【篠原ともえ連載Vol.31】FUJI TEXTILE WEEK 2025で思い出をつくる。

早いもので今年も残すところわずかとなりましたが、この時期はアートにまつわるイベントが全国各地で開催されています。今回私が足を運んだのはテキスタイルと芸術が融合した国内唯一の布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK 2025」その様子をご紹介しましょう。

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富士山麓にある山梨県富士吉田市は1000年以上続く織物の産地でもあります。アートやデザインを通じテキスタイルに光を当てたこのイベントは伝統産業や地域活性を目的とし2021年よりスタートしました。

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産業の記憶の保存、そして街のアイデンティティの再形成として、使われなくなった織物関連の工場や倉庫、店舗等を展示会場として再利用していたのも印象的。イベントを通じ、街の活性化がアイデアによって見事に昇華されています。

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産地を物づくりの起点として国内外のさまざまなコミュニティーが交わり、海外アーティストのコラボレーションも展開。貴重な当時の写真や音声や映像なども観覧でき、どの作品も見応えがあり時間を忘れ世界観に没頭してしまいました。

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"織り⽬に流れるもの"をテーマに多様なアーティストたちが繰り広げる世界観は圧巻。織物という表層から⽂化背景や歴史の深層を探って欲しいという主催者たちの想いが込められており、会場ではこんな言葉が綴られていました。

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「⽬に⾒える織り⽬の下には、無数の⾒えない⼒が⾛っている。それは、まるで地下を流れる伏流⽔のように、⾳や⼿のリズム、記憶、⼟地の気配が、織物の下層で脈打っているのです」。ハッとする素敵な視点ですよね。このテーマにアーティストたちが呼応し空間そのものが喜んでいるように感じるのです。

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富士吉田で過ごした時間は"文化を織り続ける"という想いの尊さと力強さを教えてくれました。街から生まれる新たな視点や出会いに心を開き、布が語りかける物語の続きをこれからも見届けていきたいです。

『FUJI TEXTILE WEEK 2025』
期間:開催中〜12⽉14⽇(⽇)
開)10:00〜17:00
※会場により16:00閉館(最終入場は各会場閉館30分前)
休)12/8(⽉)
※会場の一部は一般の店舗や公共施設を活用しているため、休館日や開催時間が異なる。
料)一般¥2,500 学生¥2,000
https://fujitextileweek.com/

1995年歌手デビュー。文化女子大学(現・文化学園)短期大学部服装学科デザイン専攻卒。歌手・ナレーター・女優活動を通じ、映画やドラマ、舞台、CMなどさまざまな分野で活躍。現在はイラストレーター、テキスタイルデザイナーなど企業ブランドとコラボレーションするほか、衣装デザイナーとしても松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートやアーティストのステージ・ジャケット衣装を多数手がける。2020年、アートディレクター・池澤樹と共にクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。
篠原ともえ公式サイト:www.tomoeshinohara.net
公式インスタグラム:www.instagram.com/tomoe_shinohara/

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