Paris City Guide - Eat Restaurant

パレ・ロワイヤルの伝説的レストラン、21世紀に軽やかに蘇ったル・グラン・ヴェフールへ。

2026.07.05

18世紀に歴史を遡るパレ・ロワイヤルの伝説的存在のレストランであるLe Grand Véfour(ル・グラン・ヴェフール)。この春、軽やかに蘇った。これは新オーナーとなったParis Society(パリ・ソサエティ)による新たなる冒険で、内装はグループの他のレストランも手がけたコーデリア・ドゥ・カステランヌが担当した。レストランの室内装飾は歴史が息づくフランスの貴重な財産である。彼女が行ったのは椅子の色を赤から青へというマイナーチェンジなのだが、とても効果的。赤いビロードが持つ重厚感が消え、同じビロードでも光を感じさせる落ち着いた色調のブルーが店内に軽快な感じをもたらしているのだ。さらに女性スタッフが着ていた白いシャツに黒いジャケットという高級レストランの定番制服は、白と明るいブルーのリボン結びのブラウス姿に。これまたとても軽やか。

Café de Chartresというレストランの前身の名前が残されたル・グラン・ヴェフール。photography: Mariko Omura
レストラン内の18世紀の華麗な壁の装飾、絨毯はそのまま。椅子がブルーに変わりモダーンに新生したル・グラン・ヴェフールphotography: 左 ⒸLegrandvefour 右 Mariko Omura
シェフのブリューノ・ドゥーセ(左)とオーナーのParis Societyのローラン・ドゥ・グルクフ。ⒸLegrandvefour

新しいシェフはブリューノ・ドゥーセ。La Régalade (ラ・レガラード)で彼が作るビストロ料理に感動した人々は世界中多数いることだろう。こちらに加え、30年近くシェフを務めていたギー・マルタンの跡を継いで、彼はル・グラン・ヴェフールでも腕を振るうことになったのだ。新しいオーナーの意図が内装、ユニフォームから察せられるように、料理もモダンで軽く! メニューに並ぶ料理名は素材を掲げ、とてもわかりやすく海外からの食事客にも選びやすい。食卓に登場する料理は、どれも 素材のクオリティの高さ、見事な調理法、そして深い味わいとさすがガストロノミー・レストランである。なお、メニューはランチもディナーも同じで、前菜29ユーロ〜、メイン54ユーロ、デザート16ユーロ〜。

魚料理(58ユーロ〜)から、ジャガイモとMaison Revkaのキャヴィアを添えたエイのポシェ(68ユーロ)。ⒸLegrandvefour

オペラ・ガルニエの一角を占めるレストランCOCO、ロスチャイルド家の旧邸宅内のレストランBaronne、珠玉のアール・ヌーヴォー建築でおなじみMaxim’s……パリ市内の美しさ際立つ場所ばかりを所有するパリ・ソサエティ。歴史の重みに押し潰れかけていた感が否めなかったル・グラン・ヴェフールを、眠れる森の美女のごとく現代の美食提案で目覚めさせたのだ。パリの社交界、ハリウッドのスター、世界の富豪、アーティスト、作家……創業以来、ここはセレブリティを集め続けた場所である。パリ・ソサエティが新章を開いたル・グラン・ヴェフールにも輝かしい食事客が再び集まってくることだろう。

パレ・ロワイヤルの回廊にあるレストラン。ⒸLegrandvefour
夏、爽やかな日はテラス席を。ⒸLegrandvefour
INFORMATION
Le Grand Véfour|ル・グラン・ヴェフール〈パリ1区|パレ・ロワイヤル〉

住所:

17, rue de Beaujolais, 75001 Paris

 営:

12:00~14:30、19:00~23:00

 休:

無休

大村 真理子

madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター

東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。2006年から「フィガロジャポン」パリ支局長を務めた後、フリーエディター活動を再開。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。

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