シビラを生んだ光と風、心地よさのキーワード。-Sanctuary マヨルカ島にある夢の家で。
Fashion 2017.10.20
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いつか見た楽園を探してたどり着いたオリーブの高台、光あふれる修道院。ここはシビラの安らぎの場所、そして創造のエネルギーをもらう場所。
世界遺産の絶景が点在する地中海の島、マヨルカ。シビラが暮らすのは、北西に位置する小さな村デイアだ。
「私にはその家が、こう言っているように思えたんです。〝もう一度生きてみたい〟って」
シビラが、21歳の時だった。幼少期の夏を過ごしたスペイン南部の街ミハスの面影をいつも探していたという彼女は、ついに地中海の島マヨルカの小さな村に、その面影を見つけたのだった。
「私はデイアに恋をした。そして、村の高台の家を持つために、一所懸命に働いたの」
そうして手に入れたのが、14世紀に建てられた古い修道院。石造りの室内は真夏でもひんやりとし、13室のベッドルームはどれもシビラならではの美しいリネンでしつらえられていた。眼下には樹齢数百年を超える巨木のオリーブ郡が広がり、穏やかな海には白帆の舟が浮かぶ。抜けるほど青い空が夕刻に淡いピンク色のベールを纏う頃、どこからともなくバグパイプの音色が聞こえてくる、穏やかな渓谷の村。
この家でふたりの息子の子育て期を過ごしたシビラ。自ら菜園を作り、子どもたちとヤギやニワトリを飼った。その生活はまるで、余計なものが一切ないシビラのドレスのような、心地よさを全身に纏うような豊かな暮らしだったに違いない。シビラが〝クリエイションの部屋〟と呼ぶ最上階の白い一室には家具はなく、風景を切り取る小さな窓から一日中光が差し込んで、さまざまな美の形を作り出していた。
「この家には修道士たちの魂が生きています。いま、多くの人がこの家を訪れて、修道士のように仕事をし反映し、美しい瞬間を分かち合っています」
生き方をデザインする空間。
現在この家を教え学べる場所として提供しているシビラは、自然環境、食、農業、教育などをテーマに「Education for Life」というイベントを開催。彼女が根源に持つエシカルな思想は、この家での教育活動に発展を遂げ、数々のコラボレーションにも通じている。
「マヨルカ島は、私が私でいられる場所。デイアに降り注ぐ光は、信じられないほどの大きな効果を生みます。私はいつだってここで充電をするんです」
豊かな暮らしを描き、生き方そのものを作り出すことは、シビラにとって服をデザインすることと同じなのだ。
イトキン カスタマーサービス
tel:03-3478-8088
www.sybilla.net
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photos : ALEKSANDRA OLEJNIK (SPAIN), TISCH (UM / MANNEQUIN), stylisme : CHIKAKO AOKI (MANNEQUIN), maquillage : YUMI ENDO (eight peace / MANNEQUIN), coiffure : JUN GOTO (MANNEQUIN), réalisation : MIKI SUKA