パリ・オペラ座バレエ学校の生徒たちが7月、新国立劇場の「バレエ・アステラス」で踊る。

エリザベット・プラテルがパリ・オペラ座バレエの学校長となって20周年に当たる今シーズン。学校の上級クラス12名の生徒が7月18日、19日に新国立劇場で開催される第15回「バレエ・アステラス」に参加するために来日する。ここのところ学校公演の来日ツアーがなかったので、生徒たちの踊りを日本で見られる久々の機会だ。

パリでは毎年12月にオペラ・ガルニエで第6ディヴィジョンから第1ディヴィジョンまでクラスおよび男女別による「デモンストレーション」が行われる。午前が6〜4ディヴィジョンの低学年クラス、午後が3〜1ディヴィジョンの上級クラス。内容はバーレッスン、センターレッスンに加え、低学年はバロックダンスやパントマイムのレッスンがあり、上級学年はパ・ド・ドゥのレッスンも。パリ郊外ナンテールの学校で日頃どのように指導が行われているかが観客に披露されるとあって、オペラ・ガルニエの客席を埋めるのはパリだけでけでなくフランスの地方からやってきたバレエを習う子どもたちやバレエ学校の先生たちだ。これは学校にとっては優秀な生徒を集めることにおおいに役立つ場となる。たとえばカンパニーの団員で今年コリフェに上がり、ドゥミ・ソリストとして活躍しているレミ・サンジェール=ガスネールは幼い時に「デモンストレーション」を見て、ダンスをしたい!という気持ちが起きたそうだ。ほかにも彼同様の団員がいることだろう。

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1981年に『ジゼル』を踊ってエトワールに任命されたエリザベット・プラテル。1999年にオペラ座を去り、2004年にクロード・ベッシーを継いで学校長に就任した、現在の団員のほとんどが彼女の時代の生徒である。photography: David Elofer
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2024年12月のデモンストレーションから。写真は第6ディヴィジョン男子。天性の持ち主もいれば、これからどう進歩してゆくか楽しみな生徒も。photography: Svetlana Loboff/ OnP
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第3ディヴィジョンの男女生徒によるキャラクターダンス。photography: Svetlana Loboff/ OnP
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第1ディヴィジョン女子は10名。そのうち4名は昨年の卒業者である。教師は元エトワールのキャロル・アルボだ。photography: Svetlana Loboff/ OnP
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第1ディヴィジョン男子は昨年の卒業者3名を含め11名いる。こちらの教師は元エトワールのウィルフレッド・ロモリ。photography: Svetlana Loboff/ OnP

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上級クラスによる学校公演が行われるのは4月。今年はカンパニーのダンサーたちのように、4月27日のマチネ公演日の朝、生徒たちのクラスレッスンが公開で開催された。公演内容はアントニー・チューダー『Continuo』、オーギュスト・ブルノンヴィルの『ゼンツァーノの花祭り』のパ・ド・ドゥ、同じくブルノンヴィルの『ナポリ」からパ・ド・シス&タランテラ、そしてモーリス・ベジャールの『ギリシャの踊り』。異なるダンスのスタイルによる作品が組み合わされたバランスの良いプログラムだった。

公演「バレエ・アステラス」で踊られるのは、この中から『ゼンツァーノの花祭り』のパ・ド・ドゥ、『ナポリ』のパ・ド・シスである。2公演あり、12名の生徒が来日するということはオペラ・ガルニエでの公演時のように2配役で踊られるのだろうか。ガルニエの舞台では、しっかりとしたクラシックのテクニックを持つスター性のある生徒が何名かいた。カンパニーの団員としてのステージを見てみたいと思わせる彼ら。おそらく日本でも踊るだろう。未来のエトワール、発見に行ってみては?

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2025年4月の学校公演より。アントニー・チューダー『Continuo』。パッヘルベルの『カノン』に乗せて、流れるように軽やかで優美に踊られた。photography: Svetlana Loboff/ OnP
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『ゼンツァーノの花祭り』のパ・ド・ドゥ。photography: Svetlana Loboff/ OnP
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2007年にバレエ学校のレパートリーに入った『ナポリ』のパ・ド・シス&タランテラ。photography: Svetlana Loboff/ OnP
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『ギリシャの踊り』より。photography: Svetlana Loboff/ OnP
バレエ・アステラス
日程:2025年7月18日(金)14:00〜、19日(土)14:00〜
会場:新国立劇場
料金:S席¥9,900、A席¥8,800、B席¥6,600、C席¥4,950、D席¥3,300
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/asteras2025/

 

editing: Mariko Omura

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