小さなご近所を愛する、パリ流の暮らし方 パリの日常が見える17区は、愛しのプチヴィラージュ。
Paris 2021.04.29
遠出が難しいいま、パリジェンヌにとって身近なコミュニティは大切。落ち着いた雰囲気で昔ながらの街並みが残る17区に住むイリスが、お気に入りのショップを案内します。
案内人
Iris Jacrot イリス・ジャクロ(映画プロデューサー)
@iris_jacrot
昨夏、恋人の住むアパルトマンに引越して17区の住人となったイリス。モンマルトルを有する18区と凱旋門やシャンゼリゼ通りのある8区に挟まれたバティニョールは、観光名所がないぶん、パリの素顔そのものといった風情のエリア。落ち着いた雰囲気が気に入っているという。「ここには大手スーパーがないの。最初は不便かもと思ったけど、全然そんなことなかった(笑)。野菜はエピスリーで買えるし、パンはこのブーランジュリー、スイーツならここ! って、お気に入りも見つけた。どれも質がいいものばかり」。小路を歩くと、額縁の工房や陶芸アトリエなど昔からある職人街が残っている。「みんなが“バティニョール村"と、愛着を込めて呼ぶ理由が、住んでみてわかったわ」
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20世紀の美しきアンティーク家具が集結。
スゥザンヌ・マルシャンド・ドブジェ
広告業界出身の女性オーナーが、古い家具やオブジェの独特の世界観に魅了されて3年前に開いた店。機能的ながら、造形や色調の美しい20世紀のデザインを中心に収集する。フランス、イタリア、北欧のアンティークが並ぶ空間は、アートギャラリーさながら。
店名は画家だった祖母の名前から。古い家具をセンスよく配した祖母の家がアンティーク好きになったきっかけだそう。
ラウル・ラルシュの1940年代のうつわなど、名品を眺めるのも楽しい。
5, rue Nollet 75017
tel:06・98・11・49・74
M)PONT CARDINET
営)13時30分~20時(火~金) 11時~19時(土) 11時~13時30分(日)
休)月
Instagram:@suzanne.marchande.objets
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手作業や一点ものを集めた、こだわりのセレクトが自慢。
フレンチ・トゥーシュ
文具からアクセサリー、レザー小物、うつわ、ポストカード、レコードまで、幅広いジャンルで構成されたセレクトショップ。温もりを感じるアーティザナルなアイテムやほかでは取り扱いのない一点ものなど、オーナーが自信を持って紹介できる逸品を厳選して紹介。
音楽好きのオーナーの趣味でピアノが置かれた店内。コンサートやポップアップなど、アットホームなイベントを開催する構想もあるそう。
左:サヴォンヌリー・シマンのリンゴの花の香りのソープ10ユーロ 右:ボタニカルプリントのイラストノート15ユーロ
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グルメな街を虜にする、100年続くヴォライエ。
オ・ベック・ファン
フランス中南部アヴェロンで100年続くヴォライユ(家禽)加工食品ブランド、オ・ベック・ファン。老舗の伝統的な手法に、シェフのブリュノー・ギー監修による新レシピを加わえた商品を展開。オーセンティックな伝統の味で、地元のグルマンドたちを魅了している。
シンプルモダンな店内。食への意識が高く、グルメな住人が多いと言われるバティニョル地区の人気アドレスだ。
左:いちばん売れ筋の鴨のフォアグラ 315g 39ユーロ 右:アヴェロン県の銘菓として有名なクルミの焼き菓子も取り扱う。12.90ユーロ
46, rue des Batignolles 75017
tel:01・42・28・50・27
M)ROME
営)10時~19時
休)月
Instagram:@aubecfinparis
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生産者の顔が見えるフレッシュな食品。
エピスリー・ポーラン
豊かな大地で栽培されたピュアな野菜や果物をパリジャンに届けたいと、オーナー自ら1年半かけてフランス国内の生産者のもとを行脚。直接仕入れることにより、比較的安価に旬の素材を提供している。ワインや乳製品、豆類も豊富な展開で、常に地元の人で賑わう。
コスメブランドのPRとして活躍後、この店を立ち上げた若きオーナーは、車でフランス国内を巡ってセレクトするのだそう。
生産者の顔が見える食品を求めて訪れるファミリーが多いため、奥には子ども用のプレイスペースが。ママも安心して買い物できる。
54, rue des Batignolles 75017
tel:06・21・44・08・23
M)ROME
営)10時30分~18時
休)月
Instagram:@epiceriepaulin
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リーズナブルで上質な一杯を。
テール・ドゥ・カフェ
「 気軽においしいカフェを楽しむならここ」と地元の人たちが口を揃えるカフェ。南米やアフリカの生産者のもとへ出向いて直接豆を買い付けているので、リーズナブルな価格で上質なコーヒーが提供できるそう。焙煎コーヒーのおともにはグルテンフリーの焼き菓子を。
ファウンダーが世界を回って仕入れるこだわりの豆が自慢。
左:ハートのラテアートが描かれた「Café au Lait」4.70ユーロ、グルテンフリーの「Brownies」3.20ユーロ 右:いちばん人気のエチオピア産オーガニックモカ「Yeti Village」250g 10.90ユーロ
33, rue des Batignolles 75017
tel:01・53・30・06・80
M)ROME
営)10時~18時30 分(火~土) 10時~13時30分、14時~18時(日)
休)月
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ホームメイドのスイーツを召し上がれ。
ランティテ
パリ近郊で生産される食材にこだわり、ホームメイドのヘルシーな食事とスイーツを楽しめるサロン・ド・テ。キッシュやケークサレ、スープ、サラダを週替わりで提供し、週末にはブランチも展開。おしゃれな友人宅を訪れたようなアットホームな雰囲気が心地よい。
マッシュサラダを添えたカリフラワーとパルメザンチーズのキッシュ「Quiche 」6ユーロ
左:ガラス張りの窓に向けてソファを設置したリラックススペース。右:人気のキャロットケーキをはじめ、クッキーやシナモンロールなどスイーツがずらり。
52, rue des Batignolles 75017
tel:01・42・63・49・52
M)ROME
営)10時~18時(火~土) 11時~18時(日) ※6月~9月は19時まで
休)月
Instagram:@entithe17
※『フィガロジャポン』2021年5月号より抜粋
photos : AYUMI SHINO, réalisation : HIROKO SUZUKI