10-3-2-1-0睡眠法で熟睡できる?

Lifestyle 2023.11.12

このメソッドは、寝る前にたった5つのルールを守れば熟睡できるというものらしい。本当だろうか。

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10-3-2-1-0睡眠法の実力は?photography : Liderina / Getty Images

誰もがいつでもどこでも熟睡できるとは限らない。なかなか寝つけなくて悩む人もいる。そんな人のために、英「インディペンデント」紙は2022年9月の記事で「10-3-2-1-0」睡眠法を紹介している。アメリカの医師ジェス・アンドラーデがインスタグラムで紹介したこの方法は、2016年にカナダの自己啓発コーチ兼作家のクレイグ・バランタインが提案したもののようだ。これを実践すれば寝つきが良くなり、夜中に目が覚めることもないそうだ。

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5つの簡単なルール

10-3-2-1-0睡眠法は5つのルールからなる。最初の4つのルールは就寝前に実践することだ。就寝の「10」時間前からはコーヒーを控える。「3」時間前から食事や飲酒を控える。「2」時間前からは仕事をしない。「1」時間前からはパソコンなどの画面を見てはいけない。最後の「0」は起床時にぐずぐずしないことを表す。

たったこれだけで本当にぐっすり眠れるようになるものだろうか。睡眠を専門とする精神科医のパトリック・ルモワヌによれば、この睡眠法になんら目新しいものはないが、医学的には正しいそうだ。10時間前からコーヒーを飲まないことは理に適っている。カフェインの覚醒作用は長時間持続するからだ。「成人が摂取した場合、カフェインは一日中効果があり、摂取の10時間後にピークに達する場合もあります」とのこと。だから夜11時に就寝したいのであれば、午後1時以降にコーヒーを飲むのはやめたほうがいい。しかも年をとるとカフェインの排出が遅くなるため、このアドバイスはさらに重要になる。「60歳を過ぎたら、コーヒーを飲むのは午前中だけにしましょう」と精神科医のパトリック・ルモワヌは言う。

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その他の睡眠障害要因

夕食の時間が遅すぎると、消化のために睡眠が妨げられる。不眠症に悩んでいるのなら、夜の食事を見直そう。精神科医のパトリック・ルモワヌ曰く、「パスタやご飯など、消化吸収がゆっくりな糖質を食べたほうがいいでしょう。消化吸収が早い糖質は夜間に低血糖を起こし、目が覚めてしまうことがあるからです。また食べる量もほどほどに、ソースや肉類、ハムやソーセージなど"重たい"食事は避けましょう」
就寝前のアルコールも避けたほうがいい。「アルコールには睡眠導入剤と同様、入眠を促しますが、睡眠の質を低下させ、無呼吸や脱水症状を引き起こし、夜中に目を覚ましてしまう原因となります」と精神科医はその理由を説明する。

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寝る前の刺激を減らす

10-3-2-1-0睡眠法によれば、入眠の2時間前からは仕事も勉強もしない。精神科医のパトリック・ルモワヌによれば、これは最低でも2時間ということだ。「夜のEメールチェックは入眠を阻害する。寝る前にややこしいメールで頭を悩ませたまま就寝するとなかなか眠りにつけなくなる」そうだ。夕食後はスポーツの試合中継やホラー映画も含めて強い刺激からは遠ざかった方がいい。
さらに寝る1時間前には一切の画面を消すことが望ましい。精神科医の説明によれば、スマホ、タブレット、コンピューターから発せられるブルーライトは、人間の自然なリズムを乱す。「日が暮れると自然に分泌されるはずの睡眠ホルモン、メラトニンの分泌が阻害されるのです」とのこと。一方、テレビはそれほど害がない。「2メートル以上離れていて見るものですし、ブルーライトをほとんど発しないからです」

睡眠の質を高めるための最後のルールは、起床時のものだ。スヌーズボタンを押して起きる時間を引き延ばす悪癖をきっぱり断とう。「一旦目が覚めてから10分間二度寝するとそれはレム睡眠になり安眠できない」と精神科医は言う。睡眠障害に悩まされている人は、規則正しい起床スケジュールを立て、週末もそのスケジュールから大きく外れないようにすることが肝要だ。
結論:誰しもがなんとか眠ろうと自分なりの入眠儀式を持っていることだろうが、「10-3-2-1-0」睡眠法は良質の睡眠に欠かせない基本をきちんと踏まえている。薬に頼る前に試してみる価値はある。

text : Lena Couffin (madame.lefigaro.fr)

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