エムバペの心を射止めた26歳、女優・エステル・エクスポシトとは?

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4月にキリアン・エムバペとの熱愛報道が出たエステル・エクスポシト。彼女はNetflixのドラマシリーズ「エリート」でブレイクしたスペイン出身の女優だ。

第77回カンヌ国際映画祭でのエステル・エクスポシト。(カンヌ、2024年5月18日) photography: Marechal Aurore/ABACA

多くの人にとって、彼女は長らくNetflixのドラマシリーズ「エリート」のカーラ役だった。このドラマに出ていた頃の彼女は、インターネットでの検索回数が多いスペイン人女優のひとりとも言われた。人気が出た後、マスコミに追いかけ回されることを嫌い、活動を休止していた時期もあった。だが今年の4月初めから、この26歳の女優の名前がまた浮上している。とりわけフランスで話題となったのは、彼女が同国サッカー界のスーパースター、キリアン・エムバペの交際相手と報じられてからだ。6月11日に開幕したFIFAワールドカップでは、スタジアムの観客席からフランス代表チームで活躍するエムバペを応援する彼女の姿が見られるのではないか。そんな期待が渦巻いている。エムバペは2024年からレアル・マドリードでプレーしているが、マドリードはこの女優の出身地でもある。スペインの日刊スポーツ紙の「マルカ」は、二人がパリのプルマン・ホテルのルーフトップバー「ディージエム・シエル(10e Ciel)」でのパーティーで、仲の良い様子だったと報じた。

以来、女優とアスリートはパパラッチに追いかけ回されている。ふたりともこの件に関し、公式発表を一切していない。キリアン・エムバペはもともと、私生活について非常に口が堅い。エステル・エクスポシトも、人気にどんな代償が伴うのかを知ってからは慎重になり、恋愛についても沈黙を守る。彼女は、名前が売れなくても女優活動が充実していればそれでいいと思っているらしい。「有名になりたいと思ったことは一度もありません。女優の仕事で食べていければいいとは思いましたが、有名になることは選択肢にありませんでした」と2023年10月、スペイン「エル・パイス」紙の取材で言っているぐらいだ。「最初は両親の助けもあってうまくやっていました。でも今の状況は重荷になり始めています」。それでも6月初旬、モンテカルロ・テレビ祭でメディア「レジェント」からアスリートとの関係について質問をされ、出会う前からキリアン・エムバペの名前を知っていたと答え、SNSの噂を否定している。

建築家の父

エステル・エクスポシトはずっと女優になりたかった。演劇に目覚めたのは5歳の頃だ。生まれはマドリード。愛情深い家庭で恵まれた子ども時代を過ごしたと言う。父親は建築家として成功しており、母親は不動産管理業務を営んでいた。少女の頃から自立したい、稼ぐ手段が見つかったら家を出たいと思っていたそうだ。「映画やテレビに出ている子どもを見て、両親に『私もやってみたい』と訴えましたが、学校へ行って勉強し、普通の子どもとして過ごすように言われました」とエル・パイス紙に語っている。アーティスト気質のエステル・エクスポシトは個性的なスタイルが好きな目立ちたがりの少女だった。だから学校の制服は大嫌い、袖をまくったり、なにかをはおったりして何とかアレンジしようとした。

初舞台は13歳のときだった。演劇を学び始めた1年後には事務所に所属するようになる。2013年と2014年には、マドリード地域演劇コンクールで助演女優賞を受賞。2016年には「トゥルーマン・ショー」の舞台に出演し、カルロス3世大学から最優秀女優賞を授与される。同年、ロドリゴ・ソロゴイェン監督の映画『ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件』でカメラデビューするも、出演シーンは最終的に編集段階でカットされてしまった。人気医療ドラマ「Centro médico(原題)」やドラマ「ロックアップ/スペイン 女子刑務所」にも端役で出演している。

ドラマ「エリート」でつかんだ成功

17歳になったエステル・エクスポシトは女優の夢を叶える大きな一歩を踏み出した。Netflixシリーズ「エリート」のオーディションを受け、カーラ役を勝ち取ったのだ。カーラはスペインの裕福な家庭に育った令嬢で「侯爵令嬢」のあだ名を持ち、エリート校ラス・エンシナス校に通っているという設定だ。理想が高く、自信家でいたずらな面もある。自分が馬鹿にされたと感じれば、アルヴァロ・リコ演じるボーフレンドのポロと別れることも辞さない。この役によって18歳の女優は一気にスターとなった。エル・パイス紙によると、シリーズ1は配信開始からわずか1か月で世界2,000万世帯以上に視聴された、とNetflixは発表している。

