初公開写真も! ラ ギャラリー ディオールでピーター・リンドバーグ展。

Paris 2024.12.25

モンテーニュ大通りのディオール本店の裏手、ラ ギャラリー ディオールは開館以来世界中からディオールのファン、モードファンを集めている。特別展のテーマが変わるだけでなく、常設テーマの中でも展示のドレスがさりげなく変わっていたりするので、定期的に訪問したいパリのアドレスのひとつだ。

ギャラリーでは5月4日まで、ピーター・リンドバーグ(1944~2019年)が1988年から2018年にかけてディオールの服を着たモデルたちを撮影した100点以上の写真を展示して、ドイツ出身の偉大なる写真家にオマージュを捧げている。この大回顧展では、いまも人々の記憶に残るファッション誌のために撮影された写真もあれば、初公開の写真も展示。たとえば、2018年10月にニューヨークのストリートでディオールのメゾンによって独自に行われた撮影の写真だ。今回その貴重な撮り下ろし写真がプリントされて、会場で大勢の目を喜ばせている。写真の中で懐かしのトップモデルたちに出会えるというおまけも。

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テーマ「モンテーニュ大通り」の部屋の壁にもピーター・リンドバーグの写真を展示。©Adrien Dirand
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クリスチャン・ディオールに始まり、歴代の後継者たちを各1シルエットで時代順に紹介する部屋。リンドバーグ撮影の写真が壁を飾る。©Adrien Dirand

ニューヨークでこの撮影のために、クリスチャン・ディオールに始まり、イヴ・サン=ローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ、マリア・グラツィア・キウリという歴代のクリエイティブ ディレクターたちによる70年以上にわたるクリエイションから選ばれた80点を超えるアーカイブピースがニューヨークに輸送されたそうだ。ピーターはこの撮影を振り返り、生前、次のように語っている。「オートクチュールは完璧さやあらゆるディテールを極めるというイメージと密接に結びついていますが、私は70年にわたるディオールのクリエイションをストリートという意外な場所に持ち込むことで思いがけない感情を明らかにしかったのです」と。見せかけの美化は行わず、モデルたちの内面に秘められた個性を引き出すことで女性が持つ美しさを引き出していた力強いリンドバーグの写真は、ギャラリー内の10の部屋で見ることができる。最初はニューヨークの雑踏の中で撮影された「バー」ジャケット! 女性たちの魅力を讃えることに情熱を傾けたメゾン ディオールとリンドバーグの親和性に光を当てた展覧会だ。

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1947年、クリスチャン・ディオールによる「バー」ジャケット。その後方でピーター・リンドバーグが撮影した写真や映像が見られる。©Adrien Dirand
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2018年、ピーター・リンドバーグは亡くなる1年前にディオールのクチュールドレスを着たモデルたちをニューヨークのストリートで撮影。スティーヴン・キッドによるバックステージ映像が会場で流されている。©Adrien Dirand
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左: イヴ・サン=ローランによる1958年春夏クチュールコレクションのトラペーズラインのコート。ニューヨークではトップモデルのアンバー・ヴァレッタがこれを着て撮影された。 右: ジャンフランコ・フェレによる1991年秋冬クチュールコレクションより。photography: Mariko Omura
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リンドバーグの息子ジェレミー・ブロードベックが撮影したニューヨークでの特別シューティングのバックステージ写真も公開。photography: Mariko Omura
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ニューヨークで撮影された、マルク・ボアンによる1973年オートクチュール春夏コレクションのドレス2点。photography: Mariko Omura

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常設展の「ゴールド」のテーマでは、香水ジャドールの新しいミューズとなったリアーナがキャンペーンフィルム撮影で纏ったマリア・グラツィア・キウリによるストラップレスガウンとドレスが展示されている。また「ディオールを纏うセレブリティ」のテーマでは女優の新木優子が着たアンサンブルも、シャーリーズ・セロンやナタリー・ポートマンなどが着たディオールピースとともに見られるようになった。会場内の展示を見終わった後、出口に向かってコロラマ・ウィンドウを眺めながら螺旋階段を降りるのは至福の時間。ラ ギャラリー ディオールを満喫しよう。

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リアーナのガウンとドレス。背景に、ヴェルサイユ宮殿でスティーヴン・クラインによって撮影されたジャドールのキャンペーンフィルムが流されている。©Adrien Dirand
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新木優子が着た左のアンサンブルは2023年春夏クチュールコレクションから。右はシャーリーズ・セロンがヴァニティフェア主催のオスカーのソワレで着たドレス。2024年春夏クチュールコレクションより。photography: Marikoi Omura
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左: 展覧会の最後の部屋の後に続くのはカフェ。壁を飾るのはマッツ・ギュスタヴソンによる複数のイラストだ。 右: カフェスペースから下の出口へと、コロラマの色別ウィンドウのミニチュアに目を奪われながら螺旋階段を降りる。photography: Mariko Omura

La Galerie Dior
11, rue François1er 75008 Paris
営)11:00~19:00(最終入場17:30)
休)火、12月25日、1月1日
料)14ユーロ
https://www.galeriedior.com
※予約推奨

editing: Mariko Omura

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