『くまのプーさん』出版100周年! ロンドンを飛び出し、物語の舞台「100エーカーの森」を巡る旅へ。

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アッシュダウン・フォレストは、ロンドンから南におよそ50kmの場所に位置する、約6500エーカーの広大な丘陵地帯。古くから王侯貴族の狩猟場として知られ、特にヘンリー8世のお気に入りの狩場だったという。その名残なのかいまでも多くの野生の鹿が暮らしている。

現在イギリスは春を告げる花ブルーベルの季節。アッシュダウン・フォレストのなかも紫の絨毯を敷き詰めたよう!

1925年、作家のA.A.ミルンはアッシュダウン・フォレストの北側の小さな村ハートフィールドにあるコテージ、コッチフォード・ファームを別荘として購入し、休暇のたびに妻と息子のクリストファー・ロビンとともに訪れていた。

クリストファー・ロビンとくまのぬいぐるみプーのポートレイトの絵葉書。ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーのショップで購入。

そして近隣に広がるアッシュダウン・フォレストをモデルにした「100エーカーの森」で、クリストファー・ロビンが彼のお気に入りのくまのぬいぐるみプーとその仲間たちと繰り広げる冒険の物語『くまのプーさん』を執筆。今年はその初版本の発売から100周年。イギリスの各地で記念イベントが開催中だ。

イギリスの子どもがいる家庭の本棚には『くまのプーさん』が並んでいることが多いと思う。我が家は代々受け継がれて読まれてきた古い本がシリーズで揃っている。

アッシュダウン・フォレストの中に建つラグジュアリー・ホテル、アッシュダウンパーク・ホテルでは記念イベント「100エーカーの森トレイル」が楽しめる。今回は、実際に物語の舞台を巡った体験記をお届け。

19世紀に建てられたマナーハウスの建物が豪華なアッシュダウンパーク・ホテル。ロンドンからは列車とタクシーでおよそ1時間30分の距離にある。「100エーカーの森トレイル」は建物周辺に広がる森のなかを歩く
photography: courtesy of ELITE HOTELS – ASHDOWN PARK

ホテルのレセプションで地図を受け取って庭からスタート。ルート上には物語を元に作られたプーやピグレットの家、シックス・パイン・ツリーなどのスポットが散りばめられている。

「100エーカーの森トレイル」の地図。
ところどころにある目印に従って歩けば、迷うこともないので安心!

コースは1.88kmと、小高い丘を登ってアッシュダウン・フォレストが一望できる絶景ポイントを含む4.1kmの2種類。クリストファー・ロビンとプーが居た風景をより体感したいのならば4.1kmのコースがおすすめだ。本の挿絵を担当した画家のE.H.シェパードはアッシュダウン・フォレストを何度も訪れたと言われているが、まさに彼が描いた鬱蒼とした森、神秘的な池、緑の丘などの情景が目の前に広がって、プーたちと共に散策するような楽しさを満喫できる。

赤いドアが可愛い、プーの家。
意外に大きなピグレットの家。
クリストファー・ロビンたちが歩く姿が目に浮かぶような森の小道
ところどころにベンチがあるので、一息入れながら風景を楽しむこともできる。

トレイルのあとはホテルの「ハニーポット・アフタヌーンティー」へ。ハチミツでローストしたハムのサンドイッチや、ハチミツとオレンジのケーキ、チョコレートとハニカムのシュークリームなど、おいしいハチミツづくしを堪能。スモールサイズの子ども向けアフタヌーンティーがあるのもうれしい。

「ハニーポット・アフタヌーンティー」38ポンド(約7,200円)〜 photography: courtesy of ELITE HOTELS – ASHDOWN PARK

いまでも大切に残されているクリストファー・ロビンとプーたちの冒険の森で、物語に思いを馳せて特別なひとときを楽しみたい。

在英ライター。得意ジャンルはアート、デザイン、ファッションなどカルチャー・ライフスタイル全般。近年はサステナビリティ、エコロジー、インクルージョンにも興味あり。好きなものはコットンポプリン、ギャバジン、ウールメルトン、手仕事、音楽、美術館と博物館、紙の読みもの。