バラやライチの華やかな香り!? 白ワイン「ゲヴュルツトラミナー」をワインジャーナリスト柳忠之が解説。

FIGARO Wine Club

ブドウ品種の特徴がわかると、ワイン選びはグッと楽に! ワインジャーナリストが解説する連載「ワイン学習帖」。今回はバラやライチの華やかな香りのゲヴュルツトラミナーについて、柳忠之さんが解説。


Vol.26 ゲヴュルツトラミナー

一度経験したら、ほかの品種と間違えることはないといわれるのがこの品種、ゲヴュルツトラミナーだ。バラやライチの華やかな香りが最大の特徴。ブドウの果皮は甲州のようなピンク色だが、もっぱら白ワインに仕上げられる。

北イタリアの南チロル地方を原産とする白ブドウ品種のトラミナーが突然変異したもので、ゲヴュルツはドイツ語でスパイスという意味。ちなみに南チロルはかつてハプスブルク家の支配下にあり、いまでもドイツ語が話される。

最も多く栽培されているのはフランス北東部のアルザス地方で、グラン・クリュにも認定されている高貴4品種のひとつ。辛口のほか、遅摘みのヴァンダンジュ・タルディーヴや貴腐のセレクシオン・ド・グラン・ノーブルといった甘口ワインも造られる。

糖と酸がほどよく調和する、冷涼な土地が好まれる。

ケットマイヤー
ゲヴュールツトラミネール
アルト・アディジェ

KETTMEIR
GEWÜRZTRAMINER
ALTO ADIGE

国・地域:イタリア トレンティーノ=アルト・アディジェ州
アルコール度数:14%

北イタリア産は、果実味もボディも厚みたっぷり。750ml ¥4,400/フードライナー 0120-28-6683(フリーダイヤル)

トラミナーという品種名は、南チロル地方にあるトラミンという村の名前に由来する。栽培面積では、ゲヴュルツトラミネールがアルト・アディジェ州(南チロル)全体の10% を占めている。冷涼な土地にもかかわらず、ボディの厚みは明らかにアルザスを上回り、飲みごたえたっぷり。アロマは、バラやライチよりアプリコットやピーチが強い。アフターに広がる心地よい苦味が、味わい全体を引き締める。

果 実 味 ●〇〇〇〇
酸   味 ●●●●〇
ミネラル感 ●●〇〇〇

ヒューゲル
ゲヴェルツトラミナー・クラシック

HUGEL
GEWURZTRAMINER
CLASSIC

国・地域:フランス アルザス地方
アルコール度数:14%

アルザスの老舗ワイナリーによる、お手本のような一本。750ml ¥4,400/ジェロボーム(03-5786-3280)

タヴェルは辛口ロゼのみに認められたローヌ地方南部のA.O.C.(原産地呼称)。この地で400年以上の歴史を誇る、銘醸ワイナリーがシャトー ダケリアだ。グルナッシュやシラーなど全部で6種類のブドウを用い、除梗破砕後、12~24 時間果皮を漬け込む。色調は濃いめのチェリーピンク。イチゴやラズベリーなど赤い果実の香りが広がり、味わいはリッチでボリューミー。仔羊など赤身肉にも合わせられる。

果 実 味 ●●●〇〇
酸   味 ●●●〇〇
ミネラル感 ●●〇〇〇

柳 忠之

ワインジャーナリスト

ワイン専門誌記者を経て、1997年に独立。以来フリーのワインジャーナリストとして、ワイン専門誌はもとより、数々のライフスタイル誌においてワイン関連記事を寄稿。日本ソムリエ協会発行の資格試験向け教本執筆者ながら、ソムリエ資格を有さず、業界のブラックジャックを自称する。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ、ボンタン騎士団名誉コマンドゥール。

*「フィガロジャポン」2026年7月号より抜粋