10月6日に発表されたシャネルの2021年春夏 プレタポルテ コレクションは、待望のランウェイショー。マリオン・コティヤールやヴァネッサ・パラディとリリー=ローズ・デップ母娘、キャロリーヌ・ドゥ・メグレなど、華やかな顔ぶれがグラン・パレの会場に集った。
シャネルのアンバサダーを務めるリリー=ローズ・デップ。2021年クルーズ コレクションより、ピンクのツイードジャケットと刺繍を施したオーガンザのトップ、デニムパンツに、シャネルのバッグとシューズをコーディネート。©CHANEL
『勝手にしやがれ』(1960年)『軽蔑』(63年)などのフランス映画にオマージュを捧げるティーザー動画を配信して、映画とハリウッドの気分を予告したシャネル。グラン・パレの会場にはCHANELの巨大な文字が並び、ハリウッドを彷彿させる雰囲気の中、ショーは、「リュミエール(ライト)!」の声で始まった。
今シーズン、フォトコールに臨む女優たちの姿をイメージし、メゾンのミューズにオマージュを捧げたというアーティスティック ディレクターのヴィルジニー・ヴィアール。ツイードスーツやモスリンのロングドレスに混じって、鮮やかな蛍光カラーやロゴプリントなどのカラフルなアイテム、バミューダパンツのスーツが印象的な、フレッシュなコレクションだ。
CHANELの巨大な文字がハリウッドを思わせる、真っ白な会場。©CHANEL
ショーの直後、まだ興奮冷めやらぬ表情のリリー=ローズ・デップが、ショーについて語ってくれた。
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Discover about Lily -Rose Depp
会場に着いた時、とにかく早くショーを見たい気持ちでいっぱいだったの。もちろん、ハリウッドを彷彿させる装飾も素晴らしくて、シャネルの世界にまた入ることができるのが、とにかくうれしかった! 舞台装飾も、毎回ヴィルジニーらしいやり方で、彼女の世界、コレクションの世界に旅立たせてくれるわ。
フォトコールに笑顔で応じるリリー=ローズ。 ©CHANEL
コロナウイルスの影響で、5月のクルーズも、7月のオートクチュールも、ショー形式を取らなかったシャネル。リリー=ローズは今回のショーをとても楽しみにしていたそう。
久しぶりの本物のショーで、今日、ここに出席してヴィルジニーに会って、この素晴らしいコレクションを見ることができて、なんて幸せ!と思っているの。マスクもするし、感染対策もしなくてはいけないけど、シャネル・ファミリーのみんなと再会できるのは本当にうれしい。
ショーでチェックした、いますぐ着たい3つのお気に入りルックを教えてくれた。
このコレクションは最高に素晴らしくて格別。どれも着たいものばかりで選ぶのは難しいわ。まず気に入ったのは、グレーのキャットスーツ。クロスになった胸元と、レギンスのシルエットが好き。それから、ちょっと長いジャケット風のシルエットのピンクのルックで、ストラスのアクセサリーを合わせたもの。そして、羽根の付いたフリルのドレスも大好き!
リリー=ローズのお気に入りのひとつ、ルック8のグレーのキャットスーツ。 ©CHANEL
同じくルック12。ピンクのジャケットに存在感のあるストラスのアクセサリーを合わせて。 ©CHANEL
ルック60の羽根をあしらったエレガントなフリルドレス。 ©CHANEL
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今シーズンで5回目のプレタポルテとなったヴィルジニー・ヴィアールに、リリー=ローズは全幅の信頼を寄せている。
ヴィルジニーは、カールの後を引き継げるただひとりの人だと思っていたの。誰よりもよくシャネルを知っていて、あんなに長い間カールとともに働いてきた人。だから、カールが確立したシャネルの伝統を守りながら、彼女自身の感性と好みを表現することができる。彼女の世界観は美しくて、大好き。シャネルの物語を語り継ぐのにこれ以上完璧な人はいないわ。
ショーのフィナーレ。真っ白の背景にシャネルの最新コレクションが映える。 ©CHANEL
©CHANEL
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パリと他都市で、セレブリティがショーを鑑賞。
2021年春夏 プレタポルテ コレクションが発表されたグラン・パレには、リリー=ローズ・デップのほかに、同じくブランドのアンバサダーを務めるマリオン・コティヤール、ヴァネッサ パラディ、キャロリーヌ・ドゥ・メグレなどが来場。
また、今回は新しい試みとして上海、台湾、東京、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンでライブビューイングも開催。東京ではアンバサダーの小松菜奈と中条あやみが、他都市ではマーゴット・ロビー、クリステン・スチュワート、ソフィア・コッポラ、ジェニー・キム、G-DRAGONらが、ショーをライブで鑑賞。まるで同じ会場でその体験を分かち合ったかのように、それぞれの都市でフォトコールに応じた。
interview et texte : MASAE TAKATA (PARIS OFFICE)