レストラン「ウニ」で発見する、外国人シェフによる和食の味わい。
Paris 2026.03.11
日本人がフランス料理を含め外国料理を日本人の嗜好に合うようにアレンジしているように、パリでは最近自分たち風にアレンジしたおいしい和食を出す店が増えている。そのおかげか、お寿司が好きというフランス人にとってのお寿司とは自分たちに馴染みの魚であるサーモンとマグロだけという時代は終わったようだ。8区のゴールデン・トライアングルにオープンしたレストラン「ウニ」のシェフはシンガポール人のアクマル・アニュアール、エグゼクティブシェフはディミトリ・パク。ウニは新鮮な素材を用いた美味しい店だ。外国人がシェフだからと敬遠する必要はなく、これは日本では食べられない和食を発見する良い機会である。クラシックな和食と思わず、新ジャンルと思って行くのが日本人にはいいだろう。

日本だけでなくアジア諸国が作り上げる和食店ウニ。シェフはシンガポール人のアクマル・アニュアール、エグゼクティブシェフはディミトリ・パク。photography: 左 ©Pavel Gulian、右 ©CyrielleGiot
例えば、海藻のサラダ。クリーミーなゴマ風味のソースの中に甘味のあるサクッとした軽い何かが。何かと言うと、これはキャラメライズしたクルミという驚き。食感の楽しみが隠れた思いがけないおいしさが、前菜から始まるのだ。店名となっている海の幸ウニは様々な調理法で登場する。ファイナルタッチとして上に乗っていたり、料理の中に取り入れられたり。殻付きの生はいくつかの味があり、また握りでは、中とろとキャビアと一緒にと、ゴージャスな満載。寿司はこうあるべきと思う日本人の料理人からは生まれない組み合わせだ。

左:海藻のサラダ。 右:前菜のパン・オ・ルヴァンのトーストを添えた牛肉のタルタル。キャビアはオプション。©Pavel Gulian ©Pavel Gulian

左:エビの天ぷらの寿司ロール。 右:握り。キャビアやウニは追加で。©Pavel Gulian

シグネチャー料理のひとつ、ウニとイクラを乗せたマグロのタルタル。©Pavel Gulian

メインには和牛サンド、たらの味噌づけ、ステーキ、ラーメン......お好み食堂的な品揃えだ。©Pavel Gulian
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メニューを見るとスナック、サラダ、前菜、寿司ロール、ハンドロール、握り、刺身、オードブル&シグネチャー、メイン、デザートと小分けされていて、選ぶのがなかなか難しい。平日のランチタイムは59ユーロのセットメニューがあるので、迷ったらこれを。ディナーは時間かけて料理を選ぶのがいいので、カクテルや食前酒を味わいながら! カクテルメニューは一目に値する。ハチマン、カメオサ(甕長)、ヒトカイ,アマビエ、グミョウチョウ(共命鳥)......妖怪の世界まで名前を探しにいっているとは!! これが外国人による和食レストランの面白いところだろう。

平日のランチメニュー(59ユーロ)。味噌汁、前菜、寿司ロールかハンドロール、メイン(魚か肉)、デザート。©Pavel Gulian

キンカンやカルピスなどがミックスされたカクテルも。©CyrielleGIOT
それはインテリアにも言えること。マルゴーとマキシムというデュオによる建築事務所の2M Architecture Intérieureが手がけた印籠がコンセプトという内装は、まるで日本を舞台にした映画のセットのよう。レストラン内は大きく3パートに分かれ、それぞれ凝ったインテリアだ。御所や貴族の家をイメージに、これでもかというほど日本色が盛り込まれている。パリの中心部ゴールデン・トライアングルで食事をしていることを忘れさせる空間である。この雰囲気、外からは感じられず。レストランを探して番地にたどり着いても、ちょっとそっけないファサードなので通り過ぎてしまうかも。それだけに、扉をあけて目の前に広がる日本的光景に驚かされるという仕掛けだ。

メインスペース。©CyrielleGIOT

パリにいることを忘れさせるインテリア。©CyrielleGIOT

左:寿司カウンター7席を含む20席の奥の部屋。 右:貸切用のプライベートサロンは和室風。©Pavel Gulian
10, rue de la Trémolite
75008 Paris
営)12:00~15:00、19:00~25:00(火~木)、12:00~15:00、19:00~26:00(金、土)
休)日、月
https://www.uni-fr.com/
@uni.france
★Google Map
editing: Mariko Omura






