雨夜のロンドンをシック&センシュアルに表現。バーバリー 2026ウィンターコレクション。
Fashion 2026.02.27
ロンドンのランドマーク、タワーブリッジがライトアップされて闇のなかで輝き、足元の濡れた黒いアスファルトがその光を映し出す。バーバリーが2026ウィンターコレクションの舞台に選んだのは都会の夜。「とりわけロンドンらしい"夜の外出"へと立ち返ったのです」とチーフ・クリエイティブ・オフィサーのダリエル・リーは語る。

2025年ウィンターコレクションとそれに続く2026年サマーコレクションではイギリスの郊外や野外音楽シーンがシチュエーションだったのに対し、今回は純粋なストリートのリアリティが選ばれた。ロンドン名物の黒いタクシーが雨に濡れた路面を滑るように走り抜け、ナイトバスの車内では誰かのスマートフォンのスピーカー音が小さく響く。「誰もがどこかに向かい、誰もが夜の街へと繰り出しているのです」とリー。彼のクリエイティビティによって、伝統とユースカルチャーは相反することなく刺激し合い、創造的に昇華されていく。
ショーの冒頭を飾ったのは、襟元をボリュームのあるラッフルで飾ったトレンチコート。マニッシュなスタイルにフェミニンな味付けが新鮮だ。流れるようなシルエットと素材感が美しい。


トレンチのディテールが、コントラストレザーのベルトやカフス、ブルゾンのエポレットなどとしてコレクション全体に散りばめられているのも目を引いた。人工ファーやショート丈のコートなどの多様なアウターに、ブランドのシグニチャーをさりげなくプラスているのがこころ憎い。


多彩なアプローチのレザーも印象的だ。プリーツを施したキルト風スカート、キルティングが施されたバイカージャケット、柔らかな素材感が一層際立つジャンプスーツなど。お馴染みのアイテムを新解釈して、新たなスタイルに仕上げている。


伝統あるブランドならではの職人技によるディテールも目を引く。コートの裾からちらりとのぞくドレスには数千粒に及ぶビーズが手縫いで施されている。サテンのドレスには無数のタッセルがあしらわれ、動きとともにエレガントに揺れる。パンツのサイドに流れるように施された竹ビーズは降りしきる雨を連想させる。



カラーパレットはダークでリッチ。ブラックやシャンパンホワイトをベースに、ジュエルトーンやバーバリーベージュをアクセントとしながらダークインクブルー、ダークブラウン、バーガンディー、プラムパープルを重ねて暗さの中に煌めきを閉じ込めている。


「私たちは皆、同じ道を歩いています。同じ街灯に照らされ、夜の街の高揚感を共有しているのです」とリー。バーバリー 2026ウィンターコレクションのシックでセンシュアルな装いは、現代を生きる人々のフィーリングに寄り添いながら、暗く雨の降りしきる冬の夜もドラマチックに街に繰り出す高揚感であふれている。
photography: Burberry text: Miyuki Sakamoto






