佐久間大介、服と踊る。

フィガロオム 2026.03.06

この春、佐久間大介がますます輝き出す。
自分を構成するもののひとつだというダンスで気の向くままに"彼自身"を表現してくれた。

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トレンチコート¥737,000/ジバンシィ by サラ・バートン(ジバンシィ ジャパン) ネックレス、リング/ともに本人私物

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佐久間大介と聞いて、どんなイメージが湧くだろうか。屈託のない笑顔、ピンクのヘアカラー、アニメオタク、愛猫家、声優......と、頭の中に連なってくるのは、明るさを漂わせる言葉たち。もちろん、これらも正解だ。ただ今回のシューティングで、面目躍如だけではない、燦然と煌めく彼の才能を目の当たりにした。

スタジオが佐久間大介のステージへと変化(へんげ)していく。

「踊ることで得られるもの......? やっぱり楽しさですかね。子どもの頃からダンスを続けているので、いまでも自分を解放できる瞬間です。踊っている最中は、観客の視線を自分から逸らせたくない。『俺だけを見ろ』という強い思いは忘れないようにしています」

佐久間の豊かなダンススキルは、グループ以外のシーンでも定評がある。踊るジャンルは問わず、難易度の高いパフォーマンスをステージで次々と披露してきた。そんな彼がペーパーを敷いた白ホリゾントに立つと、一瞬にしてスタジオがステージに変わった。小気味のいいシャッター音は、さながらBGMのようだ。

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踊りながら笑みがこぼれる。そんな姿に「いま」を楽しもうというメッセージがあふれ出る。ジャケット¥660,000、Tシャツ¥88,000、中に着たニットウエア(参考色)¥231,000、パンツ¥209,000/以上ヴァレンティノ、シューズ¥157,300/ヴァレンティノ ガラヴァーニ(以上ヴァレンティノ インフォメーションデスク) ピアス、リング/ともに本人私物

「動くと前髪で目が見えなくなるかもしれないので、前髪、上げましょうか?」

カメラマンとのこんな会話から撮影は始まり、表情だけではなく全身をフルに使って、コンマ1秒ごとに違う佐久間を表現してくる。

「モニターを見られますか? あ、OKです!」

撮影した写真をチェックすると、何かを掴んだかのように、またステージに戻る。「いまから見開きページを想定したカットを撮ります」と、リクエストをすると、にこやかに「わかりました」とひと言。そんな会話をした後に撮影したカットは、閃光のような目線の表情とともに、ぴたりと見開きに収まった。ひょっとしてカメラのレンズを超えて、本誌のフレームが見えているのでは?と、こちらが舌を巻いてしまった。

実は、着用しているベージュのコートは張りがある素材で重量感があった。羽織った瞬間に佐久間からも思わず声が漏れたほど。それでも硬さををまったく感じさせず、そして足音も立てず、スタジオの観客=スタッフを魅了していく。艶やかに、軽やかに、何よりも楽しそうに。ライブのステージに立つ姿もこんな雰囲気なのだろう。彼はグループでの5大ドームツアー『Snow Man Dome Tour 2025-2026 ON』を終えたばかりだ。

「5大ドームのステージから見えた景色は、ほかでは味わえない、かけがえのないものでした。先輩たちがフロントラインから見てきた景色は、こんなにも壮大だったんだなって」

13歳で事務所に所属後、彼は数々の先輩グループのバックダンサーを経験している。

「先輩たちの背中は、常にキラキラとしていました。でも、その光は先輩たちが築き上げてきたもので、決して僕たち(Snow Man)のものではない。だからツアーでは自分たちで創り上げた光を客席にどう伝えて、どう楽しんでもらおうかと、ずっと考えていました」

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映画は嘘をつけないから、僕に向いていると思う。

昨年から佐久間は『ナイトフラワー』『マッチング』など、俳優として映画出演が続いている。

「演技の仕事はありがたいです。僕、初めて舞台をやらせてもらった時に、すごく楽しいと思えたんですよ。いままでダンスや歌は多かったんですけど、なかなか演じる機会はなかったので、本当にありがたいのひと言に尽きます」

一週間を通して、メディアで露出を見ない、聞かない日はないほど、多忙を極める中、膨大な台詞はどのように記憶しているのだろうか。

「最初は『今日、覚えよう』と決めて、台本と向き合ったこともあるんです。でも結局、うまくできなくて。いまは仕事中の休憩も含めた、ちょっとした隙間を使って覚えています。空いた時間があると、ずっと反復練習をしている感じです。このほうが、撮影中に無理なく台詞が出てくるんですよ」

この春公開の映画『スペシャルズ』では、初の単独主演を務める。監督は本作で3作目のタッグとなる、内田英治だ。

「主演ですけど、イチ役者として作品に呼ばれているという意識は、いつもとまったく変わらなかったです。僕、映画がすごく好きなんですよ。内田監督が言っていたんですけど『映画は嘘をつけない』から。製作に関わる人もずっと同じで、一丸となる気持ちを強く感じられることができるんですよね」

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「自分の魅せ方は、自分がいちばんわかっている」

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スタッフを笑わせようと終始、現場に遊び心を忘れない。

撮影現場でのコミュニケーションにも、自分らしい明るさがあるとか。

「キャストさん、スタッフさん、全員に現場を楽しんでほしいんです。だからいつも誰かに(人指し指を立てるポーズで)矢印を向けて、何かしら、現場を笑わせることを考えていますよ(笑)。そうですね......、あ、カットがかかった直後、カメラマンさんに向かって、めっちゃ可愛いウィンクするとか(笑)」

