憶に残る女優がその晩着ていたのはドリス ヴァン ノッテンのビュスチェドレスで、2種類の柄をあしらったトップスに、ピクセル調の巨大な花柄がついたスカートから構成されていた。すでに花柄が普及していてこなれはじめている証拠だ。
ストライプ全開
この春、ストライプ柄もマキシマリズムの影響を受けた。ファッション検索エンジンTagWalkによれば、2026年春夏コレクションのランウェイでは、前年と比べてストライプを用いたルックが37%増加した。ロサンゼルスで行われたドラマ「ユーフォリア/Euphoria」シーズン3のプレミアでは、女優のアレクサ・デミーが、黒と銀のくっきりしたストライプが視覚効果をもたらすボブ マッキーのアーカイブドレスを着用していた。
シャネルでは不揃いに、ジャックムスでは巨大に、ロエベでは超カラフルになって登場したストライプは多くのショーの主役でもあり、この春の有力トレンドとなっている。ちょっと派手すぎと思うのなら、マリンシャツはどうだろう。春の永遠定番アイテムだし、着こなしやすい一着だ。あるいは、スーツで現在人気の高い細ストライプを選べば、仕事の場にもぴったりだ。
野性的な柄
レオパード、ゼブラ、鹿、スネーク等々。ここ数シーズン、ランウェイはサファリと化した。とりわけ華やかだったのがミラノだ。ロベルト カヴァリの「吠える」スパンコールドレス、フェラガモのレオパード柄スカート、ヴァレンティノのゼブラ風ジャケットの他、多くのアニマル柄が登場した。この人気は2025年12月にPinterestがすでに予測していた。同社によれば、アニマル柄の服の検索は1年で90%増加していたそうだ。派手なレオパード柄よりもミニマルな代替案としてとりわけ「鹿」柄は55%増を記録した。

アニマル柄を控えめに取り入れたい時、靴は良い選択肢だ。ニューバランスはカウ柄を取り入れた新作204L「Animal Print」を発表した。アディダスもこの流れに乗り、ウェールズ・ボナーとタッグを組んでガゼル スネークを発売。さらに同社の「TOKYO(トーキョー)」でもオレンジのタイガー柄とグリーンのレオパード柄が登場した。
プリンセスの小さなドット柄
2025年の主役だったドット柄は、遊び心と洗練を両立させる理想的な柄だ。昨春には花柄を上回る人気さえ見せた。2025年6月、ヘイリー・ビーバーが着用した白地に黒ドットのカプリパンツが、流行の火付け役となったことも記憶に新しい。今年もこのモチーフはランウェイとストリートの双方で健在だ。AIとデータ分析のリーダー企業Luxurynsight&Heuritech社による2026年トレンドカレンダーでは、ヨーロッパにおいて大きなドット柄の露出度が今春、前年比55%増になると予測されている。
非常に応用範囲の広いドット柄は、さまざまにスタイリングできる。とりわけMSGM、クリスチャン ディオール、エリー サーブでは透ける素材との組み合わせが好まれているようだ。キャロリーナ ヘレラやアルチュザラのように極小にも、ドリス ヴァン ノッテンのように巨大にも、あるいはニナ リッチやパトゥのように両方を同時に用いることもありだ。Luxurynsight&Heuritech社は、大きなドットのドレスやドットスカートが、ヨーロッパで特に人気だとも指摘している。この流行をまだ取り入れていないのなら、今が好機だ。
高貴なるチェック
公開が待たれていたドラマ「ユーフォリア/Euphoria」シーズン3とともにチェックのシャツ人気が再燃するとは誰が予想しただろうか。きっかけになったのは同ドラマでジェイコブ・エロルディが演じるネイト・ジェイコブズ役の1枚の写真だった。ボッテガ・ヴェネタ2023年春夏コレクションのチェックのフランネルシャツを着こなした姿を見たファンが自分たちもフランネルシャツを手に入れようと、もっとお手頃な店や中古サイトを漁りはじめたのだった。

ランウェイでチェック柄はすでに存在感を放っていた。TagWalkは、直近のパリ・ファッションウィークで発表されたコレクションにおいて、チェック柄が68%増加したと発表している。この上昇はクロエやシャネルのショーによるところが大きく、チェック柄は女性的な、ロマンティックと言ってもいいモチーフとなったのだった。
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この春注目のプリント柄
- text: Axelle Dusart (madame.lefigaro.fr)