【パリのインテリア】パリジェンヌのサイドテーブルのある暮らし。
Interiors 2025.06.18
自分の感性をもとに、知恵と工夫を凝らして日常を楽しく過ごす、フランス流の暮らしの美学「アールドゥヴィーヴル」(Art de Vivre)は、パリジェンヌの住まいのあちこちに息づいている。フランス家庭で使われるテーブルは、食事や作業など実用に使う以外に、飾ることが目的の場合もある。とりわけサイドテーブルは、部屋にリズミカルな流れを加えるキーアイテムだ。実例を参考に、フレンチスタイルのディスプレイをものにしよう。
花のコーナーをあちこちに作って、フェミニンな空間を演出。
ヴィクトリア・ペテルセン(ファッションブロガー)
ガラスのサイドテーブルに置かれた花の写真集の周りに、アネモネとミニチュアローズを一輪挿しで飾る。香りのキャンドルや蚤の市で見つけた薬瓶など、形状の異なるものを一緒に並べることで、空間にリズムが生まれて。photography: Yusuke Kinaka
部屋には欠かさず花を飾るというヴィクトリア。彼女のこだわりは、生花をそのまま飾るのではなく、器や写真集、絵などのインテリア小物とのコーディネートを楽しむこと。ジャルダン・ドゥ・フルール(花園)をイメージし、室内にいくつも展示コーナーを作っては季節の花を飾りつけるのがお決まりだ。
ノルマンディーの蚤の市で見つけた、花柄のアンティークの器に蘭の鉢植えを合わせて、コーナーを優雅に彩る。
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チェックのクロスに、世界中から集めた本を置いてプチライブラリに。
サシャ・フロック=ポリアコフ(アーティスト)
「古い本の表紙からインスパイアされることが多い」から、大切な本は目立つ場所に置くのがサシャのルール。季節の花や真鍮の燭台と一緒に飾れば、華やかさもプラスされる。
英国調のインテリアに、異国情緒あふれるエスニックな装飾品など、多様なテイストをミックスさせて自分らしいスタイルを楽しんでいるサシャ。「旅先の本屋さんやアンティークショップで買った書籍を目に触れる場所に置いて、インテリアのアクセントにしています」と語るように、子どもの頃から大好きなタータンチェックのクロスに、創作活動のインスピレーション源となる本を重ねて置いて、いつでも手に取れるようにしている。
ノルマンディーのアンティークショップで買ったテーブルには、サシャが手掛けたトランプの作品、アスティエ・ド・ヴィラットの陶器、動物のオブジェなど、お気に入りを飾って自分だけのサンクチュアリに。photography: Manabu Matsunaga
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年を重ねたテーブルに集めたのは、自分らしさを表現できるもの。
アリス・グルニエ―ル=ヌブー(画家・女優)
ヴァンヴの蚤の市で購入した丸テーブルに、映画のDVD、アート絵画、本、ラルチザン・パフュームの香水、ボン・メゾンの香りアイテム、蘭の植木鉢などを配置。ヴィンテージのオレンジの照明のおかげで、どこかポップなニュアンス。photography: Yusuke Kinaka
ブロカントや祖母から譲り受けた家具に、現代の感覚をミックスさせて装飾するアリス。サロンに置いてある飾りテーブルには、愛用する香水や映画のDVDなどプライベートなものを集めるが、人を招くこともある空間だけに、それらが会話の糸口になることも。照明、植木鉢、本にヴィヴィッドな色合いのものを配して、インテリアのアクセントにしている点にも注目を。
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ダメージテーブルにはあえて、デザイナー照明を合わせる。
マルゴー・ドゥルーム(アーティスト)
ブロカントで見つけてきたグリーンのサイドテーブルの上に、イタリア製の照明とドライフラワーをセッティング。photography: Yusuke Kinaka
白くペイントされた住まいのあちこちに、自作の絵やさまざまなオブジェを飾って、アーティスティックで温かな居住空間を作り出しているマルゴー。デザイン家具を中心に、ブロカントで見つけてきた味わいのある家具も柔軟に取り入れている。いびつな形をしたサイドテーブルはなんとたった2ユーロで購入。デザイナー照明と一緒に配置すれば、傷すらチャームポイントに見えてくるから不思議。
*この記事は、madame FIGARO.jpの2017年9月~2022年8月の記事を再編集し、制作したものです。
editing: ERI ARIMOTO