クロエが加速させる、ファッションビジネスの変革とは?

Fashion 2023.02.24

クロエは、2023年春夏コレクションの一環としてクロエ・バーティカル(Chloé Vertical)を発表。

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クロエ・バーティカルは、EONが提供するユニークで革新的なデジタルIDで、スマートフォンで商品のラベルをスキャンすることで、商品の製造工程を最初から最後まで追跡することができるもの。またラグジュアリーファッションの中古品を扱う世界的なオンラインマーケットプレイス、Vestiaire Collective(ヴェスティエール・コレクティブ)での直接再販のための所有権証明書へのアクセスも可能にし、商品のお手入れや修理に関する情報も提供。今回のファーストローンチではバッグ、シューズ、レディ・トゥ・ウェアの3つのカテゴリーで展開され、クロエのサプライヤーおよび製造業者も全工程で参加している。このコラボレーションにより、クロエ・バーティカルコレクションに含まれる各商品のサプライチェーンと生産工程をすべて追跡することができる。

クロエ・バーティカルコレクションは、生産工程のみならず、コレクションで使用されているリネン、シルク、ウール、レザーといった天然素材のトレーサビリティも実現。レザーはすべてフランスの農家産のものを使用し、フランスのタンナー、Haas(ハース)でなめしたもの。レディ・トゥ・ウェアで使用しているリネンはノルマンディー地方のもので、環境負荷の少ない栽培方法で育てられ、フランスで紡ぎ、撚(よ)られている。シルクはGlobal Organic Texatile Standard(GOTS、オーガニックテキスタイル世界基準)の認証を受けたものを採用し、オーガニックウールは、ウルグアイにあるガブリエラ・ハーストの家族の農場から入手しイタリアで紡ぎ撚られたものを使用するなど徹底している。

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商品に埋め込まれたデジタルIDを読み取ると、クロエ・バーティカルのページに移動。このページでは、製造工程や素材のトレーサビリティのみならず、お手入れ・修理方法、所有者番号付きの製品保証書などを確認できる。

デジタルIDを一貫して利用するのは、ファッション業界全体で必要とされるビジネスモデルの変革を加速させる上で、重要な役割を果たす。この取り組みには、本物であるということの確認、トレーサビリティの確保、ケア&リペアを円滑に進める、というおもに3つの目的がある。そしてヴェスティエール・コレクティブとのパートナーシップにより、このバーティカル・プロジェクトによる製品のリセールも実現。クロエは、循環型ビジネスモデルの構築と製品のライフスパン拡大を目的に、メゾンとして初めて、あらゆるプラットフォームでデジタルIDを統合したリセールシステムを立ち上げたのだ。顧客にはより意識的に消費するために必要な情報を、ファッション業界にはオープンソースのバーティカル手法を提供。いまは最初のステップを歩み出したところだが、クロエは2025年までにすべての製品にデジタルIDを導入することを約束している。

「つねに一歩先を行き、未来を見据え、システムをより良いものに変えたいという真の願いとテクノロジーを融合させてきた」(Sustainable Markets Initiative Fashion Task Force会長、フェデリコ・マルケッティ)と評されるクロエの試みに、今後も注目して。

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クロエ・バーティカルコレクションで使用されている天然素材は100%追跡可能。

●問い合わせ先:
クロエ カスタマーリレーションズ
tel : 03-4335-1750

text:Natsuko Kadokura

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