この春もロンドンの美術館・博物館では見逃せないエキシビションが目白押し。アニメーション作りの体験から、ファッションの歴史に触れる展示まで、現地でも注目を集める5つをピックアップ。次回のイギリス旅の予定に加えたいスポットばかり。

1. 『インサイド・アードマン:ウォレス&グルミット・アンド・フレンズ』
ヤングV&A

ヤングV&Aの前に立つウォレス&グルミット。 photography: David Parry for the V&A
ウォレス&グルミットや羊のショーンでお馴染みのイギリスのアニメーションスタジオ、アドーマンの設立50周年記念のエキシビション。イギリスでは国民的な人気を誇り、日本でも広く愛されているアドーマン作品の制作工程や撮影現場の裏側を見ながら、彼らの尽きることのないクリエイティビティを肌で感じることができる。
アニメーション作りの体験コーナーなどもあり、小さな子どもから大人までが楽しめる展示は家族のためのこのミュージアムならでは。

精巧に作られたセット。丁寧に見て回りたい。 photography: David Parry for the V&A

おなじみのシーンが目の前に。 photography: David Parry for the V&A

羊のショーンのスケッチ。 photography: ©TM Aardman Animations LTD
Inside Aardman: Wallace & Gromit and Friends
会期:開催中〜11月15日
Young V&A
Cambridge Heath Road, Bethnal Green, London E2 9PA
https://www.vam.ac.uk/
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2. 『ウィメン・イン・プリンツ:リバティ・プリントの150年』
ウィリアム・モリス・ミュージアム

リパティ・プリントを使ったファッションのコーナーは圧巻!
ウィリアム・モリス・ミュージアムは、アーツ・アンド・クラフト運動を率いたウィリアム・モリスがかつて暮らした邸宅を使用した博物館。現在同館では、昨年創業150年を迎えたデパート「リバティ」が誇るプリントファブリックで通称リバティ・プリントのデザインを手がけた女性デザイナーたちに特化した展覧会を開催中だ。現在も圧倒的な人気を誇るリバティ・プリントは、独自の美意識を貫き挑戦を恐れない女性たちによって作られてきたことを改めて教えてくれる。

60sに一斉を風靡したBIBAのツーピース。このプリントデザインはBIBAのデザイナー、バーバラ・フラニッキのお気にりだったそう。

アーカイブからの貴重な資料も並ぶ。

デザイナーによる、手書きのデザイン画。その美しさは圧巻!
Women in Prints; 150 Years of Liberty Textiles
会期:開催中〜6/21(日)
William Morris Gallery
Lloyd Park Forest Road, Walthamstow, London E17 4PP
https://www.wmgallery.org.uk/event/women-in-print/
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3. 『トレーシー・エミン:ア・セカンド・ライフ』
テート・モダン

代表作「マイ・ベッド」 photography: © Tate (Jai Monaghan)
現在、東京の国立新美術館で開催中の「テート美術館ーYBA&BEYOND 世界を変えた90s英国アート」展にも作品が並ぶトレーシー・エミン。テート・モダンで開催中の彼女の大回顧展では、近年は公開されることが稀なパッチワークによる初期作品や彼女の最も有名な作品の一つである「マイ・ベッド」から、重い病気を経て「第二の人生」を力一杯に生きるなかで制作された近年の作品までおよそ200点が並ぶ。エミンが作品を通して一人称で語る、彼女の赤裸々な体験に耳を傾けたい。

トレーシー・エミン photography: © Tate (Yili Liu)

「最後の黄金」は一見可愛らしいパッチワークの作品だが、そこには妊娠中絶のための知識がABC順で記されている。 photography: © Tate (Sonal Bakrania)

展示風景より。近年の作品は大きなキャンパスに描かれたものが中心となっている。photography: © Tate (Sonal Bakrania)
Tracey Emin: A Second Life
会期:開催中〜8/31(月)
Tate Modern
Bank Side, London SE1 9TG
https://www.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/tracey-emin
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4. 『スキャパレリ:アートになったファッション』
V&Aサウスケンジントン

エルザ・スキャパレリ。ココ・シャネルとはライバル関係にあったと言われている。photography: François Kollar © GrandPalaisRmn - Gestion droit d'auteur François Kollar
大掛かりなファッション関連のエキシビションを開催するたびに、それを目当てに海外からの来館者もいるほど大反響を呼ぶV&Aサウス・ケンジントン。この春は1930年代から40年代にかけてパリで活躍したクチュリエール、エルザ・スキャパレリの展覧会を開催する。シュールレアリズムを巧みに取り入れたデザインで知られる彼女と、サルバドール・ダリ、パブロ・ピカソ、ジャン・コクトーらの当時第一線で活躍した芸術家との交流にも着目しながらファッションとアートの関係を改めて考察する。

サルバドール・ダリとのコラボレーションによるドレス。photography: © Emil Larsson

ジャン・コクトーがスキャパレリのために描いたドローイング。
Schiaparelli: Fashion Becomes Art
会期:3/28(土)〜11/8(日)
V&A South Kensington
Cromwell Road,SW7 2RL
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5. 『ペイント!パターン!プリント!』
ファッション&テキスタイル・ミュージアム

スーザン・コリアーとセーラ・キャンベル姉妹。 photography: ©︎Sarah Campbell
リバティやテレンス・コンラン卿のハビタなど、戦後のイギリスにおける新たなライフタイルに大きな影響を与えたショップにテキスタイル・デザインを提供していたスーザン・コリアーとセーラ・キャンベル姉妹。彼女たちの半世紀に渡る仕事を一堂に介するエキシビション。リズミカルでカラフルな二人のデザインは、時代を超えて現代の私たちも魅了する。

「眺めのよい部屋」というタイトルのデザイン。photography: ©︎Sarah Campbell

ファッションブランド、イエーガーのスカーフのためのデザイン。photography: ©︎Sarah Campbell

リバティのためのデザイン。photography: ©︎Sarah Campbell

ハンドペイントの生地を使ったブラインド。 photography: ©︎Sarah Campbell
Paint! Pattern! Print!
会期:3/28(土)〜9/13(日)
Fashion and Textile Museum
83 Bermondsey Street, London SE1 3XF
https://fashiontextilemuseum.org/

在英ライター。得意ジャンルはアート、デザイン、ファッションなどカルチャー・ライフスタイル全般。近年はサステナビリティ、エコロジー、インクルージョンにも興味あり。好きなものはコットンポプリン、ギャバジン、ウールメルトン、手仕事、音楽、美術館と博物館、紙の読みもの。




