デザイナーのニコロ・パスカレッティが語る、タサキと始めた夢のコラボレーション。
Jewelry 2025.06.25
タサキがアップカミングなデザイナー、ニコロ・パスカレッティとのコラボレーションによるコレクション「TASAKI NICCLÒ PASQUATELLT」を発表した。イタリア出身のパスカレッティは、パリとトスカーナを拠点に活躍するファッションデザイナー。今回、多くの共通の価値観を持つタサキとパスカレッティが「フルイド」、「アンビバレント」、「アンドロジナス」、「パッセル」という4つのシリーズの新作ジュエリーをリリースし、注目を集めている。
イタリア・トスカーナ生まれ、母国とベルギーで学んだ後、渡米。ザ ロウでキャリアを積み、その後、ロンドンのセントラル セントマーチンズ美術大学でウィメンズウエアを学ぶ。卒業後はロエベへ。2021年、自らのブランド「ニコロ・パスカレッティ」を立ち上げる。
Q:タサキとのコラボレーションに至った経緯は?
A:タサキとの対話を続けていく中で、私とタサキの世界観には共通する部分が幾つもあることが分かってきました。そして、私はいつもファインジュエリーやジュエリー全般に情熱を傾けてきた。実際、私のデザイナーとしてのデビューコレクションは、ジュエリーでしたし。そんな私とタサキのラボレーションは会話の延長で自然に始まりました。
Q:あなたとタサキの共通点について詳しく教えてください。
A:我々にとっての大きな共通点は、まず着想源が"自然"であること。そして、素材や革新的なクラフトマンシップを重要な要素と捉えている部分も同じです。さらに非常にクラシックな素材である真珠をいまの装いにマッチするモダンでひねりのあるジュエリーに落とし込む、というクリエイションへのアプローチにも共感しました。
有機的なフォルムのパーツを重ねて、真珠貝の中に潜むエネルギーを表現した「フルイド」コレクション。上から時計回りに、「フルイド」ネックレス(YG×あこや真珠)¥3,630,000、同リング(YG×南洋真珠)¥1,034,000、同イヤリング(YG×あこや真珠)¥1,100,000、同ネックレス(YG×あこや真珠)¥825,000/以上タサキ
Q:このコラボレーションに取り組む前、タサキにはどのようなイメージをお持ちでしたか?
A:日本の素晴らしい手仕事を駆使した美しい真珠のジュエリーを作るブランドだと思っていました。伝統的な真珠というマテリアルをベースにしたジュエリーにモダニティを吹き込むのがとても得意だというイメージもありましたね。
Q:では、実際にタサキと一緒にモノづくりに取り組んだことで、そのイメージに変化はありましたか?
A:タサキは私が想像していた通りの素晴らしいブランドでした。まずはそのブランドを支えるクラフトマンシップを間近に見られたことは貴重な経験でした。私が提案したアイデアを卓越した技術と緻密な手仕事でジュエリーに落とし込むプロセスは、まさに圧巻。このコラボレーションを通して、その凄さを実際に肌で感じることができたのも財産になりましたね。今回は、真珠の養殖場にも訪れました。真珠の養殖から、職人たちの仕事を経て、実際にジュエリーになるところまですべての工程に触れることができた。そんな経験は初めてだったし、知らないこともたくさんあって学びの多いプロジェクトになりました。
多彩な要素が調和することで生まれる、ありのままの自然を切り取った"パッセル"のコレクション。金色の石、ルチルはニコロの好きな素材。「パッセル」コレクションネックレス(YG×あこや真珠×ルチルクオーツ)¥7,700,000、同リング(YG×あこや真珠×ルチルクオーツ)¥3,630,000、同ブローチ(YG×あこや真珠×ルチルクオーツ)¥3,190,000/以上タサキ
Q:ニコロさんはデザインをする時には、何から着手しますか?
