セリーヌ・ディオン、『タイタニック』の主題歌にまつわる苦い思い出とは?

Culture 2024.05.06

4月23日に雑誌「ヴォーグ」が公開した動画の中で、カナダのケベック出身の歌手セリーヌ・ディオンは「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」をほとんど歌わなかったと語っている。

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プロエンザ・スクーラーのアンサンブルをまとったセリーヌ・ディオン。(ニューヨーク、2020年3月4日)photography: Diggzy / Diggzy/Splash News/ABACA

この曲で彼女はアカデミー賞ゴールデン・グローブ賞グラミー賞4部門を受賞した。しかし、セリーヌ・ディオンは、ジェームズ・キャメロン監督の映画『タイタニック』(1997年)の劇中歌である「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」を歌うことはほとんどなかった。

セリーヌ・ディオンは現在、フランス版「ヴォーグ」の表紙を飾っている。そして、彼女は「Life in Looks(ライフ・イン・ルックス)」という動画に登場した。有名人が着用した衣装を通して自分のキャリアをたどるという内容だ。その中のひとつに、『タイタニック』が勝利したアカデミー賞の夜がある。セリーヌ・ディオンは、マイケル・コースの黒いタートルネックのドレスを着ていた。首元には、映画の中でローズが着用していたアスプレイのネックレス「ハート・オブ・ザ・オーシャン」が輝いていた。この写真の前で、セリーヌは映画『タイタニック』でのコラボレーションの裏話を語った。

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「困ったことになったと思った」

「ジェームズ・キャメロンは歌を必要としなかった」と、セリーヌ・ディオンが4月23日に自身のInstagramに投稿した動画で語っている。『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督は、「私の映画は十分に素晴らしいから、歌は必要ない」とさえ述べたと言う。しかし、「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」の作曲家であるジェームズ・ホーナーは、密かにこの曲を歌手セリーヌ・ディオンと彼女の夫であるレネ・アンジェリルに聴かせるためにラスベガスを訪れた。

最初の音楽が流れると、セリーヌ・ディオンは当時彼女のマネージャーでもあった夫に「このプロジェクトに興味がない」と伝えた。「私はこの曲を歌いたくない」と彼女は打ち明けたのである。2016年に亡くなったセリーヌの夫レネは、作曲家にデモ録音のためにロサンゼルスに集まることを提案した。「彼がそう言ったとき、困ったことになったと思った。」と彼女はテーブルを叩きながら、自分の苛立ちを追体験するかのように語った。「私はその曲を歌いたくなかったし、監督も映画の中で歌を必要としなかった。けれどスタジオに足を踏み入れ、音楽を聴いた途端、役を演じ、受け入れた。」その後の経緯はよく知られている。セリーヌはその曲をレコーディングし、後に再録音する必要すらなかった。なぜなら、そのファーストテイクが映画で使用されることになったからである。

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text: Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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