今からでも間に合う!6週間で二の腕を引き締める方法とは?
Beauty 2025.06.14

美容ルーティンの中で、腕はいつも後回しにされがちだ。しかし、その見た目が気になる日は必ずやってくる。「二の腕は、首、手、姿勢など、全身の優雅さを左右する重要な部分です。すべてが繋がっているわけですから」と、myBlendのトレーニングディレクターのアニエス・アゲロンは二の腕ケアの重要性を強調する。
データによると、50歳以上の女性の64%が腕の老化にコンプレックスを感じており、33%が改善したいと考えているという。暖かい季節がやってくると、特に内側の皮膚のたるみをリセットするのは難しい。「ほんの些細な動きでも、腕の弾力性がないのが露呈してしまいます。私のクライアントは『たるんだ』腕、『波打つような感じ』の腕、『ゼリーのような質感』の腕だと訴えます」と、自身の名を冠したセルフマッサージメソッドの創設者であるエリザベス・ナド(@nado.elisabeth)は語る。この現象はさまざまな要因が絡み合っていることが多く、筋肉の衰え、上半身の脂肪蓄積、コラーゲンとエラスチンの減少、リンパの流れの低下など、これらすべてが体型を変化させる要因だという。「40歳を過ぎると、エストロゲンの減少がさらに状況を悪化させ、水分の待留やむくみを促します」と、理学療法士のアンヌ・カリは付け加える。
筋肉が肥大し過ぎない程度に鍛える。
腹筋や臀筋に比べ、腕の筋力強化は、ボディビルダーのような二頭筋のイメージに怯える人に敬遠されがちだ。しかし、スポーツコーチであり、ゲランのウェルネスエキスパートであるジュリー・グレンジャーによると、この不安は杞憂だという。「軽い重量で何度も反復運動をすることで、筋肉を大きくすることなく引き締め、(腕の)長い筋肉を鍛えることができます」と、元バレリーナである彼女は説明する。ちなみに彼女はダンスのトレーニングからインスパイアされたオンラインレッスンを配信している。「ダンサーは引き締まった筋肉で、素晴らしい力を発揮する」――これが、彼女のプログラム「Tank-top challenge」の精神だ(彼女のオンラインレッスンは「The Studio」で配信)。このプログラムでは、10日間毎日5分のエクササイズで、タンクトップを着こなせるようになることを目標としている。「軽いダンベルを使って毎日少しずつ長期的に続ける方が、たまに激しいトレーニングをするよりも効果的です」とグレンジャー。そして彼女は毎日、上腕二頭筋、三角筋、菱形筋、腋下の小円筋と大円筋といった筋肉群を鍛えるようにしているそう。「特に上腕三頭筋は、日常的に使うことがほとんどないため、たるみやすい筋肉です。小さくて力も弱いため、垂れ下がりやすいのです」と説明する。腕に対して並々ならぬこだわりがある、そんな彼女がおすすめする、効果的なエクササイズTOP3は?
「Wカール 」
① 両手にウェイトを持ち(手のひらを内側に向ける)、腕を床に向かってまっすぐ伸ばすが、その際、腕を身体から少し離す。
② 肩に向かって肘を曲げてから伸ばす。
③ 手首を回転させ(手のひらが外側に向くように)、肘を曲げて腕を胸の上まで押し出す。
「トライセップス・ディップ 」
① 床に座り、膝を曲げ、両手を身体の後ろの床に置き、身体を支える。
② 腰を上げてテーブルのような形に整え、手の指先を足の踵に向けてから、肘を曲げ伸ばしする。3セット×8回繰り返す。
「スワンレイクアーム 」
両腕を横に伸ばした状態で、上下に30秒間波打つように動かす。白鳥が翼を広げて、勢いよく飛び立つようなイメージで。
さらに効果を実感したいという人は、理学療法士のアンヌ・カリのアドバイスを取り入れるといいだろう。
「胸筋と上腕三頭筋を鍛えるには、両腕を直角に曲げ、肘が触れ合うまで前に引き戻します。また『トリセプス(上腕三頭筋)キックバック』も効果的。ウェイトを持った両腕を頭上に伸ばし、肩甲骨に向かって曲げてから伸ばします。1セット10回を3セット行い、各セットの間に1分間の休憩を入れてください」
もっと挑戦したい場合は、現在パリで話題沸騰中のラグリーフィットネスのような遊び心のあるエクササイズがおすすめだ。
「ラグリーは低負荷でありながら高強度で、ピラティスよりも持続力があり、メガフォーマーというマシンを使って行います」と、パリ8区にある高級スタジオ「Silo」のヘッドコーチ、カリマ・ザグドゥードは説明するが、「Silo」では特に上半身をターゲットにしたセッションを提供している。「筋肉の伸長に焦点を当てることで、腕を鍛えます」
移動式プラットフォーム、ウェイト、ストラップを備えたこのマシンは、快適さを提供するだけに留まらない、無限の可能性を秘めている。「エクササイズは常に進化し、ルーティンも変化するため、飽きることがありません」と彼女は語るが、「Silo」では週2回のセッションを推奨しており、5回目のセッションから目に見える成果が得られるという。
もうひとつ急成長しているのは、ボクシングだ。2012年から2023年までの間に、フランスでライセンスを取得した女性ボクサーの数は、連盟の統計によると8,400人から17,000人に増加したという。パリの「テンプル・ノーブル・アート」のコーチであり、フランスとヨーロッパのボクシングチャンピオンを複数回獲得しているクリステル・バルボは、不安や先入観を克服するよう呼びかけている。「イギリス式ボクシングは、拳だけを使うので、初心者には最適です。全身を鍛え、有酸素運動も行いますが、腕と背中の筋肉も強化されます。3ヶ月で体型が変わり、腕のラインが引き締まり、精神力も強くなるのです。動きが身体に染み付く頃には、楽しさを実感できるようになりますよ」
