梅雨時は美術館に篭ってアートに触れよう! 週末におすすめしたい4つの展覧会。
Culture 2025.06.12
4人の女性作家の表現が木霊するダイアローグ。
『創造と破壊の閃光』展
1957年渡米以来、数々の大作を制作し続け、世界に向けて生命の謳歌を発信する草間彌生と3名の作家によるダイアローグ展。戦後、高度経済成長期に大量消費社会の時代精神を共有した三島喜美代。自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美が草間の世界観と交錯する谷原菜摘子。太古の楔形文字のような無数のかたちが宇宙を形成する作品が、草間の自然観と通底する坂上チユキ。彼女たちの対話により構成される本展は、いまを生きる者のビジョンにも深い示唆を与えるはずだ。
会期:開催中~6/15
会場:GYRE GALLERY
0570-05-6990
開)11:00~20:00最終入場
無休
入場無料
https://gyre-omotesando.com/artandgallery/flashes-of-creation-and-destruction/
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みずみずしい驚きに満ちた、作品同士の呼応と共鳴。
『スペクトラム スペクトラム』展
エルメス財団のブリュッセルのギャラリーで昨年開催された展示を鏡のように映しながら、東京で新たなナラティブの構造を重ねる対話から生まれた展覧会。参加作家はエマニュエル・カステラン、題府基之、川端健太郎、マリー・ローランサン、ヨハネス・ナーゲル、ヴァルター・スウェネン、津田道子。みずみずしい驚きに満ちた作品同士の振れ幅や共鳴を鏡として用いながら、真実と虚の〈あいだ〉にとどまる居場所として密やかな室内にひとつの小説を生み出そうとする。
会期:開催中~6/29
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム8、9F
03-3569-3300
開)11:00~18:30最終入場
休)水
入場無料
https://www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/250320/
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戦争体験を原動力に、いま表現する問題意識。
『ヒロシマ・トマト 司 修 』展
幼少期を戦争の中で送った画家・小説家の司修は、戦中戦後に刻まれた生々しい記憶を原動力に、現代を生きるものとしての問題意識を抱えながら折々に感じるものを88歳のいまも表現し続ける。本展では、広島の原爆を描いた『まちんと』(文・松谷みよ子)を核に、初期から近作までの司の作品を紹介。また同時開催のアンデルセン生誕220年を記念する展覧会では、いわさきちひろの挿し絵や言葉を通して、普遍的な人間の心情を描いたアンデルセンの世界を紹介する。
会期:開催中~7/21
会場:ちひろ美術館・東京
03-3995-0612
開)10:00~16:30最終入場
休)月 ※7/21開館
料)一般¥1,200
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/02760/
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昭和レトロな鉄道の魅力を覚醒させるアートの力。
小湊鉄道開業100周年記念展『古往今来・発車オーライ!』
昭和の薫りを色濃く残した駅舎や車両が市民や鉄道ファンに愛されてきた小湊鉄道。同鉄道の活性化を目指して数々のアートプロジェクトが展開されてきた。開業100周年を迎え、その歩みを振り返り未来へ繋げる企画展が開催中。中﨑透、青山悟、クワクボリョウタ、中野裕介/パラモデル、かこさとしの5作家は地域の声や土地にまつわる物語を丁寧に集め、観る人の意識を覚醒させるユニークな発想で小湊鉄道の歴史や魅力をあらためて照射し、詩的な情景を創り出している。
会期:開催中~9/15
会場:市原湖畔美術館
436-98-1525
開)10:00~16:30最終入場(火~金)、9:30~18:30最終入場(土、祝前日)、9:30~17:30最終入場(日、祝)
休)月 ※7/21、8/11、9/15開館
料)一般¥1,000
https://lsm-ichihara.jp/exhibition/kominato/
*「フィガロジャポン」2025年7月号より抜粋
text: Chie Sumiyoshi