バラやライチの華やかな香り!? 白ワイン「ゲヴュルツトラミナー」をワインジャーナリスト柳忠之が解説。
ブドウ品種の特徴がわかると、ワイン選びはグッと楽に! ワインジャーナリストが解説する連載「ワイン学習帖」。今回はバラやライチの華やかな香りのゲヴュルツトラミナーについて、柳忠之さんが解説。
Vol.26 ゲヴュルツトラミナー
一度経験したら、ほかの品種と間違えることはないといわれるのがこの品種、ゲヴュルツトラミナーだ。バラやライチの華やかな香りが最大の特徴。ブドウの果皮は甲州のようなピンク色だが、もっぱら白ワインに仕上げられる。
北イタリアの南チロル地方を原産とする白ブドウ品種のトラミナーが突然変異したもので、ゲヴュルツはドイツ語でスパイスという意味。ちなみに南チロルはかつてハプスブルク家の支配下にあり、いまでもドイツ語が話される。
最も多く栽培されているのはフランス北東部のアルザス地方で、グラン・クリュにも認定されている高貴4品種のひとつ。辛口のほか、遅摘みのヴァンダンジュ・タルディーヴや貴腐のセレクシオン・ド・グラン・ノーブルといった甘口ワインも造られる。
糖と酸がほどよく調和する、冷涼な土地が好まれる。
ケットマイヤー
ゲヴュールツトラミネール
アルト・アディジェ
KETTMEIR
GEWÜRZTRAMINER
ALTO ADIGE
国・地域:イタリア トレンティーノ=アルト・アディジェ州
アルコール度数:14%

トラミナーという品種名は、南チロル地方にあるトラミンという村の名前に由来する。栽培面積では、ゲヴュルツトラミネールがアルト・アディジェ州(南チロル)全体の10% を占めている。冷涼な土地にもかかわらず、ボディの厚みは明らかにアルザスを上回り、飲みごたえたっぷり。アロマは、バラやライチよりアプリコットやピーチが強い。アフターに広がる心地よい苦味が、味わい全体を引き締める。
果 実 味 ●〇〇〇〇
酸 味 ●●●●〇
ミネラル感 ●●〇〇〇

ヒューゲル
ゲヴェルツトラミナー・クラシック
HUGEL
GEWURZTRAMINER
CLASSIC
国・地域:フランス アルザス地方
アルコール度数:14%

タヴェルは辛口ロゼのみに認められたローヌ地方南部のA.O.C.(原産地呼称)。この地で400年以上の歴史を誇る、銘醸ワイナリーがシャトー ダケリアだ。グルナッシュやシラーなど全部で6種類のブドウを用い、除梗破砕後、12~24 時間果皮を漬け込む。色調は濃いめのチェリーピンク。イチゴやラズベリーなど赤い果実の香りが広がり、味わいはリッチでボリューミー。仔羊など赤身肉にも合わせられる。
果 実 味 ●●●〇〇
酸 味 ●●●〇〇
ミネラル感 ●●〇〇〇

*「フィガロジャポン」2026年7月号より抜粋