インスタグラムに投稿された、白紙画像が訴えること。

Culture 2021.05.19

イスラエルとガザ地区を実効支配するパレスチナ団体の衝突再燃から1週間がたち、民間人の被害が日に日に増えている。俳優ふたりがそれぞれ白紙画像をSNSに投稿し、「世界の平和に責任を持つ人たち」に呼びかけた。

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フランスの映画俳優のふたりがイスラエル・パレスチナ紛争をめぐってSNSを通して意見を表明。平和を訴えた。(パリ、2018年12月11日)photo:Getty Images

「世界の平和に責任を持つ人たちには、世界中のどこであろうと、自由、正義、平等が遵守されるよう監督する義務がある」。5月16日、タハール・ラヒムは自身のインスタグラムに#paixenpalestine(パレスチナの平和)というハッシュタグとともに白紙画像を投稿した。

投稿の前日には、パリをはじめとするフランスの複数の大都市でパレスチナ支援を訴えるデモが(政府によるデモ禁止要請を無視して)行われたばかり。今回のデモは、ガザ地区および周辺でのイスラエルとパレスチナ抵抗運動ハマスとの軍事対立が、2014年以来の大規模な衝突に発展していることを受けて呼びかけられたものだ。

 

 

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“目の前であまりに多くの血が流されている”

2021年ゴールデン・グローブ賞にノミネートされたタハールは次のように続ける。「世界中であまりに多くの血が流され、それを目にして私たちは無力感とペシミズムに陥っている。世界は、受け入れ難く、常軌を逸し、暴力的にもなりつつある。この状況が、子どもたちにとって当たり前の普通のことになってはならない」。そう述べた後で、彼はこの暴力を「停止」するよう呼びかけた。「いまからでも遅くない。これ以上、子どもたちや市民の犠牲者が出る前に、合法的な介入をすべきだ」。そしてこう締めくくった。「すでにあまりにも多くの人が亡くなっている。平和と、犠牲になった人たちにおいて、この非人間的行為を止めろと言いたい」

“私たちの思いを言葉に”

これに続いてアデル・エグザルコプロスも白紙画像をSNSに投稿した。3歳の息子をもつ27歳のアデルはこう綴る。「母である私たちの思いを言葉にするとしたら……私たちの心の中で、街中で、インターネット上で、分裂するのはやめましょう。双方で血が流されているのを黙って見ている指導者たちを非難しなければ。罪のない人々の、子どもたちの、家族全員の血が流されています」

5月10日、73年に及ぶ当地域の紛争は、新たな暴力的局面に突入した。フランス通信社による最新の報道によると、パレスチナ側の1週間の犠牲者は192人。そのうち子どもが少なくとも58人。また負傷者は1200人以上に上っている。イスラエル側の犠牲者は10人で、そのうち子どもが1人。パレスチナ側のロケット弾による負傷者は282人。国連事務総長のアントニオ・グテーレスは日曜に双方に停戦を呼びかけたが、いまのところ効果はあがっていない。

text:Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr)

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