ファンの間でカーラは大人気だった。最初は嫌味な存在だったのに、徐々に魅力的な側面が見えてきて、最後は愛されキャラに。シリーズを去ってから6年が経った今でも、エステル・エクスポシトはこの作品について質問され続けている。「エリート」卒業後に大変な思いをした時期もあったが、女優はこのドラマ出演を大切な思い出にしている。「(ドラマの話をされても)気になりません。この作品が大好きですし、とても感謝しています。世界中の人に私を知ってもらい、こうして興味深い別の企画に取り組めるチャンスを与えてくれたのですから」と彼女はエル・パイス紙に語っている。「エリート」は3シーズン出演した後、シーズン1から出演していた多くの俳優たちと一緒にシリーズ卒業を決意した。「すべてのことには、それにふさわしい時期があります」と彼女は同紙に言う。「このキャラクターを続ける意味がもうありませんでした。当時私は20歳で、新しいことに挑戦したかったのです」。そして彼女は、それまでとはまったく異なるジャンルへと向かった。それは子どもの頃から大好きだったホラー映画だ。2022年にはジャウマ・バラゲロ監督の『Venus(原題)』、2023年にはアマト・エスカランテ監督の『Lost in the Night(原題)』に出演。後者は同年のカンヌ国際映画祭で上映された。2024年にはペドロ・マルティン・カレロ監督の『叫び』、そしてポロ・メナルゲス監督の『El Talento(原題)』に出演している。2024年からはNetflixで配信されているシリーズ『Bandidos /バンディドス』にも出ている。

不安と名声

一方で「エリート」での経験は、エステル・エクスポシトのメンタルヘルスにも影響を及ぼした。不安症に苦しむようになったのである。「自分には、自分に対して厳しく当たってしまう傾向があります。過剰に自己否定して自罰的になるため、とても辛い思いをしてきました。高校時代は大変でした。自分で自分を理解できず、居心地の悪い思いをし手いました。友だちは助けにならず、孤独感を感じて無気力でした」と、彼女は2024年9月、スペイン版「ヴォーグ」誌に語っている。女優になりたいとずっと思っていたのに、実際になってみると想像と異なっていた。エル・パイス紙に語ったように、彼女はそれまで「大人の人生を理想化していた」のだ。

「人生の後戻りはもうできないのだと悟りました。この仕事は大好きですがものすごいプレッシャーがかかります。すぐに不安になってしまう性格では、メディア露出はマイナスでしかないのです」と当時の心情を吐露した。「エリート」のおかげで絶大な人気を得たものの、その人気に振り回され、弊害が起きていた。「SNS、仕事のオファー、街で声をかけてくる人々……。気を取られることが多すぎて、じっくり考えることさえできなかったのです」と彼女はエル・パイス紙に語っている。「エリート」後、「少し状況が落ち着くと」、孤独と向き合わなければならないことに気づいた。そのことは、彼女の自信を「揺るがした」という。

「それもあってシリーズが終わると、メキシコへ旅立ちました。逃げ出したかったんです。ここでは何もかもがドラマ出演の思い出につながっていました」と彼女はスペイン版ヴォーグ誌に語っている。「別のジャンルで映画の仕事を続けたいと、切に思いました。私は映画界が大好きで、ここにいたいのです」。「エリート」卒業後はメディアと距離を置き、露出を減らした。「この心境になるまでは、長い時間とたくさんの諦めが必要でした。家で孤独に不安と向き合いながら何もせずにずっと過ごし、本当に自分がやりたい企画が現れるのをじっと待っていました」と彼女はエル・パイス紙は当時の心境を語った。「虚しくて悲しい気分になったこともあります。ワクワクするようなものと巡り会えずに落ち込んだのです。他の人よりも恵まれた立場にいることは分かっていても複雑な心境でした」

