【篠原ともえ連載Vol.30】大阪万博2025で思い出をつくる。
TOMOE SHINOHARA MAKING 2025.10.14
世界中から注目を集め、多様な文化と最先端技術が融合した夢の舞台「大阪・関西万博2025」。人々に多くの感動と希望を与え、今年最も話題となった一大イベントでした。私も心躍らせ、足を運んだ一人でした。五感を揺さぶる魅力的なパビリオンの様子をここにご紹介したいと思います。
私が注目していたのは「ともに生き、ともに輝く未来へ」がコンセプトとなっている「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」。空間に導かれると、イントロダクションはある女性たちのさまざまなストーリーから始まり、やがてそれらは共鳴し合いひとつとなり、私たちの創造力と可能性を讃える熱いメッセージが心に浸透してゆきます。
美術館とも劇場とも違う、静かな祈りの余韻が残る体験でした......。今回の機会に、経済ニュースのプラットフォームであるNews PicksにてZ世代を代表する山之内すずさん、そしてNews Picks for WE編集長の川口あいさんと「多様な女性の姿を、未来へ」というテーマでディスカッションもさせていただき、その様子が期間限定でご覧いただけます。このメッセージが女性のエンパワメントを後押しするきっかけになればとても嬉しいです。
河瀬直美さんの手がける「Dialogue Theater―いのちのあかし―」。ここでは光栄なことに河瀬さんにもお会いさせていただくことが叶いました。このシグネチャーパビリオンは、対話を通じて世界の至るところにある分断を明らかにし、解決を試みる実験の場。参加したことで、私も自分自身との対話のような特別な瞬間に触れることができ、この体験は深く心に刻まれました。
NTTパビリオンは、まるで時空を旅するようなインスタレーション。中へ入るとテクノロジーの最前線でありながらアイデアに溢れたスペクタクルへと誘われます。クラフト感のある外装もとても好みでした。演出にはお子様も楽しめる工夫もあり、笑顔でこの世界観を堪能しました。目に見えない情報や感覚を伝え合うためのチャレンジもとても興味深かったです。
圧巻のフランス館は、まさに知と芸術が融合した世界。展示すべてがどこを切り取っても洗練されていて、イマーシブな演出や心震わす音楽、詩的な映像のすべてがドラマティックに語りかけてくるのです。
大阪・関西万博のパビリオン巡礼は、感性を研ぎ澄ます特別なギフトのようでした。そしてなにより一番の印象は年齢、性別、国籍を超え、とにかくキラキラと来場者の方々が輝いていたこと。私自身もクリエイティブなインスピレーションをおおいにキャッチできました。万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。この素晴らしい体験を今後の創作作品にも活かしていきたいです。

1995年歌手デビュー。文化女子大学(現・文化学園)短期大学部服装学科デザイン専攻卒。歌手・ナレーター・女優活動を通じ、映画やドラマ、舞台、CMなどさまざまな分野で活躍。現在はイラストレーター、テキスタイルデザイナーなど企業ブランドとコラボレーションするほか、衣装デザイナーとしても松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートやアーティストのステージ・ジャケット衣装を多数手がける。2020年、アートディレクター・池澤樹と共にクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。
篠原ともえ公式サイト:www.tomoeshinohara.net
公式インスタグラム:www.instagram.com/tomoe_shinohara/