ミステリージョイのジュエリー、鏡の向こう側の世界へと。
Paris 2021.06.06
新型コロナがこの世を席巻し、 にわかクリエイターが世界のあちこちで増えている感がある。刺繍、ジュエリー、陶器などひとりでも始められる新しい仕事へと多くの女性たちが転身を図った結果だろう。アマチュアブランドが多く生まれる中で、それとは一線を画す本格的なクリエイションの誕生を目にするのはとても気持ちがよい。
5月末、ジョイ・トレダノのファインジュエリーブランド「Mysteryjoy(ミステリージョイ)」がお披露目された。パリの高級ジュエラー「Elise Dray(エリーズ・ドレー)」のメゾンで修行をしたジョイ。アントワープで合成ダイヤモンドに出合った彼女は、宝石鑑定の資格を取り……しっかりとしたアイデンティティを持つ自身のブランド創立に向けて着々と準備をした。自分のDNAを生かしたクリエイション。それは子どもの頃から大好きだった童話の世界にインスピレーションを得たジュエリーだ。童話に込められた神秘、幻想、夢……ときには心をちょっぴり不安にさせるような面も。
5月末にお披露目されたジョイ・トレダノ(左)によるジュエリーブランドMysteryjoy。
ブランドの世界を見事に表現するキャンペーン写真。ジョイの義姉ジュリアのシューズブランドであるノダレトと同じく、クリエイティブディレクションはオリヴィエ・レオーネが担当した。photos:Elizaveta Porodina
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ジョイはミステリージョイというブランドを一冊の本に例え、ファーストコレクションを第1章と呼んでいる。「不思議の国のアリス」の世界が感じられるジュエリーの数々で、3章に分けられていて、カードやサイコロがモチーフのゲーム・イリュージョン、鍵、霊薬などをモチーフにしたマジック・シークレット、そして3つ目はマイ・オウン・カード・ゲームだ。モチーフが浮いて見えるように透明なナイロン糸をリングやブレスレットに用いたり、ミラーを指輪にはめこんだりというアイデアもおもしろい。環境への意識が高い彼女は、鉱山からの石は一切使用しない。18金は用いるが、ダイヤモンドは合成ダイヤモンドを使用し、カラフルなプレシャスストーンの代わりにラッカーによりジュエリーに色彩を持たせる。
オンラインショップでの販売に加え、ボンマルシェで5月19日から開催が始まった「太陽光線」展でも魔法使いジョイによるジュエリーは購入が可能だ。パーソナライズができるアイテムもある。
左から、1,980ユーロ(ピンキーリング)、4,860ユーロ、595ユーロ、2,290ユーロ。
左から、9,990ユーロ、5,790ユーロ、2,330ユーロ。
ブレスレット。左は1,660ユーロ。中と右は価格未定。
左から、2,580ユーロ、価格未定、2,450ユーロ。
réalisation : MARIKO OMURA