羊を数えるよりも効果的? 眠れないときの「ハウスツアー」とは。

Lifestyle 2024.11.11

ベッドに入ったら、慣れ親しんだ実家の部屋を思い浮かべてみよう。それがより早く眠りにつくためのテクニックだ。

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photography: Kathrin Ziegler / Getty Images

眠れないとき、普通は誰もが羊を数えるだろう。だが、その方法は必ずしも効果的とは限らない。それよりも、生まれ育った家の部屋のように、身近で心地良いものを思い浮かべるほうが良いようだ。2024年夏、TikTokに投稿され、190万回以上再生されている動画がそれを勧めている。

@emilymeditates I repeat: I have never made it to the upstairs Try this & let me know what happens!! #sleephack #fallasleepfast #fallingasleep Simplicity - Jon Steinmeier

色、質感、香りも映像化して思い浮かべる 

この投稿は、自らを「瞑想の専門家」と語るアメリカ人、エミリー・ケスラーのものだ。カメラの前で彼女は「ハウスツアー」と呼ばれる、お気に入りの入眠方法について説明している。 

まずはベッドのなかで深呼吸して、それから見慣れた家(ただし、いま住んでいる家ではない)を思い浮かべるというものだ。頭の中にイメージが浮かんだら、その家に入り、各部屋を細部まで注意深く見学していく。壁の色、壁にかかった絵、家具の質感、窓から差し込む光、匂いや、床の軋みなど音にも注意を払ってイメージする。

彼女は祖母の古い家をこのツアーに利用しているという。この方法は「奇妙で変わった入眠方法に思えるかもしれない」が、彼女いわく、このテクニックを話した人「全員」が、より早く寝付けるようになったという。彼女自身も、「眠ってしまって祖母の家の2階まで辿り着けたことはない」と話す。

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「想像すること」の鎮静力

ケスラーはこのハウスツアーの起源について詳しい情報は提供していないが、何人かの睡眠専門家は、入眠前の映像化テクニックの効用を認めている。「色や匂いなど、特定の細かい部分に集中することで、過剰に活動する精神を落ち着かせることができる」と、ニューヨークの臨床心理学者で、寝具ブランド「Sleepopolis」の睡眠健康部門責任者シェルビー・ハリスは「バサル」誌で語っている。

また、2023年、「スタイリスト」誌の取材に答えた、不安を専門にする心理療法士タニア・テイラーによると、よく知っている場所の散歩を思い浮かべる「メンタル・ウォーク」は、それが屋内であれ屋外であれ、実際のウォーキングと同じ効果を与えてくれるという。「脳は自分が安全だと知っているのですが、ホルモンや神経伝達物質をコントロールする領域は知らないのです。想像力を働かせることで、心を落ち着かせ、安心させ、リラックスさせるホルモンの分泌を引き起こすことができます」

ハウスツアーをしてもまだ眠気が訪れないときはどうすれば良いのだろうか? 「20分くらい経ってもまだ目が覚めているなら、横になり続けるのではなく、起き上がって何か他の心落ち着くことをしてみてください」とシェルビー・ハリスは提案する。そして、再び眠りの兆しが現れたら、布団に戻り、もう一度ハウスツアーに没頭するのだ。できれば今度は夢の中で。

From madameFIGARO.fr
※この記事は、madameFIGARO.frで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

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text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa

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