パリ・オペラ座バレエ団のシーズン2026/27のプログラム。

3月26日、パリ・オペラ座バレエ団の来シーズン2026/27のプログラムのプレス発表がオペラ・バスティーユにて行われた。2022年12月に芸術監督に就任したジョゼ・マルティネスが100パーセント構成するプログラムの2シーズン目である。彼は今回もバランスを追求。来年夏から2年の予定で始まる工事前のオペラ・ガルニエでの、これが最後のプログラムだ。オペラ・バスティーユの工事は2030年からなので、ガルニエの工事終了を待つ間バレエの公演は外部劇場とオペラ・バスティーユで踊られることになる。シーズン26/27で踊られる古典が『ライモンダ』だけというのは、オペラ・バスティーユが大作向きの劇場ゆえ次のシーズンを鑑みてのことだ。

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オペラ・バスティーユの8階、パノラマ・ロビーにて発表会が行われた。photography: E.Bauer/OnP

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シーズンテーマはジュール・マスネのオペラ『Werther(ウエルテル)』の一節から、"un monde se révèle à nos yeux"(私たちの目に新しい世界が現れる)。photography: Mariko Omura

来シーズンも今シーズンと同じく、ミックス・プログラムはテーマが公演タイトルとなっている。新作はクリエイションが4作品とレパートリー入りが5作品、さらにジュニア・バレエ団のためのクリエイションが1作品、そしてレパートリー入りが2作品。つまり来シーズンはトータルで12の新しい作品が踊られることになる。多くの発見が待つ1年間と言えそう。とはいえ、12月の公演プログラムが両劇場とも、『くるみ割り人形』をとは言わないまでも、年末やクリスマス時期特有の華やぎがないようで、どことなく寂しさを感じてしまう。

なお、バレエ団のツアーは今シーズン初頭の『Red Carpet』に続き、次シーズンも行き先はニューヨークだ。ニューヨーク・シティ・センターが会場で、内容はミックス・プログラム。『In The Night』『Grand  Pas Classique』『O złożony / O composite』、そしておなじみ『ル・パルク』からの抜粋、そして『ライモンダ』第3幕からの抜粋が踊られるそうだ。

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シーズン2026/27の公演プログラム

『Histoire de Manon』(マノン)
2026年9月28日~10月30日/オペラ・ガルニエ
振付:Kenneth MacMillan
音楽:Jules Massenet
10月15日、ドロテ・ジルベールがこの作品でアデュー公演を行う。一般予約は3月26日12時からオペラ座サイトおよび劇場窓口にて。

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2015年にふたり揃って初役でこの作品を踊ったドロテ・ジルベールとユーゴ・マルシャン。この時以来、息の合うふたりは可能な限りステージを共にし、10月15日もふたりで踊る。photography: Svetlana Loboff/ OnP

「Gala」(シーズン開幕ガラ)
2026年10月10日/オペラ・ガルニエ
「パリ・オペラ座バレエ団のデフィレ」
音楽:ヘクトール・ベルリオーズ

『Rings of Saturn』(クリエイション)
振付:Juliano Nuñes
音楽:Samuel Barber

『Vers un pays sage』※レパートリー入り
振付:Jean-Christophe Maillot
音楽:John Adams

『Busk』※レパートリー入り
振付:Aszure  Barton
音楽:August Söderman, Camille Saint-Saëns, Daniel Bélanger, Lev<<Liova>>Jourbine, Moondog, Slava Grigoryan

ガラでは毎回クリエイションがひとつ踊られる。今回はブラジル人振付家のジュリアノ・ニュネスがジェルマン・ルーヴェとユーゴ・マルションに新作をクリエイトする。

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バレエ学校の生徒から団員まで階級順にステージを更新するデフィレより。photography: Julien Benhamou/ OnP

ミックスプログラム「Paysages intérieurs」(内なる風景)
2026年10月11日~11月7日/オペラ・ガルニエ

『Vers un pays sage』※レパートリー入り
振付:Jean-Christophe Maillot
音楽:John Adams

『Rearray』
振付:William Forsythe
音楽:David Morrow

『Busk』※レパートリー入り
振付:Aszure  Barton
音楽:August Söderman, Camille Saint-Saëns, Daniel Bélanger, Lev<<Liova>>Jourbine, Moondog, Slava Grigoryan