A:まずはアイデアから。そして、私がイメージするジュエリーに仕上げるにはどんな素材を使ったら良いかを考える。それから、デザイン画を描きます。さらに立体にした時にシェイプ、そしてカラーなど、ほかの要素を決め込んでいく感じですね。今回のこのコラボレーションも似たような手順で作りました。
Q:ジュエリーをデザインする上で重要視していることは?
A:ジュエリーは身につけるオブジェクトです。だからこそ、技術的な側面が大切になってきます。壊れることなく長持ちして、安全。それを具現化するための完璧な仕事が必要となってきます。まるでアートピースのような美しさ、高いデザイン性を持ちながら、身につけることができる。その両立は難しいからこそ、チャレンジのしがいがあり、私がジュエリー作りに惹きつけられる理由でもあります。
タサキの養殖場の海と真珠貝をニュートラルな視点で描いた"アンドロジナス"は、ユニセックスなジュエリー。上から時計回りに、「アンドロジナス」ネックレス(YG×あこや真珠×南洋真珠)¥9,900,000、同リング(YG×あこや真珠)¥792,000、同イヤリング(YG×あこや真珠)¥1,540,000、同ブレスレット(YG×あこや真珠)¥2,695,000/以上タサキ
Q:タサキとのコラボレーションでも挑戦した部分はありましたか?
A:タサキには、豊富な知識と経験を持つ職人たちがいて、彼らはどのようにアプローチすれば、私のデザインが実際のジュエリーになるのかが分かっている人たちです。なので、新たな挑戦ということはなかったものの、私がデザインしたゴールドを使ったデザインのピースを身につけやすい、軽やかなジュエリーに仕上げてくれた。そのリアリティはとても重要で、そこをしっかり具現化できる職人技には驚くばかりでした。
Q:今回のコラボレーションの着想源は?
A:パールです。パールと光。その光の放射状に広がるグラデーションを想起させるジュエリーを考えました。さらにオーガニックなシェイプから生まれる幾何学的でありながらも流動的なデザインも重要です。たとえば、パーツが動いて形を変える「アンビバレント」のシリーズは、流動的に動く海の流れとそこで生まれるパールが主役です。「フルイド」は日本の地形が生み出す曲線もヒントになっています。
流動的な海の流れと、不変的な存在感を放つパール。そんな相反する要素が一体となる事で生まれる自然の美を表現した。「アンビバレント」ブレスレット(YG×あこや真珠)¥495,000、同リング(YG×あこや真珠)¥550,000/ともにタサキ
Q:パールにはどんな印象を持っていますか?
A:パールは、最もトラディショナルで美しく、普遍的な素材。私個人としては、祖母がいつもパールのジュエリーを身につけていたので、彼女のことを思い出します。いまでも彼女が愛用していたパールのイヤリングをつけることも。そうやって世代を超えて、大切に身につけることができるのもパールの魅力ですね。
Q:このジュエリーたちをどんな風に身につけて欲しいですか?
A:自分を表現するひとつの要素として取り入れてもらえたら。どんな人にとっても、感情的に語りかけてくるジュエリーになっていると思います。私自身は「フルイド」のピアスをよくつけています。そして、同じシリーズのネックレスは、波を想起させるシェイプにクラシックなパールを組み合わせることでスーパーモダンに仕上がっている。それも気に入っています。
「フルイド」イヤリング(YG×あこや真珠×ルチルクオーツ)¥1,012,000、同ネックレス(YG×あこや真珠×ダイヤモンド)¥5,280,000/ともにタサキ
ニコロ・パスレッティコラボがいち早く登場する、ポップアップが開催。
会期:6月25日(水)〜7月1日(火)
会場:伊勢丹新宿店 本館1階 ザ・ステージ
営)10:00〜20:00
無休
問い合わせ先:
タサキ
0120-111-446(フリーダイヤル)
https://www.tasaki.co.jp/jewellery/tasaki-niccolo-pasqualetti/
photography: Tasaki text: Tomoko Kawakami