【シンガポール旅】3ツ星からプラナカン料理まで。ファインダイニングで過ごす特別な時間。

Lifestyle

アジア随一のハブ港を持つ貿易大国シンガポールは、レストラン&美食の宝庫。世界各国から届く食材と、さまざまなバックボーンを持つ一流シェフたちが生み出す、個性豊かな料理を召し上がれ。


Odette|オデット
世界の美食家を魅了するデスティネーションフレンチ。

店はナショナル・ギャラリー・シンガポールの1階にある。キッチンまで見通せるダイニングは、昼間は自然光がたっぷり入り居心地がいい。

ミシュラン3ツ星を誇り、過去にアジアのベストレストラン50でトップになるなど、ファインダイニング界を牽引してきたオデット。オーナーシェフのジュリアン・ロワイエは4代続くフランスの農家出身で、さまざまな食材や自然に触れ、感性を磨いてきた。タッグを組むマレーシア出身のアダム・ワンシェフと生み出すコースは、世界中から毎日届く肉や魚、スパイスをフレンチの技法で昇華させたもの。バターでゆっくりと火を通したスコットランド産ロブスターは、ユズと日本酒を使ったソースに京都味噌とエンダイブ、木の芽を添えて。鳩のコンフィには、ヘーゼルナッツのプラリネと爽やかなカンボジア産の黒コショウを合わせて。故郷フランスに軸足を置きながら、和食のような軽やかさと東南アジアのエキゾティシズム、多彩なエッセンスが感じられ、料理で旅しているような気分になれる。この店のためにシンガポールを訪れるグルマンが多いのも納得だ。

ランチ368Sドル~、ディナー498Sドル~のコースから供される、ミキュイに仕上げて甘やかさを引き出した「Scottish Blue Lobster」
左からワンシェフ、ロワイエオーナーシェフ。常に世界の食材をリサーチし、巧みに活用。名シェフながらフレンドリーな人柄にファンも多い。

Odette
National Gallery Singapore, 1 Saint Andrewʼs Road, #01-04,178957
tel:9822-8283
Ⓜ︎CITY HALL
営)18:30~20:00最終入店(月) 12:00~13:00最終入店、18:30~20:00最終入店(火~土)
休)日 ※ほか不定休あり
要予約
https://odetterestaurant.com/


Meta Restaurant|メタ・レストラン
韓国のエスプリ感じる清らかなコース。

2023年にいまの場所に移転。文化財であるコロニアルなショップハウスを改装した。

韓国出身のキム・スンは、ソウルをはじめシドニーのテツヤズなど、さまざまな国のあらゆるジャンルを経験してきた気鋭シェフ。2023年からリスタートを切ったメタでは、彼のバックボーンがすべてコースに落とし込まれている。海鮮を使った前菜は韓国のネンチェ(冷たい和え物)をインスピレーション源に、春の山菜と出汁のジュレ、ビネガーとマスタードを合わせ、和と洋と韓国が三位一体となった逸品。多国籍国家だからこそメタモルフォーゼできる、唯一無二の料理を目指す。

 左:料理はすべて、時季によって替わるランチ248Sドル~、ディナー328Sドル~のコースから。マグロ、タコ、エビと山菜をマリネした冷前菜の「Tuna」 中:フラン(洋風茶碗蒸し)の上にチリ&芹オイルと白子をのせ、まろやかさの中に韓国特有のスパイシー感を利かせた「Flan」 右:3日間熟成させたサワラは、皮側を燻製に。骨から取った出汁とバターを合わせたソースがコクをプラスする「Sawara」
オープンキッチンに立つキムオーナーシェフは釜山生まれ、ソウル育ち。原点は母が経営するカムジャタンの店。メタは現在、2ツ星を獲得。

Meta Restaurant
9 Mohamed Sultan Road, 238959
tel:9233-9721
Ⓜ︎FORT CANNING
営)17:45~20:30最終入店(火~木) 12:00~13:00最終入店、17:45~20:30最終入店(金、土)
休)日、月
要予約
https://metarestaurant.sg/


Dill|ディル
スカンディナビア発、スターシェフの新境地。

シンガポール店は2025年にオープン。

オスロで星付きレストランを展開していたシェフが、心機一転シンガポールへ移住。Yチェアやルイスポールセンの照明が配された北欧らしいインテリアが心地いい。供するのもオスロ時代と変わらず正統派スカンディナビア料理。ノルウェーから取り寄せた手長エビは発酵リーキソースが添えられ、酸味が印象的。引き算に近い発想で作られた料理は一見シンプルだが、素材本来の味や滋味深さが伝わり、日本人の口にフィットする。

