マリア・グラツィア・キウリがフェンディの新チーフ クリエイティブ オフィサーに就任。
Fashion 2025.10.15
ローマ出身のデザイナーは現在61歳。ディオールで10年近く活躍してきた。この度シルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディの後任としてフェンディのクリエイティブディレクションを担うことになった。
2025年9月29日、フェンディはローマのメゾンのクリエイティブディレクターだったシルヴィア・ヴェントゥリーニ・フェンディが退任し、名誉会長に就任することを発表した。ほどなく、イタリアの代表的なラグジュアリーブランドのクリエイションを引き継ぐ人物が明らかになった。パリ・ファッションウィーク初日からその名が取り沙汰されていたマリア・グラツィア・キウリである。
公式には少し遅れて2025年10月14日の午後にようやく発表された。
「マリア・グラツィア・キウリは、今日のファッション界で稀有な創造性を持つ人物であり、ファッションについての大胆なビジョンを示してくれました。LVMHグループ内でクリエティビティを発揮し続けるためにフェンディに戻ることを選んでくれて大変嬉しく思います。思い出深いこの街でフェンディのチームに囲まれ、マリア・グラツィアはメゾンのユニークな遺産を引き継ぎながら新たな芸術性をもたらし、将来の成功に貢献してくれるでしょう」と、LVMHグループの会長兼CEOのベルナール・アルノーは声明で述べている。
原点回帰
マリア・グラツィア・キウリにとってはまさに原点回帰だ。愛する故郷ローマという街への回帰であると同時に、1989年にアクセサリー部門でキャリアをスタートさせ、10年間にわたりピエルパオロ・ピッチョーリ(現バレンシアガ・クリエイティブディレクター)とタッグを組んで働いたことでよく知るメゾンへの回帰でもある。その後2人はヴァレンティノに移ってアクセサリーデザインを担当、2008年には同メゾンのクリエイティブディレクターに就任した。2016年、マリア・グラツィア・キウリはクリスチャン・ディオールのウィメンズコレクションのデザイナーに就任、1946年のブランド創設以来、初の女性クリエイティブディレクターとなる。今年5月に退任するまでの9年間、彼女はフェミニスト的な視点と圧倒的にロマンチックなスタイルをディオールに絶えずもたらした。
彼女が思うフェンディの女性像とは?
「創業一族のフェンディ5姉妹のもとでキャリアをスタートできたことは光栄でした。フェンディに戻れることをうれしく、ありがたく思います。フェンディではたぐい稀な才能を持つ5姉妹が卓越したビジョンとノウハウで幾世代もの才能を育み、応援してきました。おかげで、多くのクリエイティブな人材が絶えず集まり、育っていきました」とマリア・グラツィア・キウリは語った。フェンディでの初コレクションは2026-2027年秋冬になる予定で、来年2月にミラノで発表される。
From madameFIGARO.fr
text: Augustin Bougro & Marion Dupuis (madame.lefigaro.fr)