BWA授賞式を通して提案する、心地よく働くフォーマルスタイルとは？　

2021年から開催しているフィガロジャポンBusiness with Attitude Award2023（以下BWA）。自分の感性や価値観を大切にし、楽しみながら働くことで周りの人や社会に良いインパクトを与える女性を表彰するものだ。今年は「新しい選択肢を創造する女性たち」をテーマに5人の受賞者が選ばれた。12月14日（木）には青山のIWAI OMOTESANDOにて賞状授与式と懇親会が開かれた。

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授与式の衣装を提供したのはマックスマーラだ。同社は創業以来、ウーマンズエンパワメントをそのフィロソフィーに掲げ、全ブランドにおいてウィメンズラインのみを扱っている。活動の一環として、毎年ロサンゼルスで開催される「ウィメン・イン・フィルム」では、飛躍が期待される新人女優やキャリアの転機を迎えている女優に「マックスマーラ　フェイス・オブ・ザ・フューチャー賞」を授与。今年は女優でありチェンジ・メーカーであるヤラ・シャヒディに贈られた。またイギリスでは「マックスマーラ・アートプライズ・フォー・ウィメン」を通して次世代を担う女性アーティストの支援を行なっている。

今回は「心地よく働くフォーマルスタイル」をテーマに、スタイリスト酒井美方子がセレクト。自分らしい挑戦を続ける女性にふさわしい演出となった。

フィガロジャポンと6人の審査員が選んだ5人の女性たちを改めて紹介しよう。一人目は俳優としてキャリアを重ねつつ農業のサスティナブルな形を生み出したAGRICO代表の小林涼子。新潟県の棚田での稲作体験をきっかけに農業に興味を持った小林は農福連携事業支援者の資格を取得し、21年から高齢者も障害者も取り組めるバリアフリーな都市型農園を展開している。

ニットのトップにロングスカートというカジュアルな質感をドレッシーに着こなした小林。大きなパフスリーブが印象的。

二人目は固定概念や流行にとらわれず、自分らしさを楽しむブランドSOEJU（ソージュ）を展開する市原明日香。市原は幼い息子の闘病をきっかけに、それまでのキャリアを方向転換し、自分らしく働く方法を模索した。自分のペースで自分らしく働き暮らすために企業やブランドの新しいスタイルを提案している。

市原自身が手がけるソージュのウエアに、マックスマーラのMをモチーフにしたブローチが映える。

橘さつきは伝統工芸技術である寄席文字の書家として活動。会社員として働きながら夢を諦めずに職人の新たな働き方、生き方を追求している。今回の懇親会では即興で「風」という文字を披露した。

橘はウエストのシャーリングやスリットでアクセントを効かせたロングワンピースに、パールネックレスで華やぎをプラス。

三重県尾鷲市出身の永岡里菜は、地域の人手不足に悩む事業者と旅人をマッチングするプラットフォーム、おてつたびを立ち上げた。自身の故郷の魅力を知ってほしいという経験をもとに旅と仕事を掛け合わせ、新たな出会いを生み出した。

ボリュームあるアームとシルクタフタの光沢感が美しいブラックのトップで、日常の延長にあるパーティスタイルをイメージ。

最後のアワーディは不妊治療のデジタルトランスフォーメーション化を手がけるARCHの中井友紀子。第二子の不妊をきっかけに、不妊治療をより効率的に行えるような仕組みを仲間とともに作り上げ、恵比寿に開業したトーチ・クリニックをプロデュースする。

中井が着用したドレッシーなオールインワンは、幾何学的なフォルムのボウタイがアクセント。

自分の好きなことや体験をきっかけに生き方を見つめ直し、仕事へ昇華させた5人の受賞者たち。キャリアのために何かを諦めるのではなく、発想の転換で新たな選択肢を作り上げた点が評価された。懇親会では過去の受賞者やBWA Pitch Contestのファイナリスト、毎月1回開かれている定例オンラインセミナーの出演者なども交え、社会にインパクトを与える女性たちの交流の場として大いに盛り上がった。美しく豊かに生きることを諦めない女性たちの活躍にこれからも期待したい。