バスク地方、サンセバスチャンとビルバオで訪れるべきバル&グルメスポット5軒。

Travel 2026.04.03

ギャンブル五月

ヨーロッパ各地に散らばる友人たちをサンセバスチャンに集めて、賑やかに誕生日を祝ったのは3年前のこと。そのとき駆けつけてくれた友人の一人であるアーロンが、自分のバースデーも同じように祝うから、またサンセバスチャンに集合!と声をかけてきた。こうして総勢11人、大人の修学旅行のようなイベントで訪れた3月のバスク地方。今回は、サンセバスチャンとビルバオで出会った心に残るスポットを5つご紹介します。

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① Victor Montes(ビルバオ)|アンチョビのバター添え

ビルバオ空港に降り立って真っ先に向かったのが、生粋のバスク人で学生時代の旧友アイトールが暮らすビルバオ市街。目的は、ヘミングウェイも足繁く通ったという1849年創業の歴史あるVctor Montesにてのランチ。

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充実したワインセラーでも知られる名店。

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彼のおすすめでオーダーしたのは、いまが旬の真っ只中、カンタブリア海産のアンチョビ。スペインでも最高峰クラスと言われるこの一品、ミニ鉄棒みたいなオブジェにぶら下がって登場。この意外な演出と、惜しみなく塗りたくられたバターの存在感に目を奪われる。口に運ぶと、無塩バターの旨みとコクがアンチョビの塩気と重なり合って下の上で溶けていった。

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モダンアートの街で知られるビルバオらしいプレゼンテーションとも言える。

Víctor Montes
Pl. Berria, 8, Ibaiondo, 48005 Bilbao, Bizkaia, Spain
https://www.victormontes.com/

 

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② Gambara(サンセバスチャン)|きのこのソテー卵黄乗せ&マテ貝のソテー

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ビルバオを後にし、バスに揺られてサンセバスチャンへ。最初に向かったのは、アンソニー・ボーディンも愛したことで知られるGambara。前回ここで食べた、きのこのソテーに卵黄を落としたあの一皿がどうしても忘れられなくて、ほとんど駆け込むようにして店へ向かった私。

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一つ一つ食感も旨みも微妙に異なる4種類のキノコを、卵黄に絡めて味わう贅沢よ。こんなにシンプルな一皿なのに旨みがぎっしりと詰まっていて、私の中ではサンセバスチャンと言えばこれ、的な一品と言える。

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さらに大好きなマテ貝を頬張る人を横目で見て、すぐさまオーダー。新鮮なマテ貝をニンニクとオリーブオイルでさっと炒めただけの一皿なのに、貝らしからぬ、しゃきしゃきした食感に驚き。素材の良さを前面に押し出して余計な味付けを施さない、バスクの食の美学を思う存分楽しめるメニューが並ぶ一軒です。

Ganbara
C. de San Jerónimo, 21, 20003 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, Spain
https://www.ganbarajatetxea.com/
https://www.instagram.com/ganbara.oficial/

 

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灰色のロンドンから訪れた11人の間で歓声が上がった青空と椰子の木コンビ。

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③ La Cuchara de San Telmo(サンセバスチャン)|子豚のスロ―ローストとフォアグラ

通りから少し奥まった場所に佇むLa Cuchara de San Telmoは、いつも賑わっている人気店。ここで必ずオーダーするのは、フォアグラ、子豚のローストとタコのグリル。

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まだ穀物を口にしたことのない乳飲み子豚のポークは皮がカリッと焼き上げられて、肉は驚くほどクセがなくてジューシー。タコのグリルはナイフがいらないほど柔らかく、日本の茹でダコとはまるで別物の食感に感動。フォアグラがまた秀逸で、外側は香ばしく、中はとろりととろける絶妙な火入れ。甘いソースとのバランスも見事としか言いようがない。焼きの技術が群を抜いている一軒なので、訪れたらぜひグリル料理を中心にオーダーすべし。

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厨房に火入れの天才がいるに違いない。

La Cuchara de San Telmo
Santa Korda Kalea, 4, 20003 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, Spain
https://www.labicidesantelmo.com/

 

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④ The Loaf/Bassk(サンセバスチャン)|バスクチーズケーキ

