大阪・関西万博フランス館、アルザスワインの魅力に迫る展示は必見!

Gourmet 2025.06.30

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記録的な入場者数と、その展示内容でも話題になっている大阪・関西万博。各国が「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマにそれぞれの提案を示す今回、「愛の讃歌」を掲げたフランス館の中でもアルザスワインにフォーカスした展示に注目。来日したアルザスワイン委員会のメンバーに、アルザスの奥深いテロワールについて語ってもらった。

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左から「ヴィラ・ルネ・ラリック」シェフ・ソムリエのロマン・イルティスと、醸造学者のティエリー・フリッチ。

フランスといえば「フランスのガストロノミー」がユネスコの無形文化遺産に登録されているほどの「美食の国」。単なる食事としてではない、食文化そのものを愛する姿勢が万博での展示にも反映されている。中でも、食を進めていく上でとても重要視されるのがワインだ。

今回の展示に選ばれたのがアルザスワイン。来日したアルザス、ロレーヌ、シャンパーニュ=アルデンヌを包括するグラン・テスト地域圏議長のフランク・ルロワはこう語る。

「フランスを代表するワインとして、第一に名前が上がるのがシャンパーニュです。しかし、シャンパーニュはその地域としてすでに知名度を持ち、またそれぞれのメゾンが世界中に自分たちの商品を展開してさまざまな取り組みを実施しています。それに比べ、アルザスワインは味わいやクオリティの高さは間違いないのに、まだ知られていないと言っても過言ではありません。パビリオンを訪れたすべての人に、アルザスの奥深い魅力を知ってもらいたいのです」

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アルザスワインを育む、地層と地質に迫る展示。

アルザスワインの展示スペースの入り口は土壁のような設えになっており、ゲストたちはさながらブドウ畑の地中に潜っていくような雰囲気を感じる。ここでテーマになっているのは「アルザスの地層と地質の多様性」だ。来日したアルザスワイン委員会のメンバーで醸造学者のティエリー・フリッチはこう語る。

「アルザスはとても多様で複雑な土壌で構成されており、それによってワインに多様性が生まれます。ゲストはブドウ樹の根になったつもりで土壌の下に入っていき、この地質の重なりを感じるのです。栄養豊かで水分のある土を求め、ブドウは年月をかけて深く潜っていきます」

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パビリオンの中のアルザスワインのブースにて。入口と出口はアルザスワインのボトルの形に彩られ、さながら「ワインの中にたゆたう」体験が味わえる。

その後、アルザスワインの特徴的なフリュートボトルの形をした入口から、ブドウのような象徴的なモビールが吊るされた部屋へと移動していく。ゲストは根からブドウ、そしてワインの液体となり、グラスの中に注がれた雰囲気が醸される。

「中央に吊るされたプロダクトは、地層からあらゆるものを吸い取って結実したブドウのシンボルです。しかし、それだけではワインは完成しません。時期を見極め、人間の手で摘み取られ、醸造のプロセスを経て、黄金がかった宝石のようなワインに変化する。ワインとは、手作業から生まれたサヴォアフェールな芸術品なのです」

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日本食にも合わせたいアルザスワイン

展示を体験した後、実際にアルザスワインを楽しめるのがフランス館4階にあるビストロだ。

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フランス館4階にあるビストロ。シーズンごとにワインリストが入れ替わり、アルザスワインを中心にさまざまな生産者のワインが味わえる。

この日は特別に、アルザスワイン委員会のメンバーとして、ミシュラン2ツ星レストラン「ヴィラ・ルネ・ラリック」のシェフ・ソムリエ、ロマン・イルティスが来日。テイスティングとともに、アルザスワインの魅力を語ってくれた。

「まずはシャンパーニュと同じ製法で造っている『クレマン・ダルザス』から始めましょう。クレマンとはフランス語で"泡"のこと。近年、このクレマン・ダルザスが頭角を現し、シャンパーニュにも匹敵する魅力を放っています。泡は繊細、膨らみがあり、煌めきがあり、食事を始めるにはとても素晴らしいチョイスです」

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2012年にはフランス最優秀ソムリエに選出されたイルティス。ソムリエとしてM.O.F.(フランス国家最優秀職人章)も保持するベテランだ。

「アルザスでは生産量の90%が白ワインで、中でも最も作付面積が多いのがリースリングです。ブドウ自体に豊かな甘みと酸味があるのが特徴の品種ですが、辛口、さっぱりしたワインに仕上げる生産者が増えてきました。フローラルな香りで、ワイン初心者の方にもおすすめです」

アルザスのワインはボリューム感が大きく、酸味がしっかりとしている、口に含んだ時のアタックがとても重要なのだ、とイルティス。

「テロワールにも特徴があります。特にアルザスでは、気候や土壌を区別した"リューディ"という制度を設けていて、品質の良い単一品種で造られたワインにその名を冠することができます。たとえばこちらは花崗岩が特徴的な畑のリースリングです。ちょっと塩味を感じませんか? スモークサーモンに合わせてみてください」

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会場内で提供された、アルザスワインと食のペアリング。

口いっぱいにレモンやライムのような柑橘が広がり、その後にキュッと引き締まるような余韻が残る。スモークサーモンの塩気にもぴたりと寄り添うペアリングだ。

「今度は石灰質のテロワールのリースリングを試してください。余韻がしっかりしていて、水平に伸びていくイメージがわかりますか? たとえば花崗岩のほうのワインにはマリネなどを合わせ、石灰質のほうには白身魚のフライを合わせたい。日本食だったら、最初のほうには刺身、2番目には天ぷらでしょうか。海鮮をよく使う日本の料理に、アルザスの白ワインはとても合うと思いますね」

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気候変動でも変わらない、ワイン造りの真髄。

冷涼地として知られるアルザスだが、近年の気候変動の影響はやはり気になるところ。だが、「対策によっては悪い面ばかりでもない」とイルティスは語る。

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ピノ・ノワールに生ハムやサラミを提案するイルティス。胸につけたソムリエバッジはラリックのガラス工芸だ。

「もともと少量ながらピノ・ノワールの生産もありましたが、これまでは軽すぎる印象でした。しかし近年は夏の温度が上がり、フルーティでしっかりしたワインができるように。たとえば和牛の赤みの旨味を引き立て、脂身のくどさを抑えてくれるようなワインに仕上がっていると思います。また、大阪はイチゴが特産品だと聞きました。ピノ・ノワールとイチゴの組み合わせはとても最高です(笑)」

「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマも含め、イルティスはこうも続ける。

「自然派ワインを造る人たちにとって、温暖化は良いチャンスかもしれない。変動する環境に適応していくということは、ブドウそのものの力が高まるということにほかならないからです。もちろん、伝統的な品種の生産や提供を続けたいとは思いますが、醸造家にとって課題は大きい。でも、ヴィンテージというものは気候変動の有無に関わらず毎年、違うもの。15年くらい後に、きっといまやっていることの答えが出るはず。アルザスという土地の進化を伝えられるワインを、これからも届けていくのが私たちの仕事です」

アルザスワインについて詳しく知る

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