メーガン・マークルも愛用! 誰もがル・クルーゼに夢中になる理由。
Lifestyle 2025.06.12

1925年の誕生以来、家庭の必需品として愛されてきたル・クルーゼのココットが、メーガン・マークル、セレーナ・ゴメス、シリル・リニャックのキッチンで目撃されたことをきっかけに、その人気が再燃している。その魅力の秘密に迫る。
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Netflixで放送されたメーガン・マークルのライフスタイル番組「With love, Meghan」で、キッチンのコンロの上に置かれたそのココットは、おばあちゃんの台所で見たことがあるような、時代を超えた親しみやすいシルエットをしている。それはもちろん、ル・クルーゼの鋳物ホーロー鍋である。1925年にフランス北部の村、フレノワ・ル・グランで誕生したこの鍋は、火山のような特徴的な色をしており、料理愛好家やシェフ、そしてセレブリティたちの間で愛されるアイテムとして地位を確立してきた。
メーガン・マークルもル・クルーゼのココットに魅了されたひとりだ。彼女が番組で使用した白い鍋に、ネットユーザーは注目した。TikTokでは、ハッシュタグ#lecreusetmeghanが作られるや、ル・クルーゼのファンが、両手鍋からフライパン、卵焼き用のパン、グラタン皿に至る、多様なコレクションをシェアする動画が次々と投稿されたのだった。実際、ティーンエイジャーたちは、最新のファッションアクセサリーのようにル・クルーゼのキャセロールディッシュを買い求めているが、それらは2020年代の冒頭からキッチンに欠かせないトレンドアイテムとなっている。なぜなら、キャセロールディッシュのデザインは変わっていなくても、そのイメージは進化を遂げているからだ。
「主婦を台所から解放する」
「主婦を台所から解放する」という2人のベルギー人の発想から生まれたル・クルーゼのココットは、特徴的な色彩と高品質な性能をもってして、裕福な家庭に定着した。しかし、いくら人気があったとしても困難は避けられなかった。1988年、創業者の不適切な取引によって、ル・クルーゼの工場は倒産の危機に直面したのだ。その後、南アフリカの億万長者の実業家ポール・ファン・ザイダムが登場するのだが、87歳でこの企業を買収した彼は、伝統技術を守りながらもブランドのイメージを完全に刷新したのだった。
1996年、ル・クルーゼは最初のモデルのタイムレスなデザインを守りつつ、時代に合わせてさまざまな新製品を発売していく。そうして少しずつカラーバリエーションとラインナップを拡大し、テーブルウェアの分野にも進出した。しかし何より、積極的にパートナーシップ提携に基づくブランド戦略を展開している点に注目すべきだろう。ル・クルーゼの製品は、人気シェフ兼パティシエのシリル・リニャックが出演する「Tous en cuisine」や、「Top Chef」のコンテスト、さらにはセレーナ・ゴメスの料理番組「Selena + Chef」のセットにも登場している。
スター・ウォーズとハリー・ポッターのココット
さらに、ル・クルーゼは、映画の世界にも投資しており、『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』といった大ヒットシリーズだけでなく、ポケモン、ミッキーマウスとの限定コラボアイテムをリリースしている。「これらのコレクションは、ル・クルーゼの国際的な知名度を高め、世界中の愛好家を魅了しました」と、同ブランドはル・パリジャン紙のコラムで喜びを語っている。
またル・クルーゼは、ハロウィーン用のカボチャの形をしたココットや、バレンタイン用のハート形のココットなど、季節に合わせたコレクションも発表。この戦略は成功を収め、2020年代初頭には新たな世代がこのブランドを再評価する動きが生まれている。そうして同ブランドのココット鍋を所有することは成功の象徴となり、200ユーロから600ユーロの価格で販売されているのだが、ファン離れが起こることもなく、現在でも彼らは誇りを持ってコレクションをSNSで発信し続けている。
From madameFIGARO.fr
text: Alexandra Marchand (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto