細野晴臣、キリンジらも魅了。国境を越えるセソニョンが作る音楽の秘密。
Culture 2026.04.09
日本のレジェンドたちとのコラボレーションでも注目を浴びる彼女が、これほどまで愛される理由とは? これまでの歩みと、見据える未来へと響かせる音楽について語る。
音楽に反映しているのは、その時々の私の人生そのもの。
SE SO NEON/セソニョン

単独ライブとしては2023年以来の25年11月東京公演も大盛況! J-WAVE(81.3FM)番組出演後、そのまま局で撮影。
印象的なハスキーボイスとブルージーなギターが奏でるヴィンテージサウンド。デビュー以降メンバーチェンジを経たSE SO NEON(セソニョン)は2025年、フロントマンであるソユンのソロプロジェクトとなった。そして完成した待望のフルアルバム『NOW』は「いままで以上にパーソナルな作品」だと語る。
「2年前So!YoON!名儀の『Episode1: Love』をリリース後、SE SO NEONとして次に何を語ろうかと考えました。もっと人生経験が必要だと感じてアメリカやヨーロッパ、日本を行ったり来たりしながら旅をするように作ったのが新作。誰かに何かを伝えたいという気持ちより、人々と一緒に過ごしてきたパーソナルな温度感を作品全体に入れたかったんです」
収録曲「Remember!」は、生前より親交のあった坂本龍一との別れを通して"自分が誰なのか"を忘れまいと決意した感情を綴った曲でもある。
「24年の冬、日本で開催された坂本龍一さんの展覧会のプレビューに伺ったんです。その旅の途中でインスピレーションを得た曲なので、坂本さんからの贈り物のような気がしています」

新アルバムから2曲分のMVをソユン自身がディレクション。「Secret Police」は東京で撮影。「曲を作りながらビジュアルイメージも一緒に浮かんでいて、完成度の高さより、少しぎこちなく見えたとしても、映像に残してみようと思って。私が想像した視覚的なものを反映する練習のようで、楽しい経験だった」と語っている。

「NOW」は、粗い粒子の映像がかえって力強い印象を放つ。
ここ数年、KIRINJIや細野晴臣など、日本の巨匠とのコラボも目を引く。
「日本は長く第一線で活動されているミュージシャンが多くて、心から尊敬しています。そんな方々から見た時、私も流行に流されず長く続けられそうなアーティストだと思われて声をかけてくれていたらいいな......と(笑)。経歴に関係なく試験的なことに挑戦する姿やコミュニケーションの取り方など、全プロセスが学びでした」
1人体制となったSE SO NEONだがSo!YoON!としての活動も続ける。
「バンドはその時々の私の人生を反映していて、ソロは形にとらわれず挑戦したいことを、映画のようにペルソナを創って表現することに意味がある」と語るソユン。25年は本格的に活動拠点をアメリカへ移し、転機が訪れた。
「環境が一変して慣れない部分もあるけれど、逆に楽だと感じることもあります。変化をどう受け止め消化するか、自分に合った形を模索しつつ、どこにいても自分らしく生きていく力をつけている気がしますね。新たなチャプターに突入したことで、以前より短いターンで新しい作品を届けながら、皆さんに会える機会も増えると思います」

2025年8月15日リリースの1stフルアルバム『NOW』。制作はニューヨークで、1日10時間もスタジオ作業をし「未来を思い悩まず、"いま"を生きる」大切さに気付いた。
セソニョン/새소년 2016年、シンガーソングライター/ギタリストであるソユンによって結成。メンバー構成の変遷を経つつも変わらぬ存在感を放ち続け、17年には韓国大衆音楽賞・新人賞およびベスト・ロックソング賞を受賞。Fender「Next Artists 2020」、YouTube Music Foundryのグローバルアーティスト開発プログラムにも韓国から唯一選出されるなど、国内外で注目を集める。@se_so_neon
*「フィガロジャポン」2026年2月号より抜粋
interview & text: Juri Honda photography: Midori Yamashita collaboration: Koki Yahata, Daichi Yamamoto



