「Less I, more us ("私"よりも"私たち")」。マリア・グラツィア・キウリがフェンディ初のショーに込めたメッセージとは。

Fashion 2026.03.03

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新たにフェンディのチーフ クリエイティブ オフィサーに就任したマリア・グラツィア・キウリによる初のショーには絢爛たる顔ぶれが集まった。話題になったのはもちろんそれだけではない、「Less I, more us ("私"よりも"私たち")」というモットーを掲げ、不動のフェンディ神話にふさわしい2026-27年秋冬コレクションを披露したのだ。

原点回帰、そしてフェンディ家姉妹への強烈なオマージュ。

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フェンディ 2026-2027年秋冬コレクション。photography: Spotlight

ディオールでおよそ10年にわたる成功を収めたマリア・グラツィア・キウリ。彼女にとってフェンディのコレクションを手がけることは原点回帰でもある。というのも、彼女が1989年にキャリアをスタートさせたのがフェンディのアクセサリー部門からだったからだ。ピエールパオロ・ピッチョーリ(現バレンシアガ・アーティスティックディレクター)とコンビを組み10年間活躍したのち、ヴァレンティノへと移籍。キウリは2016年に同メゾンを離れ、クリスチャン ディオールの女性アーティスティックディレクターへと就任した。

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今回のフェンディでのキャリアにあたって、キウリは昨年10月にこう語っていた。「メゾンを創設したフェンディ5人姉妹のもとでキャリアをスタートさせるという幸運に恵まれた私にとって、フェンディへ戻ることは名誉であり喜びです。フェンディは常に才能の宝庫であり、業界の多くのクリエイターにとっての出発点となってきました。それは、この5人の女性が卓越したビジョンとノウハウによって、世代を超えて人材を温かく育成してきたからです」。この言葉通り、記念すべきファーストショーで新生フェンディに力強いオマージュを捧げた。

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徹底したエレガンスが滲み出る。

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キウリがファーストコレクションのモットーに掲げた「Less I, more us ("私"よりも"私たち")」。これは、キウリ自身の仕事への姿勢を表した言葉だ。ブランドに携わる人々と共に働くことの価値、共通の目的と願望、そして他者や自分たちを取り巻く世界を深く理解し受け入れることの重要性が込められている。同時にフェンディ家の5人姉妹が築き上げたクリエイティブな結束力とブランドの豊かな歴史を描き出す言葉でもある。

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今回のランウェイはミラノのメゾン本店に設けられ、メゾンのシグネチャーを感じさせるディテールのルックを纏ったモデルたちが登場。その姿こそがメゾンへのオマージュを感じさせるものであった。ピュアで構築的なライン、モダンなシルエット。凝りすぎることなく細部にこだわった装いからは徹底したエレガンスが滲み出る。男女で対になったようなルックも登場し、コレクションの中に連帯感が漂う。

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黒を基調に、遊びをきかせて。

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素材とメゾンの伝統的な職人技を際立たせるために選ばれたのは、ブラックをメインにしつつもグレー、クリームベージュなど、くすんだ色調だ。シアー素材やラインストーン、レースをあしらったパンツスーツ、タキシードジャケット、透かし模様のブラウス、胸飾りのついたメンズシャツも登場。どれもが単体でスタイルが完結するような完全体であり、現代の働く女性にとって理想的なワードローブが揃う。

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迷彩柄ファーのパッチワークブルゾン、ゼブラ柄コート、ファーで縁取られたノースリーブベストなどユニークなアイテムもコレクションを彩る。もちろん忘れてはならないのは、ブランドのシグネチャーバッグ「バゲット」、メンズサイズも登場した「ピーカブー」、さらには新作のハーフムーン型レザーバッグといった永遠のアイコンたちの存在だ。

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女性アーティストとのコラボレーションで発信するメッセージ。

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今コレクションで欠かせないのは、言葉の視覚的な魅力を追求したイタリアの伝説的アーティスト、ミレッラ・ベンティヴォーリオのアーカイブと協業し誕生した限定版のリングやウェア。リングは、1970 年代初頭にベンティヴォーリオ自身がデザインしたもので、「身につけられる詩の作品」への敬意のもと、忠実に再現されたのだという。

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また、アスリートでもあり多分野で活躍するアーティストでもある、サグ・ナポリとのコラボレーションでも言葉を使ったメッセージ性のあるスカーフやTシャツも登場。「Rooted but not stuck(根ざしているが、とらわれていない)」や「Present but not dependent(存在しているが、依存していない)」といった、"個人の信念"と"集団として行動する際の理想"というふたつの側面を兼ね備えたメッセージを認めている。

コラボレーションにはいずれもキウリが大切にしてきたシスターフッドの哲学が込められている。

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フェンディで実現させる、力強さと女性らしさ。

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力強さと女性らしさは、マリア・グラツィア・キウリにとって永遠のテーマである。彼女が描いた2026年のヒロイン像は、自信に満ち満ちて歩みを進めながらも、ときにはフェミニニティ香るシースルーの総レースドレスもまとうような女性。

その強いメッセージは今回のコレクションにヘリテージを継承しながら新たな創造性をもたらし、さらには新生フェンディの成功を予測可能なものへと昇華させたと言えるだろう。知的で、着ること生きることへの哲学を持ち合わせながらもウェアラブルである、そんなファーストコレクションを披露した。

From madameFIGARO.fr

text: Ségolène Wacrenier (madame.lefigaro.fr) photography: Courtesy of Fendi

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