ブルガリ ホテル 東京 ~八重洲/東京~ ブルガリの伝統を纏い、燦然と輝くエレガントなホテル。

誰もが待ち望んだ「ブルガリ ホテル 東京」が、2023年4月4日、東京駅前にできた商業複合ビル「東京ミッドタウン八重洲」内に開業しました。日本には、次々と誕生するラグジュアリーホテルが話題ですが、このブルガリ ホテル 東京はその話題を特別に独り占めしていたような気がします。

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超高層ビル「東京ミッドタウン八重洲」内に展開する「ブルガリ ホテル 東京。その1階にローマの精神を宿すシンプルで高級感に満ちた静謐なエントランスがあり、東京ならではのブルガリの世界へと誘う。©️Bulgari Hotels & Resorts

1884年にローマに生まれた宝飾品のブランドであるブルガリは、銀細工職人であるソティリオ・ブルガリにより創業されました。ちなみに「BVLGARI」の「V」は古代ラテン文字と同じです。ギリシャ出身のソティリオのルーツとブランドの歴史を表現するために、この文字を使用しているといわれていますが、こうした点にも徹底したブランドづくりが垣間見えてきます。

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レストランに隣接する「ブルガリ ラウンジ」。ニコ・ロミートシェフ監修のパスティッチェリア(イタリアでは小さな菓子の意味、王族や貴族の愛した焼き菓子)や、午後にはオーガニックな日本茶をはじめお好みのドリンクが選べる「アフタヌーンティー」も楽しめる。©️Bulgari Hotels & Resorts

2001年にマリオット・インターナショナルと合弁会社を立ち上げ、その後ミラノ、バリ、ロンドン、北京、ドバイ、上海、パリ、そして東京と次々とブルガリの名を冠したホテルを開業。東京のオープン熱が冷めやらぬうちに、ローマの開業ニュースが飛び込んできたことも驚きでした。その後も次々と話題の立地にオープンが予定されている、躍進目覚ましいホテルです。東京に生まれたブルガリ ホテルは、ブルガリ ホテルズ&リゾーツ コレクションの8番目のホテルとして、イタリアのコンテンポラリーなスタイルを表現しながらも、どこかに日本的な感性が香る、上質さの際立つ内装に目を見張りました。

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ブルガリ ホテルと私の出会いは、2004年5月のブルガリ ホテル ミラノに始まりました。その卓越したセンスとエレガントなデザインに感激して以来、ブルガリ ホテルをずっと見続けてきた私ですが、東京は自国ですので、格別にワクワクして開業を待ちました。

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客室は41~44階。全室51㎡以上、全面ガラスの大きな窓、日本伝統文化を意識したバランスの卓越した客室デザインは、他のブルガリ ホテル同様に“邸宅”のような落ち着きがある。写真はスーペリアスイート。44階のコーナーには“最高の宝石”と呼ぶブルガリ スイート(416㎡)がある。©️Bulgari Hotels & Resorts

ここ東京でもブルガリの哲学は変わらず、イタリアブランドの高級家具を設えた客室は美しく輝いて見えました。高級床材、ライティング、よじ登るような背の高いベッド、重くずっしりと感じるスレッドの密な大きいバスタオルまで……すべてが世界のブルガリスタンダードを貫いていました。ブルガリ ホテルズ&リゾーツの他のホテル同様、ブルガリ ホテル 東京のインテリアデザインはイタリアの建築設計事務所ACPV ARCHITECTS アントニオ・チッテリオ・パトリシア・ヴィエルが手掛けていると知り、一目でわかる卓越したセンスの良さ、さらに家具や調度品など素材も含めて納得でした。ただ、館内随所に日本的な要素もちらほらと見え、総体的に見てもエレガントな上質感が漂っています。

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レストランに隣接して、高さのあるガラス壁に囲まれたテラスがあり、季節の良い時期にはアウトドアダイニングも。都心の絶景が望める広いテラス。©️Bulgari Hotels & Resorts

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日本を代表する建築家、辰野金吾によって建てられた東京駅とホテルの入る最新の超高層ビル「東京ミッドタウン八重洲」。「ブルガリ ホテル 東京」は超都心に“伝統と革新”の象徴的な情景を演出。©️Bulgari Hotels & Resorts

大型複合施設の入る「東京ミッドタウン八重洲」の40階から45階までをホテルとし、全98室が揃っています。屋外テラスにつながる「ブルガリ ラウンジ」の賑わいには目を見張りました。

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40階のレストラン「イル・リストランテ ニコ・ロミート」内観。印象的な木造アーチ状の天井などインテリアに目が留まり、また温かみのある独特の色調がブルガリならでは。©️Bulgari Hotels & Resorts

レストランでは黒とブルガリを象徴するサフランカラーを中心とした色遣いに見とれ、「イル・リストランテ ニコ・ロミート」での洗練された食事にも言葉を失いました。イタリアのアブルッツォのレストラン「Reale」でミシュラン三ツ星を獲得した世界で最も有名なシェフのひとりであるニコ・ロミートが監修し、コンテンポラリーなアレンジを加えたイタリア料理が提供されています。

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40階、1000㎡のブルガリ スパのエリアにはエメラルドグリーンのモザイクタイルが美しい25mのスイミングプール。周囲にはオーダーメイドの木製カバナが置かれ、他にバス、サウナ、9室のトリートメントルームが揃う。©️Bulgari Hotels & Resorts

総支配人の田中雄司氏はこう語りました。「魅せるホテル、誇れるホテルをつくる」と。その通り、東京でも特筆すべき独自性を放ち始めたようです。1000㎡を誇る「ブルガリ スパ」でのトリートメントは時間が足りず……。次の機会に、是非いつか。

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ふたつの屋上テラスの間に位置する「ブルガリ バー」。カウンター奥の壁はイタリアブランド「Bisazza」(ビザッツァ)社に特注の華やかなガラスモザイク「ガーデン オブ ワンダーズ」。まるで木々や鳥たちのいる庭園を彷彿とさせる。©️Bulgari Hotels & Resorts
ブルガリ ホテル 東京
東京都中央区八重洲2丁目2-1
Tel: 03-6262-3333
https://www.bulgarihotels.com/ja_JP/tokyo

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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