鎌倉在住ライターが通う、居心地の良い古民家カフェ3軒。

鎌倉ウイークエンダー 2023.03.18

長谷川真弓

歴史を刻む寺社がいたるところにあり、古い建造物も多く残る鎌倉。古民家をいかしたカフェやレストランも多い。ゆっくりしたいときに友人と、ときには一人でそんな古民家カフェをめぐる中で見つけた、特にくつろいでお茶ができるおすすめの3軒を紹介する。

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鎌倉の風情を感じ、非日常空間が楽しめる古民家カフェ。

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和の空間で味わう、格別の一杯
#01.paso by 27 COFFEE ROASTERS

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縁側のカウンター席は、庭を眺めながらお茶ができる特等席。photography:27 COFFEE ROASTERS

個性的なカフェが密集し、鎌倉のカフェ厳選区ともなっている坂ノ下エリアに約一年前にオープン。本店は辻堂にあり、湘南エリアにおけるスペシャルティコーヒーのパイオニア的存在となっている。オーナーの葛西氏が毎年ホンジュラスに出向いて直接買い付けをし、その豆を店内で焙煎しているのだとか。

坂ノ下のこの店では3種類から自分の好みのものが選べる。この日は浅煎り2種と中深煎1種があり、浅煎りのロスプリモス ウォッシュドをオーダー。ロスプリモスというのは農園の名前だそう。

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選べる豆は固定ではなく時期によって変化するので、いろいろと試してみるのが楽しい。

一口飲むと、「コーヒーはほろ苦くコクがあるもの」という固定概念を崩される、フルーティーで軽やかな味わいに驚かされる。浅煎りなのに酸味がキツくなく逆に甘さがたっていて、クリーミーなバスクチーズケーキとの相性も抜群。

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ハンドドリップコーヒー(ロスプリモス ウォッシュド)¥880、バスクチーズケーキ¥550

ドリンクはコーヒーと、チャイの2種類といういさぎよさ。ケーキは3種類から選べる。10〜13時にはキッシュとドリップコーヒーがセットになった「あさひるセット」も。

午前中はそこまで混んでいない日もあるので、ゆっくり読書などしたいときには午前中を狙って行くのがおすすめ。

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小上がりのスペースもあり、「畳の上でコーヒー飲むの、はじめて!」と、喜ぶお客様も多いそう。

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季節によって表情の変わる庭。3月は梅の花が楽しめる。

paso by 27 COFFEE ROASTERS(パソ バイ トゥエンティーセブン コーヒーロースターズ)
神奈川県鎌倉市坂ノ下22-6
tel.0467-38-5605
営)10:00〜17:00
休)不定休(インスタグラムにてお知らせ)
https://www.instagram.com/paso_by_27coffeeroasters/

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趣のある空間と薬膳料理に心身が安らぐ
#02.燕カフェ

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昔風ではなく、確実に長い時間を経てきたものの美しさを感じる店内。

観光客が多く行き交う若宮大路から少し路地を入っただけなのに、静かな雪ノ下の住宅街。東勝寺跡近くに佇む築90年ほどの古民家は、中もほぼリノベーションせずに当時のままの雰囲気を保っている。

ふすまを外して蔵の扉をつけたり、1940年代のテーブルがさりげなく使われていたりと、古民家といってもほっこり系ではなく、なんともカッコいい空間。

「新しいものにはあまり魅力を感じない」という店主の石田さん。子どもの頃から骨董市などに連れられていっていたことで古道具に親しみをもち、今では古物商の資格も取得。店内には、豆皿などの骨董品を販売するスペースもあり、手にとってあれこれと見るのが楽しい。

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唯一カウンターだけは新しくつくったが、ほかは昔のままだそう。手前に飾ってあるのは江戸時代の薬箱。

「いつもの食事より身体にいいもの」をコンセプトにしており、人気は地元の良質な野菜をふんだんに使った薬膳カレーや薬膳おでんのランチ。普段の食生活を反省しつつ、一口ひとくち大事に味わいたくなる。

ただし、ランチを頼む人が圧倒的に多いので、「遅めのランチに…」と思って行くと売り切れていることもあるのでご注意を。

お茶は効能別に独自に調合した薬膳茶のほか、八宝茶、烏龍茶など全9種類から選べる。コーヒーはハンドドリップで提供してくれる。お茶やコーヒーのカップは九谷焼、有田焼などのカップを使っているので、ぜひ優雅なお茶タイムも味わってほしい。

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スパイスを組み合わせてつくる特製カレーはやみつきになるおいしさ。薬膳カレー(ごはん、日替わり小鉢3種つき)¥1500

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甘味は6種類ほどで全て手作り。抹茶チーズケーキ¥900、薬膳美人茶¥700

燕カフェ
神奈川県鎌倉市小町3-2-27
tel. 080-3597-7737
営)11:30〜17:00 
休)なし
https://www.instagram.com/tsubamecafe_kamakura/

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ブロカントに囲まれ、スローで穏やかな時間を
#03.la maison ancienne

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すべて窓に面したカウンター席。

江ノ電の極楽寺駅から長谷・坂ノ下方面へと抜ける、極楽寺坂切り通し。その急な坂の途中にさりげない看板がある。店名の「la maison ancienne」は、古いおうちという意味。その看板を目印に石段を進んでいくと現れる白壁の古民家は、都内など遠方からも訪れるファンの多いカフェだ。

この店のオーナーはロシャン・シルバさん。イタリアでアパレルや建築など多方面で活動し、日本にはアパレルブランドの立ち上げをきっかけに来日した。インテリア本を出版したり、中目黒にあるカフェ「LA VIE A LA CAMPAGNE」なども経営している、衣食住のスペシャリストだ。

西洋のアンティークだけではなく、日本の古いものも組み合わせて飾る独自のセンスがお店づくりにも現れている。

カフェスペースは2階で、高台にあるため、見晴らしも風とおしも良い。鳥のさえずりを聞いていると自然と心が和んでくる。

ここに来ると必ず頼みたくなるのは手作りのスイーツ。今回オーダーしたスコーンは外側はざくざくとしていて、中はしっとりきめ細やか。スッキリとした味わいの紅茶によく合う。

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自家製ジャムの添えられたスコーンは絶品。スコーン、紅茶¥1200(セット価格)

お昼時におすすめしたいのは、スリランカカレーのランチ。スリランカ人シェフがつくる本格派で、豊潤な香りがたまらない。こちらはテイクアウトも可能。

居心地のいいカフェでくつろぎ、ショップでゆっくり買い物もできる、定期的に訪れたくなる店だ。

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1階はオーナーの手がけるアパレルブランド「THE FACTORY」「AKABA MILANO」と、香りのブランド「Ambiente(アンビエンテ)」のショップ。

la maison ancienne/ラ・メゾン・アンシェンヌ  
神奈川県鎌倉市極楽寺2-1-13
tel.0467-81-4040
営)11:00〜17:00 土日は10:00〜17:00
休)火・水・木曜
https://www.instagram.com/ancienne_gokurakuji/

text&photography: Mayumi Hasegawa

長谷川真弓

エディター兼ライター。鎌倉在住、3児の母。大学卒業後、出版社に入社。女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスとして雑誌やwebなどで活動中。

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