外科手術をすることなく、美を追求する。
体重が増え過ぎると、脂肪吸引をしたくなる衝動に駆られるかもしれない。しかし、ニースの美容外科医、ベレンジェール・シニョン=シカール医師は警告する。「美容医療では、ラジオ波や皮膚誘導装置を使って皮膚を引き締める治療法がありますが、奇跡的な効果はありません。50歳以上の方には、脂肪吸引だけでは不十分です。皮膚の余分な部分を治療するには手術が必要になることが多く、目立つ傷跡が残る可能性があります」
一方では、身体を傷つけずに済む代替療法も存在する。エリザベス・ナドが考案したドレナージュマッサージの「ブースト・リンパ」は、ポンプのような動きでリンパ液が滞らないようにし、脂肪のボリュームを減らすという。「マッサージは、鎖骨の下のくぼみから始めます。次に、腋の下、そして少しずつ上へ移動していきます。手のひらを平らにして、肘のくぼみから肩まで、そして手首から肘のくぼみまで圧力をかけていきます」
また、アンヌ・カリのGADプロトコル(滑らせる、押す、離す)のセッションでは、腕に3~4回繰り返し行うことで、血行を促進して脂肪を分解し、肌を引き締めるという。「自宅では、水分の滞留を防ぎ、ハリのある肌を保つために、滑らせるように圧をかけていく練習をしてみてください。腕を少し上げ、もう一方の手のひらで吸引するように滑らせますが、肘、そして上腕三頭筋を通って肩まで動かしていきます。それぞれの組織に圧をかけ、緩めることで、エラスチンとコラーゲンを生成する線維芽細胞を活性化させます。これを週に2回、3~4回繰り返してください」
自分の手で腕の形を整える。
軽やかで引き締まった腕にするために、エリザベス・ナドは自身のプログラム「Lisse & Sculpte」において、さらにふたつのテクニックを挙げている。「お好みのオイルを指先から肩まで塗布し、手のひらを平らにして、上向きに滑らせるようにマッサージします。肘から肩へ、次に手首から肘へと、適度な圧力をかけながら滑らせます。その際、壁に手を付けて腕を伸ばし、もう片方の手で揉みほぐします。最後に、軽く押さえるように撫でます。その後、反対の腕も同じように繰り返します。この動きを週に5回、5分間行います。循環を刺激するために、少しつまみながら行ってもいいでしょう。2週間後には、肌が引き締まり、腕の輪郭が整います。重要なのは継続することです」
カリタのサロンメニュー「Corps sculptural」は、腕などたるみやすい部位に焦点を当てている。「筋肉は筋膜に包まれており、筋膜は組織をストッキングのように支えています。年齢とともにこの構造が劣化すると、組織のサポート機能と全体的な美しさが損なわれます」と、同ブランドのシニアエデュケーション&トレーニングマネージャーのステファニー・メルルは語る。「この筋膜を刺激するために、手技マッサージとIcooneのロボダーミック技術を組み合わせます。組織の深層構造を強化し、皮膚層と筋膜のサポートを強化します」
さらにLPGは、テクノロジー愛好家向けに、新世代のエンダモロジー「Cellu M6 Infinity」を発売。7つの特許を取得したこのマシンは、表層から深層までの結合組織に痛みなくアプローチするヘッドを採用しており、目に見える効果と持続性を実現するという。トリートメントメニューが刷新され、「セルライト スムージング」と「リスカプト&ファーム」というふたつの新しいプロトコルが追加されたが、腕を重点的にケアできるようにカスタマイズ可能だ。自宅では、「ワークアウトに加えて、電気刺激機器を使って筋肉を引き締めるがいちばんです」と、myBlendのアニエス・アゲロンは提案する。
夏の必需品は日焼け止め!
美容ケアの計画から見落とされがちな腕の薄い部位は、皮脂腺が少なく、乾燥しがちだ。夏の必需品として、どんなアンチエイジングケアよりも優先すべきは、日焼け止めにほかならない。「腕は特に日光にさらされやすく、老化を早めます。だからこそ、露出するなら毎日SPF50の日焼け止めを塗ることが重要です」とアゲロンは強調する。専門家は、保湿を毎日しっかり行ったうえで、必要に応じて、水分を排出して引き締め効果のある有効成分(ペプチド、カフェインなど)入りの製品を使用することに加えて、細胞のターンオーバーを促すために週に1回のマイルドな角質除去を推奨している。「このトリートメントは、普段のフェイシャルケアのルーティン後に、リラックス習慣として行うようにしましょう。手のひらから前腕、肘までを反対の手の親指で円を描くように上に向かって移動させます。次に腕全体を円を描くようにマッサージし、やさしく押さえてから離すと、血行が良くなるうえ、リラックスできます」。最後に、手首から肩に向かってゆっくりと滑らせるように撫でると、引き締め効果を得られるだろう。
すべての専門家が一致して言っているように、手ほど優れたマッサージツールはない。深層組織に働きかけるには、アンヌ・カリは突起付きのローラーを推奨している。また、表面の詰まりを軽減しながらやさしく角質除去を行うドライブラッシングについては、「リンパ節が活性化されてはじめて、リンパの流れが最適化されます」とエリザベス・ナドは説明している。
From madameFIGARO.fr
text: Victoria Hidoussi (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto