夜食を「40gのクルミ」に変えるだけ。医師が教える「睡眠の質向上」と午後の睡魔を軽減する驚きの仕組み。
Lifestyle 2026.03.18

マグネシウムとトリプトファンを豊富に含むクルミは、リラックスと睡眠の助けになる可能性があるが、決して魔法の食材ではない。栄養学者でもある医師が解説する。

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良質な睡眠の秘密が、一掴みの「クルミ」に隠されているとしたらどうだろうか? クルミは、コレステロールを制御することで心臓の健康に役立ったり、記憶力を向上させて脳に貢献したりするだけでなく、睡眠やエネルギーの生産にも影響を与える可能性がある。これは、バルセロナ大学が実施し、2025年9月5日付の学術誌「Food & Function」に掲載された新しい研究が示唆している内容だ。
研究者たちは次の仮説から出発した。「もしクルミを定期的に摂取することで体がより多くのメラトニンを生成するようになるなら、睡眠の質が向上するはずだ」。 得られた結果によると、40gのクルミを摂取することは、健康な若年成人の睡眠の改善と日中の眠気の減少に寄与するという。これは多くの不眠症患者に希望を与える内容だろう。
では、クルミにはどのような有益な成分が含まれているのか? 私たちの眠りの質を改善するために、日々の摂取量を増やすべきなのだろうか?
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マグネシウム、トリプトファン、オメガ3脂肪酸
食生活が睡眠に影響を与える可能性があることはわかっているが、クルミの「力」に特化した研究は不足している。とはいえ、「睡眠とエネルギーは、とりわけ脳内のセロトニンとマグネシウムの存在に依存している」と、パリの栄養専門医ニナ・コーエン=クビは解説する。
「クルミにはマグネシウムに加え、アミノ酸の一種であるトリプトファンが含まれています。トリプトファンは、気分の調節や睡眠・覚醒リズムの交代に関与するホルモンであるセロトニンの生成を含め、体内の多くの生化学反応に不可欠な物質です」
マグネシウムが豊富であるため、クルミには筋弛緩作用、つまり筋肉や神経をリラックスさせる性質があり、それによって間接的に睡眠のコンディションを整える。さらに、気分や睡眠を調節するオメガ3脂肪酸も含まれている。
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魔法の解決策はない
これらを総合すると、クルミは理想的な味方のように思える。しかし、性急な結論には注意が必要だ。摂取方法によって、睡眠やエネルギーの調節作用は影響を受けるのだ。
「例えば、脳内でのトリプトファンからセロトニンへの変化をより良くするためには、クルミを複合炭水化物(パスタ、米、キヌア、オート麦など)と一緒に摂取しなければなりません」とコーエン=クビは強調する。
さもなければ、その効果はゼロになってしまう。また、クルミに含まれるオメガ3脂肪酸の影響も限定的である。なぜなら、植物由来のものは体に吸収されにくいためだと彼女は補足する。
さらに、過剰摂取が健康を害する可能性にも注意が必要だ。「クルミの摂りすぎは脂質の摂取量を著しく増やし、結果としてカロリー過多を招きます」とコーエン=クビは指摘する。 「また、寝る直前に大量に摂取することで消化を妨げる可能性もあり、推奨できません」
したがって、睡眠の質を向上させるためには、他の行動の重要性を思い出すのが賢明だ。彼女は、毎日「オキシトシンの生成を促すため」に、呼吸法や瞑想、マッサージといったちょっとした儀式を取り入れることを勧めている。
そして、朝起きた瞬間からエネルギーを高めたいのであれば、その方法はすでによく知られている通り、適切な食事と十分な運動である。
「身体活動は気分を改善し、落ち込みと戦う助けになる」とコーエン=クビは請け合う。つまり、クルミの摂取はあくまで健康的なライフスタイルを補完するものであり、当然ながら常に適量を守るべき、というわけだ。
From madameFIGARO.fr
text: Louise Ginies (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa




