キャロリン・ベセット・ケネディ、時代を超える90年代のファッションアイコンとは?
Fashion 2025.03.13
死後26年経った今も、キャロリン・ベセット・ケネディは永遠のファッション・ミューズ。エレガントな彼女が愛用したアイテム、それは白いシャツだ。

まるで男物のシャツを着ているような姿でレッドカーペットに現れたのは、1999年3月9日のこと。それまでもファッションセンスの良さで知られていたが、この日、彼女の完璧で自然なスタイルは人々に強い印象を残し、「エフォートレス」の言葉と共に海を越えて広まった。1999年7月に亡くなってから26年経った今日も、キャロリン・ベセット・ケネディは、静ひつでシンプルなシックの女王であり続けている。振り返れば義母のジャッキー・ケネディ・オナシスや、その妹のリー・ラジヴィルもそうだった。気品ある振る舞い、抜けるような肌、優雅な仕草、タートルネックのセーターにシンプルなジュエリーをつけ、真っ赤な口紅が印象的だった。
最高にシンプル
一切の装飾を排除したミニマリストなスタイルは時代を超え、カリスマ性を帯びる。彼女が好んだのは、彼女のウェディングドレスをデザインしたナルシソ・ロドリゲスや、広報担当として働いていたカルバン・クライン。ヨウジヤマモトの服もよく着ていた。ニューヨークのホイットニー美術館でのガラパーティーで着ていたのもそうだった。日本人デザイナーがこの日のために創りだしたルックは、メンズシャツを羽織ってウェストでクロスさせ、ボトムには1999年春夏ウィメンズ・コレクションのブラックフリルスカートを組み合わせた。タキシードのような印象の服は彼女をファッション・ミューズの地位に押し上げた。彼女は流行を追うのではない、彼女が流行をつくリ出すのだ。それまでにも似たようなスタイルを試みる女性はいた。例えば1998年のアカデミー賞授賞式のシャロン・ストーンがGapのシャツをはおっていたように。だが、これほどエレガントに着こなした人はいなかった。
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シグネチャースタイル
無駄のないシンプルな彼女のシグネチャースタイルは多くのファッションデザイナーに影響を与えた。スニタ・K・ネアーが書いた『Carolyn Bessette Kennedy: A Life in Fashion(原題:キャロリン・ベセット・ケネディのファッション人生)』(Abrams社刊)に序文を寄せたガブリエラ・ハーストはこう綴っている。「彼女のスタイルはあくまでも自然で、それゆえに彼女はカリスマ的存在だった。豪奢ではないのに贅沢なスタイル。そのミニマリズムの決め手はフォルムとシルエットだった」。そしてこのスタイルは今日でも新鮮だ。同著でアメリカのデザイナー、マイケル・コースも語っている。「キャロリン・ベセット・ケネディは、義母ジャクリーン・ケネディ・オナシス、女優のC.Z.ゲスト、あるいは1950年代から1960年代にかけてのファッション・アイコンだったスリム・キースといった不朽のアメリカン・シックの現代的な回答だった」と。
カジュアルとミニマリズムの理想的な融合である彼女の「ノーロゴ」ルックは、今なおインスピレーションを与えている。11月27日、サザビーズはキャロリン・ベセット・ケネディのアイコニックな服3点(プラダとヨウジヤマモト)をオークションにかけた。177,600ドルで購入したのはデザイナーでスタウドの創設者のサラ・シュタウディンガーだった。この金額は、キャロリン・ベセット・ケネディがファッション界での影響力を保ち続けていることの証だ。
From madameFIGARO.fr
text : Ségolène Wacrenier (madame.lefigaro.fr)