料理はすべて6皿180Sドルのコースから。 左上:手前から、キャラメリゼした甘味のあるニンジンに、フォーム状にしたコンテソースを添えた「Carrots, Comté, Caraway」、シュー生地にニシンやサワークリームを詰めたスナック「Gubbröra」。ワインペアリング(95Sドル~)もおすすめ。 右上:発酵リーキソースと合わせた手長エビ「Langoustine, Leek, Parsley」 上:シグネチャーのワッフル「Waffle with Löyrom」(+32Sドル)はニシンの卵とサワークリームの塩味がポイントに。
二人三脚で店を率いるダニエル・ハスヴォル・ユング‒エルドイシェフとパートナーのアナ。

Dill
33 Duxton Road, 089497
tel:8791-1876
Ⓜ︎MAXWELL
営)17:00~21:30L.O.(水) 12:00~14:00L.O.、16:00~21:30L.O.(木、金) 16:00~21:30L.O.(土)
休)日、月、火
要予約
https://www.dill.sg/


Burnt Ends|バーント・エンズ
火の魔術師による、最高峰バーベキュー料理。

約10mの天井高を誇る空間にロックが流れる。ネピア駅からバスかタクシーがベター。

軍隊の兵舎だった空間を改装したダイナミックな空間で供するのは熾火(おきび)料理。操るのは、オーストラリア出身のデイブ・ピントオーナーシェフ。バスクの山間にあるアサドール・エチェバリで修業をした人物だ。オーストラリア産のワギュウを64日間ドライエイジングし、何回も休ませながら熾火で焼くことで、まわりはクリスピーに、中心部はジューシーかつモイスチャーな仕上がりに。すべてオーストラリア産というソムリエ厳選の赤ワインと味わいたい。

料理は手前から時計回りに、マグロの赤身のような味わいの「64 Days Dry Aged Blackmores Cube Roll」1kg 780Sドル、燻製香がする「Smoked Egg Tart Caviar」78Sドル、上にトビコをのせて食感をプラスしたブルーオマール(左)「W.A. Marron, Tobiko and Kombu Beurre Blanc」170Sドル、コショウを利かせた「Rib」1kg 680Sドル。赤ワインはグラス24Sドル~
肉が仕上がる様子をカウンターで眺めるのも至福の時。

Burnt Ends
7 Dempsey Road, #01-04, 249671
tel:6224-3933
Ⓜ︎NAPIER
営)18:00~22:30L.O.(火、水)12:00~14:00L.O.、18:00~22:30L.O.(木~土)
休)日、月、旧正月
要予約
https://burntends.com.sg/


Pó Restaurant|ポー・レストラン
彩り豊かなコースで多民族の味を知る。

ザ・ウエアハウス・ホテルの1階。ホテル内のバーから供するオリジナルカクテルも美味。

シンガポール川沿いの元倉庫を活用したホテルのメインダイニング。“多民族の味を楽しむ”というコンセプトのもと、中国、マレーシア、インド、プラナカンなどの郷土料理をミックス&アレンジ。興味深いのがホーカー(屋台)の定番ポピア。カジュアルなハンドフードを彩り豊かにアップデートした品。手焼きの生地に野菜の煮込みや錦糸卵、レタスなどを包んで食べるスタイルで、甜麺醤や魚粉等で自己流にアレンジできるのもうれしい。

「Popiah」36Sドル。写真のクラシックポピアのほか、ベジタリアン向けもある。
サンバル、タマリンドなどで味付けした魚のバナナリーフ焼き「Ikan Oelek」(時価)。魚は日替わりで写真はフエダイ。バタフライピーご飯と牛ほほ煮込みとともに。

Pó Restaurant
The Warehouse Hotel, 320 Havelock Road, 169628
tel:8971-3968
Ⓜ︎HAVELOCK
営)12:00~14:30L.O.、18:00~21:30L.O.
無休
要予約
https://www.po.com.sg/

●1シンガポールドル(Sドル)=約125円(2026年7月現在)
●日本から電話をかける場合、シンガポールの国番号65の後、掲載表記どおりかけてください。シンガポール国内では掲載表記どおりかけてください。
●各紹介アドレスのデータ部分のⓂ︎は地下鉄の駅、Ⓢはセントーサ・エクスプレスの駅を示しています。
●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間など、取材時から変更になる可能性もあります。店や施設によって、別途サービス料等がかかる場合があります。ご了承ください。

  • photography: Aya Kawachi
  • collaboration: Singapore Tourism Board

*「フィガロジャポン」2026年6月号より抜粋