どうやら本作の撮影現場でも、彼の本領は発揮されたようだ。佐久間は笑顔で続ける。

(うっとりとした表情で)「楽しかったですねえ。内田組という慣れ親しんだ環境でしたし、『スペシャルズ』のメンバー全員が、気さくで優しくて。最年長の小沢(仁志)のアニキがいちばんいいムードを作ってくれて、本当に助けてもらいました。初めは先輩の(椎名)桔平さんにもどう接していいのか迷っていたら、助け舟を出してくれたり。終盤は、みんなの結束も固くなっていました」

そんな振る舞いやエピソードとは対照的に、劇中で佐久間が演じたダイヤは元殺し屋の過去を持ち、現在は児童養護施設で働いている。顔に傷があり、常にうつむき加減で表情は硬い。ダイヤはとあるきっかけから、殺し屋の仲間同士でチームを組んでダンス大会に臨み、塞ぎ込んでいた過去から脱皮していく。もしダイヤに向かって明るい佐久間から、何か話すとしたらどんな言葉をかけるのだろうか。

「ダイヤに声をかけるとしたら......(しばらく考えて)。彼が物語で成長する以前なら......、『何か手伝おうか?』くらいかも。彼も他人から干渉されたくないから、壁を作っているんでしょうし。話しかけたら『邪魔だな』と思われそう、うん」

そう、ゆっくりと話す佐久間は、いつしかダイヤの顔になっていた。

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変幻自在に動き魅せる姿に、また会いたくなってしまう。

このインタビューは、撮影の合間を見計らいながら話を聞き繋いでいくスタイルで敢行された。このシーンでも彼らしい、計らいがいくつも見受けられた。

撮影の途中に、ホリゾントの中でヘアの手直しをされている佐久間に隣から質問を投げかけていると、回答を続けながら、スッとこちらに向かって、自分の手をかざした。なんだろう?と目をやると、

「ヘアスプレーが、かかっちゃうかもと思って」

そう自然に紳士な振る舞いを見せる。そのままメイク直しが終わると、撮影が再開。質問の回答が途切れるのかと思いきや、

「これからやってみたいのは......キラキラしていない、何かに欠けた人物、いいですよね」

と、ポージングを変えつつ、撮影を止めずに、話を続けてくれた。この対応にはカメラマンも「インタビューしながら撮るの初めて!(笑)」。

おそらく制限された取材時間で奮闘するスタッフを、彼なりに慮ってくれたのだろう。衣装チェンジを終えて、メイクルームを出ていく際も「ありがとう」と、スタイリストにさらりと告げていた。きっと撮影現場での彼は、こんな座長なのだろうと、想像が膨らむ。

「僕、撮影でも、自由に踊るのが好きなんですよ。これはずっと踊ってきたから思うんですけど、自分の魅せ方は、自分がいちばんわかっている。それに合わせてくれるカメラマンさんがいてくれて、助かっています。今日の撮影もすごく楽しかったです」

振り返れば、今回の取材中に彼は何度も「楽しい」と口にしていた。「楽しむ」とは、「佐久間大介」を作る重要なキーワードのひとつなのだ。わずかな時間でモデル、アイドル、俳優、ダンサー、紳士、少年と、ころころ表情を変えながら、パワフルで緩急のある踊りを見せてくれたのだけど、その姿を追う私たちこそが、紛れもなく楽しませてもらっていたことに気が付く。なるほど、これだから皆が佐久間大介の沼に落ちていくのか。

Daisuke Sakuma
1992年7月5日生まれ。アイドルグループ、Snow Manのメンバー。今春公開の映画『スペシャルズ』に主演、2026年公開予定の『マッチング TRUE LOVE』に出演。4月スタートのアニメ「キルアオ」(テレビ東京系)では古波鮫シン役の声優を務める。その他、情報番組「ラヴィット!」(TBS系)隔週火曜レギュラー。冠ラジオ番組「SnowMan 佐久間大介の待って、無理、しんどい、、」(文化放送)も放送中。
映画『スペシャルズ』
「過去にダンス経験がある......?」集められたのは年齢がバラバラの、プロの殺し屋の5人の男たち。とある理由からダンス大会を目指して、奮闘していく。
「タイトルを聞いて『面白そうだな』『つまんなそうだな』と思った人でも、必ず感情が動かされる、目が離せなくなる作品です。ダンス、銃撃、笑ってしまうシーンと色々な要素が詰まっていているので、老若男女問わず楽しんでもらえるはず!」と、主演の佐久間談。

●監督/内田英治 ●出演/佐久間大介(Snow Man)、椎名桔平、中本悠太(NCT)、青柳翔、小沢仁志ほか ●2026年、日本映画 ●111分 ●配給/エイベックス・フィルムレーベルズ ●2026年3月6日(金)より、全国公開 

 

問い合わせ先:
ヴァレンティノ インフォメーションデスク
03-6384-3512
https://www.valentino.com/ja-jp/

ジバンシィ ジャパン
0120-218-025(フリーダイヤル)
https://www.givenchy.com/jp/ja/homepage

*「フィガロジャポン」2026年4月号より抜粋

photography: Takanori Okuwaki(UM) styling: Nao Watanabe hair & makeup: Raishirou Yokoyama text: Hisano Kobayashi

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