「セレブゴシップ告発」で物議を醸したブロガー、その栄光と転落。
2000年代にゴシップとスキャンダルの王者として君臨したブロガー、ペレス・ヒルトン。スターたちの苦悩を商売の種にしていた彼は、8月4日(火)、マイアミで、SNS上で自傷行為をライブ配信した後に入院した。避けられなかった転落への道のりを振り返る。

その映像は、何千人ものインターネットユーザーに衝撃を与えた。彼らは、4日(火)日没時にTikTokでペレス・ヒルトンのライブ配信を見ながら、気軽に楽しむつもりだった。しかし、スマホの画面に映し出されたのは、まさに恐怖の光景だった。アメリカ人ブロガーは、完全に裸の状態でナイフを手にした姿で登場したのだ。呆然とした表情で、虚ろな目をしていた彼は、自傷行為を始めたように見え、首や腕、腹部に刃物を当てて動かしていた。まもなく、彼の体は血に覆われた。カメラに向かって、48歳の男性は、ほとんど聞き取れないほど不明瞭な様子で、警察に撃たれて死にたいという趣旨の発言をした。TikTokユーザーから通報を受けたこの映像は、あまりにも痛ましい内容だったため、配信開始から30分後にライブ中断され、その後プラットフォームから削除された。ペレス・ヒルトンのアカウントも、その直後に削除された。SNS上ではすぐにある疑問が浮上した。それは、注目を集めようとしたブロガーによる演出だったのか、それとも、実際に自殺を図る様子が生中継で撮影されたものだったのか、というものだった。
いずれにせよ、マイアミ警察は、「自傷行為をライブ配信している人物がいる」という内容の複数の通報を受けた後、迅速に対応した。警察官が自宅前に到着した時、ペレス・ヒルトンはひとりでいたという。警察官らはいったんその場から離れるよう指示を受けたものの、状況の監視は続けるよう命じられた。「精神的な危機に直面している人や、自傷行為を示している人が関わる多くの状況において、保安官事務所の職員は、時間と距離を確保し、対話の機会を作ることで、状況の悪化を防ぐ対応を優先しています」と、マイアミ・デイド郡保安官事務所は声明で説明した。この声明は「ページ・シックス」によって報じられた。その後、救急隊が現場に介入した。ペレス・ヒルトンこと、本名マリオ・アルマンド・ラバンデイラ・ジュニアは、23時30分頃、マイアミ・デイド郡の消防隊によって近隣の病院へ搬送され、そこで医療処置を受けた。
彼の近親者は、8月5日(水)に彼のブログ上で発表した声明の中で、容体について報告した。「ペレスが意思疎通を図れる状態であることを確認できました。それは家族全員に再び希望を与えてくれました。彼が回復に向けた時間を過ごしている間、皆さまには引き続き私たちのために祈っていただき、理解と思いやりをもって見守っていただけるよう、心からお願いいたします」と、家族はつづった。
スキャンダルの王様
ペレス・ヒルトンの入院が発表されると、アメリカのメディアは一斉に大きく報じた。というのも、このブロガーは2000年代初頭、ブリトニー・スピアーズ、リンジー・ローハン、パリス・ヒルトンといったスターたちのトラブルや騒動を取り上げる記事によって、ポップカルチャー界の一大現象となった人物だからだ。当時、彼のウェブサイト「ペレスヒルトン・ドットコム(Perezhilton.com)」は、ゴシップや噂話の宝庫だった。彼はロサンゼルスのVIPパーティーにあらゆる手段で入り込み、そこで掘り出したネタを掲載していた。また、すでにパパラッチに追われていたこれらのセレブたちについて、内部関係者から日々の細かな行動や出来事に関する情報も提供されていた。
スクープを求めるアメリカ人からは愛される一方で、自分たちの姿を絶えず暴露される芸能界からは嫌われたペレス・ヒルトンは、過激で下品な表現に踏み込むこともいとわなかった。屈辱的な写真の掲載、外見を揶揄する不適切な言葉遊び(十分に女性らしくないと彼が見なしたジェニファー・アニストンに対して「Maniston(マニストン)」というあだ名をつけたことなど)、本人の同意を得ないままスターのカミングアウトを暴露する行為(ニール・パトリック・ハリスやランス・バスなどが被害を受けた)……。ペレス・ヒルトンは、セレブに関する情報を扱う際に一切の境界線を設けず、それが一時的な成功につながった。しかし、その後、彼は避けられない転落への道をたどることになる。時が経つにつれ、数々の論争が彼のブログに大きな打撃を与えた。さらに、スター自身が自分の物語や情報発信をようやくコントロールできるようになったSNSの台頭によって、ブログはすでに勢いを失っていた。
