杉咲花と土屋太鳳、美しさあふれる二大俳優を映す齊藤工。
「齊藤工 活動寫眞館」について 2024.11.22
日曜の21時が愉しみになった。ドラマ「海に眠るダイヤモンド」を観ること。演出陣の素晴らしさも通の間では評判だ。
だが、何よりも視聴者の心をとらえているのは出演者たち、それも日本のドラマ界を支える若手の俳優たちだ。見た目の美しさはもちろんだが、演技派の若手が数多く出ている。今回、齊藤工が捉えたのは、ふたりの女性。
昭和の炭鉱が舞台であるせいか、杉咲花と土屋太鳳の佇まいにはレトロなムードが漂う。出演作の選択も知的で、作品のクオリティのために全身全霊を込めて打ち込む点はふたりに共通している。
可憐な雰囲気を湛えながら芯の強い女性像を多く演じてきた杉咲花。抜群の身体能力を持ち、太陽のような明るい輝きを放つ土屋太鳳。齊藤はふたりの俳優に、どんな想いを寄せてきたのだろうか。
「杉咲花さんも、土屋太鳳さんも、ものすごい光を放ちながらも、地に足の付いた市井の人を演じることができる希有な俳優だと思います。おふたりとも、人を尊重し、ご自身と徹頭徹尾向き合い、いまを丁寧に生きている姿に背筋が伸びます」(齊藤)
「海に眠るダイヤモンド」という群像ドラマは、どこかしら秘密めいたストーリーだ。予想しても、なかなか先が読めない。誰と誰が結ばれるのかも視聴者が安易にわからないように物語が進んでいく。
杉咲の初々しい片想いする姿も、土屋がある種、導き手にように登場人物たちを観察する役柄も、ドラマの展開に素敵なワクワク感を与えてくれている。
「『海に眠るダイヤモンド』を一視聴者として、1話から、杉咲さん演じる朝子の表情や心情の表現があまりにも素晴らしく、朝子を応援しながら観ている自分がいます。と同時に、先日放送された作品の根幹とも呼べる「4話〜沈黙〜」の土屋さん演じる百合子の背負ってきたものや覚悟、眼差し、未来へ踏み出す一歩など、百合子の魂に触れた気がして心が震えました。おふたりは作品の心臓であり、現場の太陽です」(齊藤)
素晴らしい若手俳優たちが、自らは知らない時代の、知らない社会を生きるエネルギーあふれる若者たちを演じていても、その演技に豊かな説得力がなければ観る者は納得できない。
杉咲と土屋が魅せてくれる女性の生き方は、いまの時代を生きる幅広い世代に、郷愁から共感まで、尽きせぬ感慨を味わわせてくれる。
1997年10月2日生まれ、東京都出身。主な出演映画に、『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)、『無限の住人』(17年)、『市子』(23年)、『52ヘルツのクジラたち』『朽ちない サクラ』(ともに 24年)などがある。ドラマ出演作は、NHK 連続テレビ小説「おちょやん」(20-21年)、WOWOW「杉咲花の撮休」(23年)、カンテレ・フジテレビ「アンメット ある脳外科医の日記」(24年)など。25年、出演映画『片思い世界』の公開が控えている。
1995 年 2 月 3 日生まれ、東京都出身。2005年のオーディション『MISS PHOENIX』で審査員特別賞受賞、映画『トウキョウソナタ』(08 年)にて俳優デビュー。NHK連続テレビ小説『まれ』(15 年)ヒロインに抜擢後、映画『orange- オレンジ -』(15 年)、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17年)、Netflixドラマ「今際の国のアリス」(20 年)、ミュージカル『ローマの休日』(20 年)、映画『アイの歌声を聴かせて』(21年)、『マッチング』(24年)など多数の主演作に加え、『Prelude ~プレリュード~』(23年)の脚本・監督や、24年に単行本『たおリズム』を発刊するなど幅広く活動。
齊藤工/TAKUMI SAITOH
放映中の TBS 日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」にて杉咲花、土屋太鳳と共演。12 月15日放送のWOWOW「月刊 松坂桃李」内の「何も聞こえない」にて監督を務める。企画・プロデュースし た児童養護施設のドキュメンタリー映画『大きな家』(12月6日東京・大阪・名古屋先行公開、12月20日全国順次公開)に続き、ハリウッド映画『ボクがにんげんだったとき/When I was a human』のエグゼクティブプロデューサーも務める。