『エスプリ・ドゥ・ラ・ダンス』の見どころは? パリ・オペラ座バレエ団、ブルーエン・バティストーニが日本公演にかける想い。

Paris

パリ・オペラ座バレエ団のエトワールたちが今夏、東京の舞台に集う。『エスプリ・ドゥ・ラ・ダンス』を企画・演出するのは、同団の名教師ジル・イゾアール。出演する11名の多くは彼が長年ともに歩んできた教え子たちだ。華やかな舞台の背後に息づく深い師弟の物語に迫る。エトワール、ブルーエン・バティストーニから届いた日本のバレエファンへのメッセージを公開。

Bleuenn Battistoni
ブルーエン・バティストーニ(エトワール)

©Julien Benhamou

●ブルーエンからのメッセージ

バレエ団に入団した時にジルと出会いました。ある年、彼は昇級試験に向けたクラスのコーチを務めてくれました。当時の私は自分自身を信じきれずにいたのですが、彼は私以上に私の可能性を信じ、大きな支えになってくれたのをよく覚えています。それ以来、彼はクラスでも常に温かい目で見守り、私をサポートし続けてくれています。ここ数年は、彼が主催するガラ公演に何度も呼んでくれていて、そうした機会に踊れることはいつも大きな喜びです。『エスプリ・ドゥ・ラ・ダンス』のプログラムは、パリ・オペラ座の歴史とレパートリーの魅力を存分に披露できるショーケースとなるように考え抜かれています。フランスらしい踊りの神髄をお届けするので、観客の皆様に楽しんでいただければうれしいです。

●ジルからのメッセージ

ブルーエンは入団当初から注目していたダンサーのひとりです。私はいつも彼女に「自信を持つように」と伝えてきました。最初の頃は決して順風満帆ではありませんでしたが、彼女がここまで成長してくれたことをとてもうれしく思っています。そして何より、彼女の才能を信じてきたことが間違いではなかったと感じられることが喜ばしいです。彼女こそ、新しい世代を代表するエトワールです。また、クラシックのダンサーに求められる調和と美しさを体現する存在でもあります。今回、彼女がポールと共演することをとても楽しみにしています。ふたりは『眠れる森の美女』をはじめとするクラシックのレパートリーや、エンゾ・ソガールとともに『白鳥の湖』のパ・ド・トロワにも出演します。さらにポールとブルーエンのために新作を創作することにしました。フランス人クラリネット奏者のジョエ・クリストフとのコラボレーションを行い、音楽にはフランスの作曲家フィリップ・ゴーベールの作品を用います。ゴーベールはかつてセルジュ・リファールの時代にパリ・オペラ座とも関わりのあった人物です。この新たな創作に、いまから大きな期待を寄せています。


Spectacle de Gala d’Été

『エスプリ・ドゥ・ラ・ダンス』のメンバー全員とジル・イゾアール(後列中央)。

ジル・イゾアール Gil Isoart
ニース出身。パリ・オペラ座バレエ団の元ダンサーで、現在は同団のバレエ教師やパリ国立高等音楽・舞踊学校の教授を歴任。後進の育成に力を注ぎながら振付家としても活動。

『エスプリ・ドゥ・ラ・ダンス』
Aプロ
8月19日(水)19:00~/8月20日(木)19:00~
演目:『3つのプレリュード』『ベルガマスク』『ドリーブ組曲』『パピヨン』、『海賊』よりパ・ ド・ドゥ、『ドン・キホーテ』より第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ、『ヴィヴァルディ・パ・ド・ドゥ』『パリの炎』『ランデ・ヴー』、『白鳥の湖』より第3幕の黒鳥のパ・ド・トロワ。

Bプロ
8月21日(金)19:00~/8月22日(土)12:00~/8月22日(土)17:00~
演目:『ラ・バヤデール』第1幕より、『ジゼル』第2幕より、『スカルラッティ・パ・ド・ドゥ』、『眠れる森の美女』より第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ、『さすらう若者の歌』、『くるみ割り人形』より第2幕のグラン・パ・ド・ドゥ、『クラリネットとピアノのための幻想曲』、『海賊』よりパ・ド・トロワ、『タリスマン』より、『瀕死の白鳥』『ドニゼッティ・パ・ド・ドゥ』

会場:昭和女子大学 人見記念講堂
https://www.nbs.or.jp/stages/2026/esprit/

問い合わせ先

NBSチケットセンター
03-3791-8888

  • photography: James Bort (portrait)
  • coordination & text: Eri Arimoto

*「フィガロジャポン」2026年9月号より抜粋