BTS・RMと組んでスマッシュヒット! 異才集団唯一の女性〈ソグム〉に会いにソウルの教会へ。
Culture 2026.04.09
オルタナティブK-POP集団ってなんだ? BTS・RMがフィーチャリングし、2度のフジロックへの出演で注目を集める「Balming Tiger(バーミングタイガー)」。その唯一の女性メンバーsogumm(ソグム)に招かれ訪れたソウルの教会で、グループとソロ活動の境界線、かつて描いていた夢、そして学生時代の転機など。これまで歩んできた道のりと、先に見る世界を聞いた。
作曲家を夢見ていた少女はいまやフロントマン。
sogumm/ソグム

「心が安らぐ場所」と言う行きつけの教会にて。長い髪を揺らし、自然体の姿がとても愛らしい。
BTSのRMを迎えた「SEXY NUKIM」のスマッシュヒットで世界中の注目を集めたBalming Tiger。2025年は2度目のフジロックフェスティバルに登場し、強烈なインパクトを残した。唯一の女性メンバーであり、ソロアーティストとしても独特の浮遊感を放つsogumm(ソグム)。個性派集団の中でアイデンティティのバランスをどう取っているのか問うと「少し前まで考えたこともなかった」という意外な答え。
「もともとソグムのキャラクターが求められていたし、私のままでいいと思っていて。でも活動に没入しているうちに、チームの色に合わせてしまっているかも、と最近気付いたんです。その境界線を見いだすのが今後の課題だと思っています」
チーム加入前から名だたるヒップホップアーティストとコラボしていた当時を「あの頃は野性的だった」と振り返る。学生時代の夢は作曲家であり「私の音楽を表現してくれる素敵なミュージシャンに出会うこと」。そんな彼女を周囲の人々が表舞台に導いた。

実際に作曲する時に使っているというBontempiのミニオルガン。

アナログなテープレコーダーも彼女の制作過程の必需品。
「教授や友だちから『そんなに独特の感性と声を持っているのに、ほかの誰が君の曲を表現できるの?』と言われて、ショックで悔しくもありました」
一念発起した彼女は、soundcloudを中心に活動を始める。
「とにかくいろいろな経験を吸収したかったので、メールでコラボ提案が来ると全部OKしていました。中学3年生だろうと十数人しかリスナーがいない人だろうと、本当に全部。そのことがメディアで活躍するアーティストも新鮮に感じたんだと思います。いまとなっては私の潜在能力を見いだしてくれた人々に心から感謝しています」

パイプオルガンを前に聖歌隊として讃美歌を歌うと心が洗われる。
作曲家を夢見ていた少女は世界のステージに立つフロントマンに。多忙な日々を送るソグムが対価を求めず歌を歌い、インスピレーションをもらえる場所が教会だそう。彼女は、「ここで再び力を得て作った曲が誰かの救いになれば」と目を輝かせて未来を語る。
「おばあちゃんになっても音楽を続けている確信があるんです。そう考えれば、現在の私はまだまだ子どもみたいなもの。これからも試練はたくさんやって来ると思います。でもその先にまた幸せが待っていて、その繰り返しが創作の糧となる。だから生き急がず、心から納得できる作品を作って、私らしく活動を続けていくつもりです」
ソグム/소금 2017年、soundcloudでの活動が注目を集める。その後、1stアルバム『sobrightttttttt』(19年)を含む2枚のアルバムを発売し、20年に韓国大衆音楽賞で新人賞を受賞。現在は自称"オルタナティブK-POP"集団、Balming Tigerのメンバーとして活動中。飾らないキャラクターと繊細で感受性豊かな歌声、浮遊感漂うサウンドはジャンルを超えて人々の心を掴む。 @sogumm @balmingtiger
*「フィガロジャポン」2026年2月号より抜粋
interview & text: Juri Honda photography: Naoko Kumagai collaboration: Koki Yahata, Daichi Yamamoto



