ブルス・ドゥ・コメルスは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、開館を2021年春に延期することを発表しました。
ここはパリ。個人のアパルトマンも公共の建築物も富豪の建物だって、工事は予定どおりに進まないのが常である。安藤忠雄が手がけるピノー財団美術館「Bourse de Commerce(ブルス・ドゥ・コメルス)」も2019年初めのオープン予定が、遅れに遅れ……2020年6月半ばに開館されることが発表された。コンテンポラリーアートのファン、建築に興味のある人たちは、いよいよ!と心待ちにしていたのだが、今年1月に工事が終了した建物の内部の作業が、この度の仏政府によるCOVID-19対策ゆえに進まない状況となり、オープニングは9月に延期されることに。

丸屋根が目印の建物ブルス・ドゥ・コメルス。Photo:Maxime Tétard Courtesy Bourse de Commerce – Pinault Collection © Tadao Ando Architect & Associates, NeM / Niney & Marca Architectes, Agence Pierre-Antoine Gatier, Setec Bâtiment
既報のように、これはかつての穀物商品取引所(ブルス・ドゥ・コメルス)だった19世紀の建築物を持ち主のパリ市がピノー財団に50年間貸与しての実現。建物そのものに手をつけず、内部に展示スペースを設ける仕事が安藤忠雄に任されたのである。このプロジェクトの発表時は3Dの合成写真だったので、ここであらためて内部の工事の様子を写真でお見せしよう。

内部にコンクリート製のシリンダーが展示スペースとして造られた。Photo:Patrick Tourneboeuf Courtesy Bourse de Commerce – Pinault Collection © Tadao Ando Architect & Associates, NeM / Niney & Marca Architectes, Agence Pierre-Antoine Gatier, Setec Bâtiment

Photo:Patrick Tourneboeuf Courtesy Bourse de Commerce – Pinault Collection © Tadao Ando Architect & Associates, NeM / Niney & Marca Architectes, Agence Pierre-Antoine Gatier, Setec Bâtiment
ピノー・コレクションが所蔵するのは昨年の時点で5000点といわれ、ブルス・ドゥ・コメルスの開館時に何が展示されるのかはいまのところ未定である。所蔵するのは村上隆、ダミアン・ハースト、マーク・ロスコ、トーマス・シュルテ……錚々たる現代アーティストの作品ばかり。パリではこれまで、毎秋に開催される「文化遺産の日」にケリングとバレンシアガの社屋のあるセーヴル通り40番地の敷地内のチャペルに展示される限られた所蔵品しか見ることができなかった。9月のオープニングに際し、ブルス・ドゥ・コメルスのキュレーターであるマルタン・ベトゥノーがどんな企画を用意するか。どんな作品が見られるのか。とても楽しみだ。

2019年の文化遺産の日におけるテーマ「喜びの涙」の展示より。ジグマー・ポルケの『Zirkusfiguren』(2005年)では、動物やピエロがほぼ不可能なポーズをとるサーカスの光景が布に人工樹脂とチョークで描かれている。

ダミアン・ハーストの『The Collector with Friend』(2016年)。

クレア・タブレによる『Les Veilleurs(見張り係)』(2014年)は彼女の前年の作品『Les Insoumis(被服従者たち)』と併せて展示された。

マーシャル・ライスの『Noon Mediterranean Landscape』(1966年)。
2, rue de Viarmes(40bis, rue du Louvre)
75001 Paris
www.boursedecommerce.fr/en
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réalisation : MARIKO OMURA
この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/paris/200326-bource-de-commerce.html