エステル・エクスポシトはメンタルヘルスの専門家の助けを求めることを決意した。「2年前からセラピーを受け、それはとても良い経験でした。海外ロケの仕事が入って今は中断していますが、また再開したいと思っています」と言う。そして、「一歩を踏み出すことは簡単ではありませんでした。見知らぬ人を訪れて自分をさらけ出し、何に苦しんでいるのか語らなければならなかったのですから」と付け加えた。「でも結果的には良かったです。また通わなくてはと思っています。自分の不安をコントロールする必要がありますから。何でもひとりで対処できると思っていても、実際はそうではありません」

ファッションと影響力

女優業のかたわら、エステル・エクスポシトはSNSでも大人気だ。ファッションが大好きで、シューズブランド「ヴィクトリア」のミューズを務めたほか、ラルフ ローレンのアンバサダー、さらに最近ではデシグアルのアンバサダーも務めている。26歳の女優はファッションウィークのフロントロウにもよく姿を見せ、今ではカンヌ国際映画祭の常連にもなりつつある。初めてこの映画祭を訪れたのは2021年のことだった。その後、2023年にはアマト・エスカランテ監督作『Lost in the Night(原題)』で再訪した。以来、彼女は毎年パレ・デ・フェスティバルのレッドカーペットを踏んでいる。第79回カンヌ国際映画祭では5月19日に会場に現れた。その翌日には歴史映画『La Bataille de Gaulle (原題)』の上映にエレガントなロングドレスをまとって堂々と大階段を上がった。

エステル・エクスポシトのインスタグラムアカウントには2,400万人以上のフォロワーがいるが、彼女自身は自分がインフルエンサーだとは思っていない。「私にとってこれはゲームのようなものです。仕事でも憧れでもありません。自分をインフルエンサーだとは思っていません。自分の人生を見せているわけでも、流行を生み出そうとしているわけでもない。SNSは本来の目的のために使うべきです。そうでなければ有害で危険なものになり得ます」と、彼女はエル・パイス紙に語っている。「私にとってこれはショーウィンドーのようなもの。人生のごく一部を見せているだけで、最高の瞬間も最悪の瞬間も見せてはいません」とも。彼女はその「ショーウィンドー」を利用して、社会問題についてたびたび発言している。2024年にはインスタグラムのストーリーズを通じて移民問題について意見を表明した。

スペイン版ヴォーグ誌では国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と定期的に協力していることを明かしている。また難民の海上救助活動を行うカタルーニャのNGO団体「オープン・アームズ」も支持している。「反対意見を持つ人がいることは分かっていますし、その人たちが礼儀正しくそう表明するのであれば何の問題もありません。でも実際には多くの人がとても失礼でした。あんなふうにひどくののしってくるのは、明らかに女性蔑視や人種差別の持ち主ですね」とスペイン版ヴォーグに女優は語ると、「結局、彼らは根っからの女性蔑視者、人種差別主義者なんです。私の主張の正しさが証明されました。これが極右の特徴です」と続けた。2025年9月にはマドリードでウェブサイト「Artistas con Palestina」が企画したデモにも参加している。そして10数名の文化人とともに、イスラエル軍の攻撃によってガザで命を落とした1万8500人のパレスチナ人の子どもたちの名前を読み上げた。

「Artistas con Palestina」がマドリードで開催した集会に参加するエステル・エクスポシト。(マドリード、2025年9月15日) photography : Europa Press News / Europa Press via Getty Images

彼女が擁護するのは難民や抑圧された人々だけではない。女性の権利についても積極的に発言している。とりわけ関心があるのは性差別の問題だ。「どこであれ、女性に主導権や権力を委ねることはいまだに難しいようです。それは映画やテレビの世界でも同じです。監督や脚本家、制作スタッフの大半はいまだに男性であり、多くのストーリーが男性の主人公を中心に回っています」とエル・パイス紙に語っている。「私たち女性はいまだに男性中心の物語の周囲を回る装飾的な衛星のような存在です……。男性が物語の主人公であること自体は問題ではありません。問題なのは、そのような物語が多数派であることです。だからこそ私たちは続けなければいけません。諦めてはいけないのです。私はとても幸運でしたが、それでも女性の考えが真剣に受け止められることは、いまだに簡単ではないと感じています。」こうした発言によって批判を受けたり、映画の仕事を逃したりする可能性もある。しかし、それは彼女にとってたいした問題ではないようだ。

From madameFIGARO.fr

※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

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