10月16日の公演はデフィレでスタート。

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『Rearry』。左からルー・マルコー=ドゥルアール、ロクサーヌ・ストヤノフ、タケル・コスト。photography: Ann Ray/ OnP

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ミックスプログラム「Rituels」(儀式)
2026年12月2日~1月2日/オペラ・バスチーユ

『Suite en blanc』(白の組曲)
振付:Serge Lifar
音楽:Edouard Lalo

『Boléro X』(ボレロX)※レパートリー入り
振付:Shahar Benyamini
音楽:Maurice Ravel

『Le sacre du printemps』(春の祭典)
振付:Pina Bausch
音楽:Igor Stravinsky

これまでオペラ・ガルニエで踊られてきた『Le sacre du printemps』がピナ・バウシュの息子で公益財団法人ピナ・バウシュ財団を設立したサロモン・バウシュの同意を得て、オペラ・バスティーユで踊られる。『ボレロX』を振り付けるのはオハッド・ナハリンのカンパニー出身のイスラエル人シャハール・ビンヤミニで、50~60名のダンサーに創作されるそうだ。

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ピナ・バウシュ『春の祭典』より。photography: Agathe Poupeney/ OnP

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ミックスプログラム「Pulsations」(脈動)
2026年12月4日~1月2日/オペラ・ガルニエ

Création(創作)
振付:Lucinda Childe
音楽:Max Richter

『Lamentation』
振付:Martha Graham
音楽:Zoltan kodaly

『Schmetterling』
振付:Sol Leon, Paul Lightfoot
音楽:Max Richter, The Magnetic Fields

ポストモダン・ダンスのアイコンであるルシンダ・チャイルズ。1984年の『Première orage』に次いで、42年ぶりにパリ・オペラ座バレエ団のために作品をクリエイトする。音楽はマックス・リヒター。

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マーサ・グラハム『Lamentation』のソロを踊るパク・セウン。photography: Svetlana Loboff/ OnP

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ミックスプログラム「Eclats de danse」(ダンスの輝き)
2027年1月9日~1月28日/オペラ・ガルニエ
(パリ・オペラ座ジュニア・バレエ団)

『The Vertiginous Thrill of Exactitude』
振付:William Forsythe
音楽:Franz Schubert

『Eternal Rift』
振付:Julian Nicosia
音楽:Michael Anklin, Janiv Oron

『On Then and Now』※レパートリー入り
振付:Simon Valastro
音楽:Woodkid

創作
振付: Anna Hop
音楽: Sergueï Rachmaninov, Erik Satie, George Gershwin, Frédéric Chopin, Béla Bartök

『YU』※レパートリー入り
振付:Altea Nuñez
音楽:John Williams, Juno Reactor

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シャネルによる衣装で踊られる『Eternal Rift』より。photography: Opéra national de Paris

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ミックスプログラム「Correspondances Nocturnes」(夜間通信)
2027年2月12日~3月8日/オペラ・ガルニエ

『Nocturnes』※レパートリー入り
振付:Thierry Malandin
音楽:Frédéric Chopin

Création(創作)
振付:Cathy Marston
音楽:Frédéric Chopin, Philip Fente

英国ロイヤル・バレエ学校で学んだキャシー・マルストンがジョルジュ・サンドをテーマにパリ・オペラ座のために初めて創作するのは、トゥシューズで踊られるストーリー性の高いネオクラシック作品のようだ。ティエリー・マランダンの作品と同様、彼女もメランコリックでポエティックなショパンの音楽を使用。

『Les enfants du paradis』
2027年3月9日~3月27日/オペラ・ガルニエ
振付:Jose Martine
音楽:Marc-Olivier Dupin

2008年に創作され、2013年には来日公演も行われたこの作品を創作したのは現芸術監督のジョゼ・マルティネス。彼はこの自作で衣装を担当したアニエス・ルテスチュをパートナーに2011年にアデュー公演を行った。創作ダンサーだったマチュー・ガニオが昨年引退し、新しい世代による公演となる。

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ジョゼ・マルティネス『天井桟敷の人々』。オペラ・ガルニエの大階段も作品の舞台にとりこまれ劇場内劇場の臨場感の楽しみもある作品だ。photography: Charles Duprat/OnP

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「Ecole de danse」
2027年4月3日~6日/オペラ・ガルニエ

