時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、リシャール・ミルの時計の話をお届けします。
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RICHARD MILLE
BONBON COLLECTION
「リシャール・ミル ボンボン コレクション」より「RM 37-01 オートマティック スリーズ(チェリー)」 参考商品/リシャール・ミル(リシャールミルジャパン)
トップアスリートからレーシングドライバー、ハリウッドスターまで夢中のスーパーラグジュアリーブランド、リシャール・ミル。超絶技巧を凝らしたこのメゾンのメカニカルウォッチは、ほんのわずかな数しか作られないため、セレブリティたちにとってさえ垂涎の的。そんななか、ビリオネアな女性たちをターゲットにした「リシャール・ミル ボンボン コレクション」に注目。スイーツとフルーツをモチーフにした個性豊かな時計だ。
メカが透けて見える文字盤にちりばめられたのは、色とりどりのロリポップ、グミ、オレンジやレモン。これらのミニチュアは、手彩色のアクリルとラッカーで仕上げられている。砂糖をまぶしたように見えるのは、細かな砂とクラッシュエナメル。ツイストロリポップを思わせるリュウズの形もまた個性的だ。さらに時計の側面は、チェリーをイメージしたディープレッド。こだわりの結晶のようなディテールには、ため息しか出ない。
このカラフルな時計を手に持ってみると、驚くほど軽い。新開発の特殊ハイテク素材を採用しているから、軽く、美しく、耐久性にも優れているという。「身に着けるF1マシン」と呼ぶ人もいるほど、リシャール・ミルのウォッチは精密かつハイパフォーマンスだ。
大胆さとモダンさ、そして遊び心のグラマラスなミクスチャー。超高級メカニカルウォッチは、もう男性たちだけのものではないのだ。
*「フィガロジャポン」2019年10月号より抜粋
photo : SHINMEI (SEPT), stylisme : YUUKA MARUYAMA (MAKIURA OFFICE), texte : KEIKO HOMMA