ハッキングされた写真を巡る騒動
2010年代初頭、レディー・ガガ、ケシャ、マイリー・サイラスらは、ペレス・ヒルトンによる悪意ある攻撃を公に批判した。「否定的なことや嘘をまき散らすことで生計を立てる必要なんてない。あなたは誰かのためになることをすることもできるはず」と、ジェニファー・ローレンスも2014年、雑誌「ヴァニティ・フェア」のインタビューで怒りをあらわにした。これは、彼女の裸の写真がハッキングによって流出し、ペレス・ヒルトンのサイトに掲載された後、彼に直接向けた発言だった。
女優はこのハッキング行為を「性犯罪」と表現した。「これらの写真を見た人は誰であれ、性的な犯罪行為に加担していることになります。恥を知るべきです」と彼女は語った。メディアを大きく騒がせる事態となる中、世間や報道機関、そしてハリウッド全体から支持を集めるジェニファー・ローレンスに対し、ペレス・ヒルトンは謝罪した。「自分の行動がもたらす影響を考えずに、私のサイトに写真を掲載したことについて、私は責任があります。(中略)ジェニファー・ローレンスには、私の軽率な行動について心から謝罪します。そして、この機会を学び、自分自身を改善し、いくつかのことを変えていくきっかけにしたいと思っています」と、彼は自身のYouTubeチャンネルで公開した動画の中で述べた。
その後、アメリカ人ブロガーはメディア出演のたびに謝罪を繰り返し、自分がセレブたちを追い詰める「有害なメディア文化」に加担していたことを悔いていると語った。その中でも、特に彼がかつて標的のひとりとして頻繁に取り上げていたブリトニー・スピアーズへの影響を振り返っている。振り返ると、俳優ヒース・レジャーが2008年、処方薬の偶発的な過剰摂取によって悲劇的な死を遂げた後、ペレス・ヒルトンは「Why couldn’t it have been Britney?(なぜブリトニーではなかったのか?)」というスローガンをプリントしたTシャツを販売した。当時、ブリトニー・スピアーズは精神科の病院に入院しており、その後、父親ジェイミー・スピアーズの後見制度下に置かれることになった。
近年、ペレス・ヒルトンは自身のブログで、以前のような過激なゴシップ中心の発信から離れ、より穏やかな内容を発信するようになっていた。ブログは現在も存続しているものの、読者数は減少している。3人の子どもの父親となった彼は、主に家族との生活に意識を向けるようになり、スキャンダルやゴシップからは徐々に距離を置いていった。入院する1か月前、彼は家族の近くで暮らすために最近マイアミへ引っ越したことが原因で、「不安な気持ち」や「心の不調」を感じていると明かしていた。「マイアミへの引っ越しに圧倒されていて、自分にとって良いと分かっていることを何もできていなかったから、少し負のスパイラルに陥っていました」と、彼は6月26日、「再びお酒に陥ってしまった!」と題したYouTube動画の中で語った。その後、彼はジムに通ったり、信仰を深めたりすることで、心身の状態を改善しようとしていると説明した。
ペレス・ヒルトンは今年初めにも、命の危機に直面していた。インフルエンザに感染したことをきっかけに、症状が悪化し、「潰瘍、そして敗血症」へと進行したためだ。「敗血症は悪化し続け、私の体はどんどん衰弱していきました」と、彼は昨年3月、インスタグラムで明かしている。「そしてある夜、心拍が異常に速くなったため、緊急入院しなければなりませんでした。医師たちは私に治療を施す必要がありました。その後、病院で別の感染症にもかかってしまいました」と説明した。この経験は彼にとって大きな心の傷となった一方で、自分の人生に神が常に存在していることを気づかせるきっかけになったという。「あの経験は私にとって本物の転機となり、人生を変えました。本当に感謝しています。毎週、子どもたちを教会に連れて行くのが楽しみです。そして、神が実在することをいまは確信しています。信じるために希望を持つ必要は、もうありません」と語っていた。しかし残念ながら、彼の信仰、あるいは単に心の安定は、再び彼のもとから離れてしまったようだ。そしていまや、皮肉にも自らが世間の注目にさらされる存在となっている。
From madameFIGARO.fr
※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
- text: Solene Delinger (madame.lefigaro.fr)
- translation: Hanae Yamaguchi