『Suite de danses』
振付:Ivan Clustine
音楽:Frédéric Chopin

『Ma mere l'oye』(マザーグース)
振付:Martin Choix
音楽:Maurice Ravel

『Piège de lumière』(光の罠)
振付:John Taras
音楽:Jean-Michjel Damase

学校の生徒によるデモンストレーションは、2026年12月5、19、20日に開催される。4月7日には海外のバレエ学校と合同で第4回目Gala des Ecoles de danseを開催。

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イヴァン・クルスティーヌ『Suite de Danse』より。photography: David Elofer/ OnP

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マルタン・シェクス『Ma mère l'oie』より。 photography: Julien Benhamou/ OnP

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『Joyaux』(ジュエルズ)
2027年4月5日~5月18日/オペラ・バスティーユ
振付:George Balanchine
音楽:Gabriel Fauré, Igor Stravinsky, Piotr Ilyitch Tchaikovsky

2000年に衣装が一新され、クリスチャン・ラクロワによるデザインの衣装がステージ上で、エメラルド、ルビー、ダイヤモンドの輝きを放つ。2009年の秋にガルニエ宮で踊られた際に「ルビー」をリズミカルで軽やかなステップで観客を沸かせたマチアス・エイマンの復帰を期待したい。

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ジョージ・バランシン『Jewels』。最後の「ダイヤモンド」を踊るジェルマン・ルーヴェ。photography: Julien Benhamou/OnP

オペラ・ガルニエで最後にこの作品が踊られたのは2009年なので、17年ぶりである。なお2017年7月に作品誕生50周年を記念して、ニューヨークのリンカーン・センターで「エメラルド」をパリ・オペラ座バレエ団、「ルビー」をニューヨークシティーバレエ団、「ダイヤモンド」をボリショイ・バレエ団が踊るというゴージャスな公演が行われた。

『La fille mal gardée』(リーズの結婚)
2027年5月7日~22日/オペラ・ガルニエ
振付:Frederick Ashton
音楽:Louis-Josef-Ferdinand Herald

2年前の公演で英国ロイヤル・バレエ団からのゲスト、マルセリーノ・サンべをパートナにー初役でリーズを踊りブルーエン・バティストーニがエトワールに任命された。

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フレデリック・アシュトン『リーズの結婚』から、ブルーエン・バティストーニ。phototgraphy: Benoite Fanton/OnP

『Kaguyahime』(かぐや姫)
2027年5月26日~29日/オペラ・ガルニエ
(招聘カンパニー・東京バレエ団)
振付:金森譲
音楽:Claude Debussy

東京バレエ団がガルニエのステージで公演を行うのは『The Kabuki』以来15年ぶりとなる。その前に東京バレエ団は、この作品で12月にイタリアにて海外公演を行う。

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photography: Shoko Matsuhasi/ The tokyo Ballet

『Raymonda』(ライモンダ)
2027年6月15日~7月13日/オペラ・バスティーユ
振付:Rudolf Noreen
音楽:Alexandre Gouzounov

2019年12月に22公演が予定されていたが、12月3日の公演を除き21公演が年金制度改革に対するストでキャンセルになった。その前にこの作品が踊られたのは2008年12月なので、最近のバレエファンにとっては幻のヌレエフ作品だろう。

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ルドルフ・ヌレエフ『ライモンダ』。photography: Svetlana Loboff/OnP

『Giselle』(ジゼル/創作)
2027年6月25日~7月14日/オペラ・ガルニエ
振付:Johan Inger
音楽:Grégoire Heizel

パリ・オペラ座で19世紀から踊られているおなじみの『ジゼル』ではなく、現代を舞台にヨハン・インガーが創作する。夏に工事に入るオペラ・ガルニエで踊られる最後の作品だ。

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photography: ©Natasza Fiedotjew

チケット予約
公式サイト(https://www.operadeparis.fr/)あるいはオペラ・ガルニエおよびオペラ・バスティーユの窓口にて。バレエ公演の料金はオペラ・ガルニエで10~175ユーロ、オペラ・バスティーユで17~175ユーロ。12月31日は両劇場とも特別料金。なお購入チケットの転売はオペラ座の公式サイト内(https://bourse.operadeparis.fr/content)にて可能。ここでは完売公演のチケットが見つかることもある。

editing: Mariko Omura

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