このサンテルモから歩いてすぐの場所にある、バスク・チーズケーキの発祥の地として名高い某バル。さんざんピンチョスを食べた後に、ここのチーズケーキで締めるのが定番コースと言われている有名店だ。でも実はここのチーズケーキ、あまり好みではないのが正直なところ。

高温度で焼くことで外側が焦げて中はトロッと半生、が特徴なのは重々理解しているのだけど、どうしても"Uncooked flour(焼ききれていない小麦粉の味)の風味"を感じてしまう。それがこのケーキの魅力だとは分かっていても、マグノリア・ベーカリーで経験を積んだ私の中では「個性」というよりも「生焼け」という印象が拭えないのです。

そこで向かったのはThe Loaf。前出のチーズケーキをルーツにしつつ、モダンに再構築したような一品で、クリーミーすぎない均整の取れた口当たりが高ポイント。あの"生焼け"風味も一切なし。店員さんに「あの有名店よりこっちの方が私は好みです」と伝えると、「でしょう? 実はグルテンフリーなんですよ」とのこと。もしかすると、小麦粉由来のあの風味を好まない誰かが開発したのかも?「元祖を超えた」なんて言うと少々大げさかもしれないけれど、まさに青は藍より出でて、なチーズケーキと言える。

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The Loaf
Zurriola Hiribidea, 18, 20002 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, Spain
https://www.instagram.com/theloafbakeries/

 

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⑤ Borda Berri(サンセバスチャン) |ビーフのほほ肉煮込み

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バスク産チーズ入りリゾットと牛ほほ肉の煮込みで知られる老舗バル、Borda Berri。いつもこの2皿ばかり頼んでしまうので、今回こそは違うものをと意気込んでメニューを眺めていたそのとき、背後から「牛ほほ肉、14皿で!」という豪快なオーダーが聞こえてきた。

思わず振り返ると、そこにいたのはミシュランシェフのジェイソン・アサートンとその団体様ご一行ではないですか。なんでもシェフ14人でサンセバスチャンの食を巡っているらしい。私は彼しか分からなかったのだけど、食通のアーロンは「ニーベス・バラガン・モハチョ!それにスペンサー・メッツガーも!」と大興奮。誕生日祝いにハグまでもらって、これ以上ないバースデープレゼントになったと大喜びしていた。

ミシュランシェフたちのお墨付きとなれば、このビーフ・チークが"必食"であることはもはや疑いようがない。結局今回も彼らに倣ってこれをオーダーする。コラーゲン豊富な牛頬肉は、長時間煮込むことで驚くほど柔らかな食感。赤ワインのソースも絶品なので、パンは必須案件です。あまりの慌ただしさに写真を撮るのを忘れたのでインスタグラムでどうぞ。

私たちは総勢11人、そしてミシュランシェフたちは14人の大世帯。それでもバルからバルへ予約なしで、わいわい食べ歩けるのも名店が凝縮されたサンセバスチャンならではの魅力。

Borda Berri
Fermin Calbeton Kalea, 12, 20003 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, Spain
https://www.instagram.com/borda_berri/

 

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おまけ|旬のアーティチョーク 

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ちなみに3月は大好物のアーティチョークが旬。どのバルのメニューにも並んでいたので、気づけば毎回オーダーしていたかも。毎回どうしても野菜不足になりがちなサンセバスチャンで、この春野菜は救世主的な存在だった。

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どんなに混み合うバルでも軽やかに客をさばくスタッフの手際のよさや、オーダー通りにピンチョスを次々とサーブしていくチームワークには毎回感心してしまう。不思議と安心感さえ湧いてくる、接客レベルの高さと無駄のない所作。サンセバスチャンが日本人を魅了して止まない理由の一因は、こうした感覚の近さにあるのかもしれないーーそんな思いを抱いた大人の修学旅行でした。

パート2では、サンセバスチャンのお土産5選をご紹介します。

text:Satski Gamble

ギャンブル五月

ニューヨーク州立大学卒業後、ウェストヴィレッジのマグノリア・ベーカリー本店にて6年間腕を磨く。ロックバンドのメンバーとして2度の全米ツアー後、渡英。現在は、田園風景が広がるロンドン郊外はケント地方、『Garden of England(イギリスの庭)』に暮らす。著書に『ニューヨーク仕込みのカップケーキデコレーション』『イギリスから届いたカップケーキデコレーション』(SHC)。日本カップケーキアカデミー代表。
Instagram:@satskigamble

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